オールディーズ(英: Oldies)は、主に1950年代半ばから1960年代にヒットしたアメリカやイギリス、もしくはフランス、イタリアなどのポピュラー音楽のことを指す。ジャンルはポップス、ロックンロール、ロカビリー、ドゥーワップなど幅広い。
オールディーズにはポップス、アーリー・ロックンロール、ドゥーワップ、サーフロック、バブルガム・ポップ、ノベルティ、ポップ・カントリーなど、多くのジャンルが含まれる[1]。ラジオ局DJのアート・ラボエ[2](1925年生まれ)は、「オールディーズ・バット・グッディーズ/OLDIES BUT GOODIES」という、過去のヒット曲を詰め込んだコンピレーション・アルバムをリリースした。
その後、「オールディーズ・バット・グッディーズ/OLDIES BUT GOODIES」(古いけど良い音楽)という言葉は略され、「オールディーズ音楽/OLDIES MUSIC」と呼ばれるようになり、1950年代前半から1960年代前半までの音楽のことを指し示すようになっていった。
オールディーズを描いた洋画には、1973年のアメリカ映画『アメリカン・グラフィティ』がある[3]。
日本では50年代半ばから60年代初頭の音楽を、オールディーズとしてオンエアするが、アメリカのラジオ・ステーションでは50年代から80年代と、日本よりも幅広くオールディーズを捉えている[4]。 欧米ではオールディーズの楽曲をテーマ、あるいは重要なモチーフとした音楽、映画も存在する。『スタンド・バイ・ミー』、『ブルーベルベット』、『クライング・ゲーム』(男が女を愛する時)など。フィル・フィリップス[5]の1959年のヒット「シー・オブ・ラブ」は、ロックバンド・ハニードリッパーズが1985年にヒットさせた後、1989年にこれを主題歌とする映画『シー・オブ・ラブ』が製作された。また、興行成績が好調だった映画『ゴースト/ニューヨークの幻』に使われた「アンチェインド・メロディ」は、「ひき潮」とともにライチャス・ブラザーズの有名なヒット曲である。またこれらの音楽の愛好家には、熱心なコレクターも存在する。それらのファンは当時のヒット曲のオリジナル盤や、マイナーな曲などを探し収集している。
ロックンロールがビートルズ登場以降、「ロック」と抽象化された部分があり、日本ではビートルズ登場以前をオールディーズと定義することが多い。代表的なミュージシャンは、ポール・アンカやニール・セダカ、デル・シャノン、プラターズ、コニー・フランシス、リトル・エヴァらのポップス、エルヴィス・プレスリー、ビル・ヘイリーとコメッツやチャック・ベリーらのロックンロール、ロカビリー、デルズファイブ・サテンズらのドゥーワップ、サム・クックらのソウルミュージック、ビーチ・ボーイズらのサーフ・ロック、スプリームス、マーヴェレッツらのモータウン・サウンド、クリスタルズらのガール・グループ、バブルガムサウンド、クリフ・リチャードやシャドウズらイギリスのロックなどである。日本では、シルヴィ・ヴァルタンやジリオラ・チンクエッティ、ミーナなどヨーロッパの歌手、グループも含まれる。