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![]() 東京本社が入居する常盤橋タワー | |
種類 | 株式会社 |
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市場情報 |
大証1部(廃止) 3405 1949年5月16日 - 2003年10月11日 |
略称 | クラレ |
本社所在地 |
![]() 〒100-8115 東京都千代田区大手町二丁目6番4号 常盤橋タワー |
本店所在地 |
〒710-0801 岡山県倉敷市酒津1621番地 |
設立 | 1926年6月24日 |
業種 | 化学 |
法人番号 | 1260001013156 |
事業内容 | 樹脂・化学・繊維製品などの製造販売 |
代表者 |
川原仁(代表取締役社長) 早瀬博章(代表取締役専務執行役員) |
資本金 |
889億5500万円 (2023年12月31日現在)[1] |
発行済株式総数 |
3億5486万3603株 (2023年12月31日現在)[2] |
売上高 |
連結:7809億3800万円 単独:2536億9300万円 (2023年12月期)[2] |
営業利益 |
連結:754億7500万円 単独:77億800万円 (2023年12月期)[2] |
経常利益 |
連結:690億2500万円 単独:120億2200万円 (2023年12月期)[2] |
純利益 |
連結:424億4600万円 単独:84億6100万円 (2023年12月期)[2] |
純資産 |
連結:7361億560万円 単独:3988億1200万円 (2023年12月31日現在)[2] |
総資産 |
連結:1兆2544億8500万円 単独:1兆335億5800万円 (2023年12月31日現在)[2] |
従業員数 |
連結:11,330人 単独:4,212人 (2021年12月31日現在)[2] |
決算期 | 12月31日 |
会計監査人 | PwCあらた有限責任監査法人 |
主要株主 |
日本マスタートラスト信託銀行(信託口)17.54% 日本カストディ銀行(信託口)6.36% 全国共済農業協同組合連合会 3.16% 日本生命保険 3.04% 日本証券金融 1.97% (2021年12月31日現在)[2] |
主要子会社 | #関係会社の項目を参照 |
関係する人物 |
大原孫三郎 大原総一郎 大原謙一郎 |
外部リンク | kuraray |
特記事項:経営指標は 2021年12月期 第141期 有価証券報告書 |
株式会社クラレ(英: KURARAY CO.,LTD)は、高機能樹脂や繊維製品などを製造販売する日本の大手化学メーカーである。本社は東京都千代田区大手町二丁目にあるが、本店は創業の地である岡山県倉敷市に置かれている。東証プライム上場企業。日経平均株価およびJPX日経インデックス400の構成銘柄の一つ[3][4]。
近代日本を代表する実業家の一人でもある大原孫三郎により、1926年にレーヨンの国産化を目的として設立される。代表的製品は、ランドセルで有名な人工皮革「クラリーノ」[5]、機能性樹脂「エバール」「クラレポバール」、高機能エラストマー「セプトン」「ハイブラー」、合成繊維「ビニロン」「ベクトラン」、乾式不織布「クラフレックス」など、多数。
「マジックテープ」(一般名:面ファスナー)はクラレの登録商標である[6]。
倉敷紡績(クラボウ)の経営多角化を目的に大原一族が創業したが、現在はクラボウとの関係は営業面のみに関するものであり、人的関係や資本関係は一切ない。
2001年度には30%だった海外売上高比率が、2018年度には68%となり、海外での売上高の割合が年々高まっている[7]。
正式な社章(以前は株券等に使用)は設立時に制定された。同心円を二つ重ね、中に紋所の三つ星を配した通称『二三印』で、その意味は創業者の大原孝四郎が森田節斎に師事したときに伝授された「謙受説」の一節にある『謙受益、則富、富即驕、驕即衰。滿招損、即窮、窮即愼、愼即盛。盛衰相尋於無窮。』[注 1]の思想を図表化したものである。
