カラタネオガタマ | ||||||||||||||||||||||||
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1. カラタネオガタマの花
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保全状況評価[1] | ||||||||||||||||||||||||
LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | ||||||||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Magnolia figo (Lour.) DC. (1817)[3] | ||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
カラタネオガタマ(唐種招霊)、トウオガタマ(唐招霊)、バナナノキ | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
banana shrub[1], banana magnolia[1], chenille copperleaf[1] |
カラタネオガタマ(唐種招霊[4]、学名: Magnolia figo)は、モクレン科モクレン属に属する常緑樹の1種である。別名トウオガタマ(唐招霊)。オガタマノキ属に分類されることが多かったが(Michelia figo)[4][5]、2022年現在ではふつうモクレン属に分類される。花にはバナナに似た強い香りがある。中国東南部原産であるが、日本などでも庭や神社に植栽されている。
常緑小高木から低木であり、高さ2 - 5メートル (m) になる[4][5](下図2a)。樹皮は灰褐色[5](下図2b)。枝や芽、葉柄などに褐色から黒褐色の立毛が多い[4][5]。
葉は互生し、葉柄は長さ2 - 4ミリメートル (mm)[4][5]。葉身は倒卵状披針形から楕円形、4 - 10 × 1.8 - 4.5 センチメートル (cm)、全縁、基部はくさび形から広くさび形、先端は尖り、葉は光沢がある[4][5](上図2c)。
花期は日本では5 - 6月(原産地では3 - 5月)[4][5]。直径 2 - 2.5 cm で黄白色の花が葉腋に1個ずつつく[4][5][6](上図3)。花の寿命は短く、1 - 2日[6]。花被片は1.2 - 2 × 0.6 - 1.1 cm、ふつう6枚、萼片と花弁の分化はなく全て花弁状、ふつう黄白色で縁など一部が紫紅色を帯びる[4][5](紫色やワインレッドの園芸品もある[7])(上図3)。雄しべは多数、長さ7 - 8 mm、紫色を帯び、葯隔は突出し尖る[5][6](上図3)。雌しべは離生心皮、多数、長さ 6 mm[5]。雄しべ群と雌しべ群の間に長さ 7 mm ほどの柄がある[4][5](上図3b)。花はバナナに似た強い甘い香りがし[4][5][6]、その匂いの主成分は酢酸イソブチルである[8]。
果期は日本では10 - 11月(原産地では7 - 8月)、個々の雌しべは球状の袋果となり、それが集まった長さ 2 - 3.5 cm ほどの集合果を形成し、裂開して種子を出す[5][9]。染色体数は 2n = 38[5]。
原産地は中国東南部[3][9]。世界中の熱帯から暖温帯域で植栽されることがある[5][1]。日本へは江戸時代に渡来したといわれる[9][4]。
原産地である中国では「含笑花」とよばれる[9][5]。日本では別名として「トウオガタマ」ともよばれ[9][4]、また花にバナナのような匂いがあるため「バナナノキ」とよばれることもある[9]。
世界各地で観賞用に植栽されており、園芸品種も作出されている[5](上図1f)。日本では、オガタマノキと同様に、神社に植えられていることも多い[9]。耐寒性がやや弱く、霜が降るような場所では生育不良となる[6][10]。乾いた寒風を嫌い、日なたから明るい半日陰、やや湿り気のある水はけのよい肥よくな土壌を好む[6][10][11]。目立つ病虫害は知られていない[11]。
薬用とされることもある[5]。
カラタネオガタマの花言葉は「甘い誘惑」である[7][10]。
カラタネオガタマはオガタマノキ属(Michelia)に分類されることが多かったが(Michelia figo)[4][5]、2022年現在ではふつうモクレン属に分類される(Magnolia figo)[1][3]。モクレン属の中では、オガタマノキ節(Magnolia section Michelia)に分類される[2]。
カラタネオガタマの中には、以下の変種が提唱されている。
カラタネオガタマの種内分類群[1][3][12][13][14]
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