ジャンル | 魔法ファンタジーRTS |
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対応機種 |
PlayStation 2 ゲームアーカイブス(PlayStation 3のみ) [OnceMore] PlayStation 4 Nintendo Switch |
開発元 | ヴァニラウェア |
発売元 | 日本一ソフトウェア |
音楽 |
崎元仁 金田充弘 岩田匡治 阿部公弘 上倉紀行 |
美術 | 前納浩一 |
人数 | 1人 |
メディア | [PS2]DVD-ROM |
発売日 |
PS2 2007年4月12日 (PS2限定版・通常版) 2008年8月7日 (ベスト版) ゲームアーカイブス 2014年12月17日 [OnceMore] PS4, Switch 2022年7月28日 |
対象年齢 |
CERO:A(全年齢対象) [OnceMore] CERO:B(12才以上対象) |
売上本数 |
PS2 36,586本(2008年時点)[1] Switch 3,524本[2] |
『グリムグリモア』 (GrimGrimoire) は、ヴァニラウェアが開発し日本一ソフトウェアより2007年4月12日に発売されたPlayStation 2用ゲームソフト。
内容はファンタジー世界を舞台としたリアルタイムストラテジー。キャラクター原案は神谷盛治、キャラクターデザインは前納浩一。作曲はテーマ曲が崎元仁、それ以外が金田充弘、岩田匡治、阿部公弘、上倉紀行。
初回限定版には崎元仁プロデュースのサウンドトラックCDが同梱された。
2022年7月28日にリマスター版となる『グリムグリモア OnceMore』がPlayStation 4/Nintendo Switch向けに発売[3]。
![]() | この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。 |
少女リレが魔法学校に入学してからわずか5日後、復活した魔王によって塔にいた全ての生命が死に絶え、突如5日前に遡ったリレだけがその難を逃れた。
繰り返される5日間を、リレは終わらせることができるのだろうか。
担当声優は、オリジナル版 / リマスター版の順に表記。
大半のキャラクター名はリキュールやカクテルの名前から取られている。
メインシナリオである「ダイアリー」は会話イベント→プラクティス(戦闘)→会話イベント→セーブ画面の流れで進む。一度見たイベント、プラクティスはいつでも選択することが可能。メインシナリオとは別に、「フリートライ」というプラクティスのみのチャレンジモードもあり、メインシナリオの進行に合わせてチャレンジできるシナリオが増えていく。フリートライでは使える魔法があらかじめ決められており、ストーリーでは手に入れていない魔法を使用できる場合もある。
戦闘フェーズでは難易度を「SWEET」、「EASY」、「NORMAL」から選択でき、ダイアリーとフリートライの全てのエピソードをNORMALでクリアすることで「HARD」を選択できるようになる。
戦闘では自軍のユニットにリアルタイムで指示を出しながら進めていく。自陣の死守と敵勢力の撃破が基本的な勝利条件だが、一部では「20分間耐久」など防衛戦を展開するマップもある。
自軍の増強のためにはまず魔法陣を設置し、そこから使い魔を召喚する。召喚した使い魔に指示を与えクリスタルからマナを採取し、それを元に魔法陣の強化と使い魔の量産を進めていく。
魔法陣は使い魔の召喚と強化を行うものであり、全ての戦略の土台となる。精霊魔法、錬金術、黒魔術、交霊術の4系統にそれぞれ3種、合計12種の魔法陣がある。魔法陣にはレベルがあり、設置した直後はレベル1。マナを消費してレベルを最大5まで上げることにより、より強力な使い魔の召喚が可能になり、使い魔への補助効果も高まる。
使い魔には4系統以外にも「サブスタンス(実体)」または「アストラル(幽体)」というタイプがあり、「アストラルには攻撃できない」「サブスタンス相手には効果が薄い」など得手不得手がある。一部の使い魔は自分または他の使い魔のタイプをチェンジさせることができる。
魔力の素であるマナは魔法陣の設置、及びそのレベルアップ、使い魔の召喚など、自軍戦力を増強する際に必要不可欠となるもの。プラクティスの際には敵軍との戦闘と平行して、いかに効率よくマナを採取するか、そのマナを何のために用いるかについて腐心しなければならない。
マップにはクリスタルと呼ばれるマナの結晶が点在しており、このクリスタルの周囲に聖域を作ることによりマナの採取が可能になる。聖域にも魔法陣と同じ4系統が存在し、ある聖域からマナを取り出せるのはその系統に属する使い魔のみとなる。また敵軍が作った聖域からマナを採取することはできず、一度聖域を破壊してから改めて自軍の聖域を構築しなければならない。聖域の構築とマナの採取は、一部の限られた使い魔しか行うことは出来ない。
クリスタルのマナ貯蓄量には上限があり、採取しつくしてしまうとクリスタルは消滅、以後そこからはマナを採取できなくなる。一部のマップでは敵軍の物量に比較してマナの総量が少なめに設定されており、節約しながらの進軍が求められる。
本作は『スタークラフト』を『ハリー・ポッター』ふうに作るという発想から制作された[4]。ヴァニラウェア社長の神谷盛治は、『スタークラフト』のSF世界観やゲーム性は日本のプレイヤーには受け入れにくいと感じており、日本受けしやすいものとするため「魔法学校」「魔女っ子」をモチーフとし、『ハリー・ポッター』のテイストにすることも決められた[4]。
当初は召喚魔法の開発を『マリーのアトリエ』のアイテム調合のようなアドベンチャーパートとする案があり、キャラクターデザインも同作品の桜瀬琥姫に依頼したが、資金難により実現しなかった[4]。
音声・音楽の制作時には借金に頼ることとなり、サウンドを担当したベイシスケイプの協力で、PS2版でのみ使用可能という条件で費用を抑えて声優を起用できた[4]。このため、後のリマスター版ではキャラクターボイスが一新されることになった[4]。ベイシスケイプの社長である崎元仁は、神谷はここで業界から退場するべきではないとして多額の資金貸付も行った[4]。
ストーリーは神谷による[4]。神谷は『オーディンスフィア』でシナリオを書いたあと、シナリオの方法論などが見えるようになり、様々なことを試したいと考えていた矢先に本作のシナリオを執筆した[4]。『オーディンスフィア』ではストーリー制作に半年以上かかったが、本作では2か月以内に書き上げられた[4]。
開発期間は『オーディンスフィア』の影響により半年ほどしかなかったが、期間の短さから最小設計で最大効果を意識した企画に挑戦が可能となった[4]。シナリオもすぐに用意でき、グラフィックやプログラムも当初の予定を前倒しして完成し、最後のデバッグを行った2007年1月から2月には逆にスタッフが暇を持て余しており、神谷はプロジェクトを最小化し過ぎたと考えて不安になったという[4]。
開発のきっかけの1つは、ヴァニラウェア開発の『十三機兵防衛圏』のメインプログラマーを務めた金山晃久である[4]。金山は『グリムグリモア』があったからヴァニラウェアに入社したほど同作を好んでいたため、『十三機兵防衛圏』で頑張った金山への感謝と労いの意味を込めて日本一ソフトウェアに移植の話が入れられた[4]。移植にあたり、日本一ソフトウェアから本作のIPをヴァニラウェアに譲渡する交渉も行われたが、それは実現しなかった[4]。
開発期間は10か月ほど[4]。