第6代ウェストミンスター公爵ジェラルド・キャヴェンディッシュ・グローヴナー(英: Gerald Cavendish Grosvenor, 6th Duke of Westminster, KG, CB, CVO, OBE, TD, DL, CD、1951年12月22日 - 2016年8月9日)は、イギリスの貴族、大地主、陸軍軍人、政治家。
莫大な土地を所有し、不動産会社グローヴナー・グループのオーナーである。世界的大富豪の一人。陸軍軍人としてのキャリアも積んでおり、最終階級は少将である。
父が爵位を継承した1967年から自身が爵位を継承した1979年までグローヴナー伯爵(Earl Grosvenor)の儀礼称号を使用した。
1951年12月22日、後に第5代ウェストミンスター公爵となるロバート・グローブナー(英語版)とその妻ヴィオラ(英語版)(第9代コバム子爵ジョン・リトルトン(英語版)の娘)の長男として北アイルランド・オマーに生まれる[1][2][3]
ハーロー校やサニングデール・スクール(英語版)で学ぶ[2]。
1979年2月19日に父の死によりウェストミンスター公爵以下5つの爵位を継承した[2]。貴族院議員に列し、貴族院改革のあった1999年11月11日まで在職した[4][注釈 1]。
2016年8月9日、イングランド西北部ランカシャーのロイヤル・プレストン病院にて逝去[6]。64歳没。
ウェストミンスター公爵は大地主の中の大地主であり、不動産会社グローヴナー・グループのオーナーである
2015年のサンデー・タイムズ・リッチ・リスト(英語版)によれば総資産額は約85億6,000万ポンド(約1兆5,408億円)で英国内で経済活動する者(外国人含む)の中で第9位という資産家である[7]。
1973年5月13日に国防義勇予備軍として王立装甲軍団(英語版)の少尉に任官[8]。1975年5月13日に中尉[9]、1980年7月1日に大尉[10]、1985年12月22日に少佐[11]。1992年4月1日に中佐[12]、1994年12月31日に大佐に昇進[13]。
1995年11月30日、士官訓練部隊(英語版)に名誉大佐として配属される[14][15]。1996年1月1日に陸軍航空軍団に配属される[15]。
2000年1月17日に准将(英語版)に昇進[16]。2001年5月14日のロイヤル・メルシャン及びランカスター・ヨーマンリー連隊(英語版)の名誉大佐となる[17]。
2004年に少将に昇進し、また国防参謀総長副官(英語版)に就任し、2007年初頭まで務めた[18]。
2011年5月には地上部隊司令官代理(英語版)に就任し[19]、2012年まで務めた。
2003年にガーター勲章を受けた[2]。
2012年にロイヤル・ヴィクトリア勲章コマンダー(CVO)を受勲するとともにコーンウォール公領会議(コーンウォール公はチャールズ3世、当時皇太子)の議員に就任[20]。
1979年2月19日の父の死去により以下の爵位を継承した[3][2]。
- 第6代ウェストミンスター公爵 (6th Duke of Westminster)
- (1874年2月27日の勅許状による連合王国貴族爵位)
- 第8代ウェストミンスター侯爵 (8th Marquess of Westminster)
- (1831年9月13日の勅許状による連合王国貴族爵位爵位)
- 第9代グローヴナー伯爵 (9th Earl Grosvenor)
- (1784年7月5日の勅許状によるグレートブリテン貴族爵位)
- 第9代ベルグレイヴ子爵 (9th Viscount Belgrave)
- (1784年7月5日の勅許状によるグレートブリテン貴族爵位)
- チェスター州におけるイートンの第9代グローヴナー男爵 (9th Baron Grosvenor, of Eaton in the County of Chester)
- (1761年4月8日の勅許状によるグレートブリテン貴族爵位)
- (イートンの)第15代準男爵 (15th Baronet, styled "of Eaton")
- (1622年2月23日の勅許状によるイングランド準男爵)
1978年に陸軍軍人ハロルド・フィリップ中佐の娘ナタリア(1959-)と結婚し、彼女との間に以下の4子を儲けた[2]。
- 第1子(長女)タマラ・キャサリン・グローヴナー嬢(1979-) -2004年に銀行家のエドワード・ヴァン・クツェムと結婚[21]。3人の子どもがいる。
- 第2子(次女)エドウィーナ・ルイーズ・グローヴナー嬢(1981-) -2010年にテレビ司会者のダン・スノー(英語版)と結婚[22]。3人の子どもがいる。
- 第3子(長男)第7代ウェストミンスター公爵ヒュー・リチャード・ルイス・グローヴナー(1991-)
- 第4子(三女)ヴァイオラ・ジョージナ・グローヴナー嬢(1992-)
- ^ Lundy, Darryl. “Robert George Grosvenor, 5th Duke of Westminster” (英語). thepeerage.com. 2014年10月12日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k Lundy, Darryl. “Gerald Cavendish Grosvenor, 6th Duke of Westminster” (英語). thepeerage.com. 2014年10月12日閲覧。
- ^ a b Heraldic Media Limited. “Westminster, Duke of (UK, 1874)” (英語). Cracroft's Peerage The Complete Guide to the British Peerage & Baronetage. 2016年1月14日閲覧。
- ^ UK Parliament. “Mr Gerald Grosvenor” (英語). HANSARD 1803–2005. 2014年10月12日閲覧。
- ^ 田中(2009) p.229/241
- ^ 英ウェストミンスター公爵が死去 世界68位の大富豪で大地主 BBCニュース 2016年8月10日
- ^ 英エリザベス女王長者番付TOP300から転落__連続入り25年で終了(2015年12月3日閲覧)
- ^ “The London Gazette, 25 June 1973”. London-gazette.co.uk (1973年6月25日). 2014年10月12日閲覧。
- ^ “The London Gazette, 30 June 1975”. London-gazette.co.uk (1975年6月30日). 2014年10月12日閲覧。
- ^ “The London Gazette, 13 October 1980”. London-gazette.co.uk (1980年10月13日). 2014年10月12日閲覧。
- ^ “The London Gazette, 14 April 1986”. London-gazette.co.uk (1986年4月14日). 2014年10月12日閲覧。
- ^ “The London Gazette, 1 April 1992”. London-gazette.co.uk (1992年4月6日). 2014年10月12日閲覧。
- ^ “The London Gazette, 5 May 1995”. London-gazette.co.uk (1995年5月5日). 2014年10月12日閲覧。
- ^ “The London Gazette, 19 February 1996”. London-gazette.co.uk (1996年2月19日). 2014年5月23日閲覧。
- ^ a b “The London Gazette, 15 January 1996”. London-gazette.co.uk (1996年1月15日). 2014年10月12日閲覧。
- ^ “The London Gazette, 8 August 2000”. London-gazette.co.uk (2000年8月8日). 2014年10月12日閲覧。
- ^ “The London Gazette, 19 June 2001”. London-gazette.co.uk (2001年6月19日). 2014年10月11日閲覧。
- ^ Assistant Chief of the Defence Staff steps down, Daily Mail, Retrieved 2012-03-31.
- ^ “Defence Viewpoints”. 2014年10月11日閲覧。
- ^ "No. 60173". The London Gazette (Supplement) (英語). 16 June 2012. p. 3.
- ^ Shaughnessy, Jessica (2004年11月6日). “Crowds line city streets for wedding of Lady Tamara Grosvenor and Edward van Cutsem” (英語). CheshireLive. 2022年1月9日閲覧。
- ^ Mullin, Gemma (2014年8月23日). “History presenter and heiress 'might give inheritance to charity'”. Mail Online. 2022年1月9日閲覧。