アレグザンダー・ケイ(Alexander Hill Key、1904年9月21日 - 1979年7月25日)は、アメリカ合衆国の作家。SFを基調とした児童文学を残したことで知られる。
“Escape to Witch Mountain”はディズニー映画『星の国から来た仲間』『ウィッチマウンテン/地図から消された山』の原作、「残された人びと」“The Incredible Tide”は日本のアニメ『未来少年コナン』の原作となった。
1904年、メリーランド州生まれ[1]。幼少から絵に親しみ、1921年にイリノイ州シカゴの美術学校に入学。1923年に卒業後は児童書の挿絵画家として活動を開始する[1]。第二次世界大戦時には海軍情報部に勤務[1]、この時に触れたロボット類がその後の著作に影響を与える[1]。大戦後は元の挿絵画家の活動に戻った[1]。
大戦後自ら児童文学を書くことを望んでいたケイは、1963年に『わんぱくロボット』(Sprockets: A Little Robot)を発表、評判となり[1]、その後も“Rivets and Sprockets”(リベットとスプロケット、1964年)、“Bolts: a Robot Dog”(ロボット犬ボルト、1966年)を発表。一方でより年長者をも対象とした作品も執筆し、特に1965年発表の“The Forgotten Door”(わすれられた扉)はルイス・キャロル賞を受賞、大学の英語教科書にも使われ、また1969年発表の“The Golden Enemy”(金の敵)はジュニア文学ギルドに選ばれるなどし、ケイは児童文学作家としての名声を確立することになった[1]。
1979年7月25日、死去。74歳没。
- The Red Eagle: A Tale for Young Aviators (1930)
- Liberty or Death (1936)
- With Daniel Boone on the Caroliny Trail (1941)
- The Wrath and the Wind (1949)
- Island light (1950)
- Sprockets: a Little Robot (1963)
- 『わんぱくロボット』中尾明訳、司修絵、偕成社〈世界のこどもエスエフ 4〉、1969年
- Rivets and Sprockets (1964)
- The Forgotten Door (1965)
- Bolts: a Robot Dog (1966)
- Mystery of the Sassafras Chair (1968)
- Escape to Witch Mountain (1968)
- The Golden Enemy (1969)
- The Incredible Tide (1970)
- 『残された人びと』内田庶訳、小坂しげる画、岩崎書店〈ジュニア・ベスト・ノベルズ〉、1974年(2001年に復刻版、2012年に新装版が刊行された)
- 『未来少年コナン』内田庶訳、角川文庫、1978年(NHKアニメ「未来少年コナン」放送時に改題して刊行された)
- Flight to the Lonesome Place (1971)
- The Strange White Doves (1972)
- The Preposterous Adventures of Swimmer (1973)
- The Magic Meadow (1975)
- Jagger, the Dog from Elsewhere (1976)
- The Sword of Aradel (1977)
- The Case of the Vanishing Boy (1979)
1968年の“Escape to Witch Mountain”は、以下の原作となった。
- 映画『星の国から来た仲間』(Escape to Witch Mountain、1975年、ディズニー)
- 映画『続・星の国から来た仲間(トニーVSティア/マジカルパワー大激突)』(Return from Witch Mountain、1978年、ディズニー)
- テレビ「Beyond Witch Mountain」(1982年)
- テレビ「Escape to Witch Mountain」(1995年)
- 映画『ウィッチマウンテン/地図から消された山』(Race to Witch Mountain、2009年、ディズニー)
1970年の『残された人びと』(The Incredible Tide=恐るべき津波)は、宮崎駿演出のTVアニメーション『未来少年コナン』(NHK、1978年4月~10月)の原作となった(ただし大幅に改変・脚色されている)。
- ^ a b c d e f g 『残された人びと』(岩崎書店、1974年)巻末「あとがき - この本の作者について」(内田庶)