氏名 | 在任期間 | 出身校 | |
---|---|---|---|
1 | 大原孫三郎 | 1926年6月 - 1968年6月 | 東京専門学校 |
2 | 大原総一郎 | 1939年5月 - 1968年8月 | 東京帝国大学経済学部 |
3 | 仙石襄 | 1968年8月 - 1975年5月 | 東京帝国大学法学部 |
4 | 岡林次男 | 1975年5月 - 1982年10月 | 大阪帝国大学工学部[11] |
5 | 上野他一 | 1982年10月 - 1985年6月 | 九州大学法文学部[12] |
6 | 中村尚夫 | 1985年6月 - 1993年6月 | 京都大学大学院[13] |
7 | 松尾博人 | 1993年6月 - 2000年6月 | 早稲田大学第一法学部[14] |
8 | 和久井康明 | 2000年6月 - 2008年4月 | 東京大学経済学部[15] |
9 | 伊藤文大 | 2008年4月 - 2015年1月 | 東京大学経済学部[16] |
10 | 伊藤正明 | 2015年1月 - 2021年1月 | 大阪大学基礎工学部[17] |
11 | 川原仁 | 2021年1月 - 現職 | 早稲田大学政治経済学部[18] |
売り上げの約4割は、ポバール、エバールなどを含む樹脂事業であげている。液晶に使用されるポバールフィルムで世界シェア80%、ガソリンタンクや食品密封包装などに使用されるエバールで世界シェア70%など、機能性樹脂を中心とする新素材で高い競争力と独自性を持つことを、事業の特徴としている。
また、事業競争力の維持のため、研究開発を積極的に行うほか、2001年にはポバールのシェアで競合するドイツのクラリアント社から、製造プラントを一括して買収するなどの、直接投資も積極的に行っている。
その他 49社
その他 2社
テレビCMでは人工皮革クラリーノのアヒルをキャラクターにしたCMが知られているが、2006年に新ロゴマークが登場、その後2007年11月から成海璃子(2008年8月からはアルパカが加わる)を起用した企業CMが放送された。繊維メーカーから化学メーカーへ進出したクラレをPRする「未来に化ける新素材。ミラバケッソ」がキャッチフレーズで[19]、電車内と高校教室を舞台に、日常の空間の中で突然登場する造語ミラバケッソのTシャツを着た男性陣を見て成海が疑問に感じてしまうというコミカルなCM。なお「電車編」では京成電鉄の特急列車「スカイライナー」(成田スカイアクセス開業前)でロケが実施されている (詳細)。JR東日本山手線のトレインチャンネルでも同じ内容のCMが同年末〜翌年初にかけて放映された。
その後も、成海と「アルパカのクラレちゃん」が共演した、企業CM「ミラバケッソ」シリーズの続編が放映された。
東日本大震災後の2011年4月からは、同社の社会貢献活動を紹介する企業CMとして、「ランドセルは海を越えてキャンペーン」、「少年少女化学教室」並びに「クラレ作業所」(のうち新潟事業所内にあるクラレの障害者雇用施設第1号)の3作品を、同社提供番組の『日経スペシャル ガイアの夜明け』などで放映している(2008年10月頃提供開始していたが、2013年3月末をもって一時降板、2017年10月より復帰)、または『朝だ!生です旅サラダ』に放映している(2016年10月1日頃提供開始していたが、2021年3月末をもって一時降板、2024年10月より復帰)。いずれもBGMは、平原綾香の「大きな木の下」(後に歌抜きとなった)。過去には、『どちら様も!!笑ってヨロシク』や『クイズタイムショック』などで番組スポンサーについていた。
また、大阪市の野田阪神(福島区鷺洲一丁目)にあった系列の結婚式場「クラレ白鷺」のCMは、閉館後の現在も関西地区を代表する「なつかしのCM」として知られている。
2014年からはソチオリンピックへの出場が決まったスキージャンプの高梨沙羅が出演する企業CMの放映がスタート。イメージソングは高梨と同じ17歳(当時)のシンガーソングライター、新山詩織の楽曲「今 ここにいる」を起用。
