オークランド男爵(英: Baron Auckland)は、イギリスの男爵位。外交官・政治家のウィリアム・イーデンが、1789年にアイルランド貴族、1793年にグレートブリテン貴族として叙位されたことに始まる。以後現在までイーデン家によって保持されている。
第3代準男爵サー・ロバート・イーデンの三男ウィリアム・イーデンはアイルランド担当大臣(Chief Secretary for Ireland)・在スペインイギリス大使・商務庁長官などを務めた政治家で、1789年11月18日にオークランド男爵(Baron Auckland、アイルランド貴族)に、1793年5月22日にカウンティ・オブ・ダラムにあるウェスト・オークランドのオークランド男爵(Baron Auckland, of West Auckland in the County of Durham、グレートブリテン貴族)に叙された[1]。
初代男爵が死去すると、次男のジョージ・イーデンが爵位を相続した。彼は商務院総裁・王立造幣局局長(Master of the Mint)・海軍卿(First Lord of the Admiralty)・インドの総督を歴任し、1839年12月21日にカウンティ・オブ・サリーにあるノーウッドのイーデン男爵(Baron Eden, of Norwood in the County of Surrey)およびオークランド伯爵(Earl of Auckland)に叙された。しかし生涯結婚しなかったため、この二つの爵位(ともに連合王国貴族)は一代限りで断絶した。なおニュージーランドのオークランド、オークランド市内にあるイーデン・パーク、近郊にあるイーデン山(Mount Eden)は彼に由来する。
3代男爵となったのは2代男爵の弟のロバート(Robert Eden)である。彼は聖職者で、ソドー・アンド・マン主教(Bishop of Sodor and Man)やバース・アンド・ウェルズ主教(Bishop of Bath and Wells)を務めた。
3代男爵が死去すると、その長男で在カールスルーエ代理公使などを務めた外交官のウィリアム・ジョージが襲爵した。その長男のウィリアム・モートンが5代男爵に、ウィリアム・モートンの次男のフレデリック・コルヴィンが6代男爵となった。
6代男爵には子がなかったため、彼の歿後爵位は5代男爵の従弟であるジェフリー・モートンが相続した。次いでジェフリー・モートンの弟のテレンスが8代男爵に、テレンスの長男のイアン・ジョージが9代男爵となった。第10代となる現在のオークランド男爵はイアン・ジョージの息子であるロバート・イアン・バーナードで、1997年7月28日に襲爵した。