『そよ風の贈りもの』 | ||||
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ホイットニー・ヒューストン の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
ジャンル | R&B、ポップス | |||
時間 | ||||
レーベル | アリスタ・レコード | |||
プロデュース |
クライヴ・デイヴィス(エグゼクティヴ・プロデューサー) ナラダ・マイケル・ウォルデン、マイケル・マッサー、ジャーメイン・ジャクソン、カシーフ | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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ホイットニー・ヒューストン アルバム 年表 | ||||
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『そよ風の贈りもの』(原題:Whitney Houston)は、アメリカ合衆国の歌手ホイットニー・ヒューストンが1985年に発表した初のスタジオ・アルバム。収録曲のうち「すべてをあなたに」「恋は手さぐり」「グレイテスト・ラヴ・オブ・オール」の3曲がBillboard Hot 100で1位を獲得し[1]、本作はリリースの翌年の1986年にBillboard 200で合計14週にわたって1位を獲得した[12]。
ホイットニー・ヒューストンは、1983年にナイトクラブで歌っていた時にアリスタ・レコードの社長クライヴ・デイヴィスに見出され、アリスタとの契約を得た[13]。ただし、デイヴィスはヒューストンをすぐにデビューさせず、「偉大な歌手だけではなく偉大な曲も必要だ」と考えて、優秀なソングライターやプロデューサーを集めることを優先したという[13]。
「ホールド・ミー」はテディ・ペンダーグラスとのデュエットで、ペンダーグラスのアルバム『Love Language』(1984年)にも収録された[14]。この曲は1984年にシングルとしてリリースされ、ヒューストンにとって事実上のデビュー・シングルとなった[15]。
ジャーメイン・ジャクソンが10曲中3曲をプロデュースして、そのうち「やさしくマイ・ハート」と「夢の中のふたり」ではヒューストンとのデュエット・ボーカルも披露した[16]。「やさしくマイ・ハート」は、本作に先行して発表されたジャクソンのアルバム『ダイナマイト』(1984年)にも収録された。
「恋は手さぐり」をプロデュースしたナラダ・マイケル・ウォルデンは、当時アレサ・フランクリンのアルバム『Who's Zoomin' Who?』もプロデュースしており、同アルバムのためのレコーディング・セッションで「恋は手さぐり」のバッキング・トラックも制作した[17]。なお、ウォルデンはヒューストンの次作『ホイットニーII〜すてきなSomebody』(1987年)において11曲中7曲をプロデュースすることとなる[18]。
「グレイテスト・ラヴ・オブ・オール」は、映画『アリ/ザ・グレーテスト』(1977年公開)のサウンドトラックのためにマイケル・マッサーとリンダ・クリードが共作し、ジョージ・ベンソンが録音してシングル・ヒットした曲のカヴァー[19]。そして、作曲者のマッサーはヒューストンによる「グレイテスト・ラヴ・オブ・オール」に惹かれたことから、同じく自分が作曲した「すべてをあなたに」を提供するが、ヒューストンの母シシー・ヒューストンは、娘に不倫の歌を歌わせることに反対したという[20]。
アメリカ盤は「そよ風の贈りもの」で始まり「ホールド・ミー」で終わる構成だが[21]、ヨーロッパ盤LPはA面/B面が逆で「恋は手さぐり」から始まっていた[22]。また、日本盤LP(25RS-246)はジャケットがアメリカやヨーロッパ盤と異なり、曲順は「恋は手さぐり」から始まる形で発売され、後の再発CDでも同様であった。ただし、2010年に発売された『そよ風の贈りもの〜25周年記念盤』は、曲順・ジャケット共にアメリカ盤に準じた形で統一された。
アメリカの『ビルボード』では、Billboard 200とR&Bアルバム・チャートの両方で1位を獲得[1]。1985年6月にはRIAAによってゴールドディスクに認定され、同年8月にはプラチナディスクに認定された[23]。その後も売り上げを伸ばして、1999年7月には13×プラチナに認定された[24]。また、ヒューストンが死去した直後の2012年2月、Billboard 200で9位に再浮上している[25]。
ノルウェーのアルバム・チャートでは、1986年の第10週から第18週にかけて9週連続で1位を獲得し、第21週にも1位に返り咲いた[4]。イギリスでは1985年12月14日付の全英アルバムチャートに初登場し、合計119週チャート・インして最高2位を記録[5]。ニュージーランドでは1985年6月30日付のアルバム・チャートに22位で初登場し、1986年には合計3週にわたり3位を記録して、1987年10月11日までに合計103週トップ50入りした[8]。
日本のオリコンLPチャートでは、初回盤LPが76週チャート・インして最高4位を記録[9]。また、1992年12月16日に発売された再発CD(カタログ番号:BVCA-158)は、オリコンチャートで最高66位を記録している[26]。
第28回グラミー賞では、本作が最優秀アルバム賞にノミネートされ、「そよ風の贈りもの」で最優秀女性R&Bボーカル・パフォーマンス賞に、「すべてをあなたに」で最優秀女性ポップ・ボーカル・パフォーマンス賞にノミネートされた[27]。そして、最終的には最優秀女性ポップ・ボーカル・パフォーマンス賞を受賞した[1]。また、第29回グラミー賞では「グレイテスト・ラヴ・オブ・オール」で最優秀レコード賞にノミネートされたが、受賞は果たせなかった[28]。
『ローリング・ストーン』誌が選出した「オールタイム・グレイテスト・アルバム500」では249位[29]、同誌が選出した「オールタイム・ベスト・デビュー・アルバム100」では84位にランク・インした[30]。