2014年12月から黒島結菜(アルパカは引き続き登場している)を起用した企業CMが放送されていた。
CMに出演するアルパカは那須アルパカ牧場で飼育されているものだが、ここではアルパカが熱中症になるのを防ぐため、夏になると全頭の体毛を刈り上げてしまう。したがってCMに出演できるのは1歳未満(毛刈りを経験していない)のアルパカに限られるため、毎年代替わりしている。2013年のCMに出演していたアルパカは「カイカイ君」という名前であり、これに合わせてクラレのキャッチフレーズに「チキュウカイカイ」(地球問題を解決する会社)が加わっている[20][21]。
2018年7月から2020年頃までは「クラレの真ん中」をテーマとして、シャーロット・ケイト・フォックスを起用した企業CMが放送されていた。
2022年4月からは「きっと明日も、ハレ、クラレ」をキャッチコピーとし、CM出演者に高橋文哉と鳴海唯を、CMソングにsumikaの「Simple」を起用した企業CMが放送されている。
クラレ新潟事業所(新潟県胎内市倉敷町、旧協和ガス化学工業(株)中条工場、1989年にクラレと合併した企業)は、1959年から1995年まで、工場の製造工程から排出される一部の廃液を、地下(工場内に位置する深さ120から125メートルの井戸)に未処理のまま注入処分(地下浸透)していた。地下に処分していた廃液は合成樹脂の原料である「メチルメタアクリレート」、塗料等の原料である「メタクリル酸」、「硫安」の製造工程で生じる副生物であった。胎内市の指摘を受け、この事実が発覚した2006年に工場で生産していた副生物の廃水を成分分析した結果、1リットル当たりシアン化合物が最大0.59ミリグラム、鉛とヒ素がそれぞれ約0.3ミリグラム含まれていた。同工場は廃液を地下浸透させるための専用の井戸(深さ120〜125メートル)を10本掘り、昭和34年(1959年)から平成7年まで(1995年)の約36年間で計94万7000トンを地下浸透させた。なお同工場が地下処分を開始して間もない1965年には、同県内で新潟水俣病(第二水俣病)の発生が新潟大学から公表され、1968年には昭和電工鹿瀬工場からの排水に含まれていたメチル水銀が原因であるとの政府見解が発表されている[22]。
2018年5月19日 午前10時27分頃、クラレの子会社であるKuraray America, Inc.のエバール工場で火災事故が発生。 当時は工場に266人が勤務していた。21人の労働者が火傷、高所からの飛び降り、転倒で負傷した。負傷した従業員が訴訟を起こした [25] [26] [27]。
11月28日 エバール工場の発災ラインの稼働を再開。 Kuraray America, Inc.は、行政処分として約920万円の支払いを命じられた [28]。
2019年10月24日 クラレは、火災事故の米国訴訟の一部原告と和解したと発表した。和解金は約100億円。和解金を含めた140億円を訴訟関連損失として計上している[29]。
11月27日 クラレは、火災事故の米国訴訟に関する合理的な損失の見積りを行った結果、新たに340億円を特別損失として計上した。合理的な損失の見積りを行った原告は160名超の内140名超となったと発表した[30]。
2020年1月6日 クラレは、1月3日に火災事故の米国訴訟の他の一部原告と和解したと発表した。和解金は約289億円[31]。
12月23日 クラレは、2020年12月23日までに他の一部原告との間で和解に基本合意したと発表した。和解金は約170億円。すでに支払った和解金や弁護士費用なども含めると、かかった費用は合わせて727億円に上るとしている[32][33]。
2019年11月22日 東日本地区および近畿地区の浄水施設、ごみ焼却施設等の一部で使用される特定活性炭の製造販売に関して、独占禁止法に違反する行為があったとして、排除措置命令および課徴金納付命令を受けた。課徴金はクラレグループで7147万円[34]。
2021年10月14日、クラレが運用するサーバーに不正アクセスが行われ、保有する情報の一部が外部に流出したことを10月1日に確認したと発表した[35]。