スペクトルマン |
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ジャンル |
特撮テレビドラマ |
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原作 |
うしおそうじ |
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企画 |
的場徹 |
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脚本 |
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監督 |
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出演者 |
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声の出演 |
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ナレーター |
小林恭治 |
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製作 |
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プロデューサー |
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制作 |
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放送 |
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放送国・地域 | 日本 |
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宇宙猿人ゴリ |
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オープニング | 「スペクトルマン・ゴーゴー」 |
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エンディング | 「宇宙猿人ゴリなのだ」 |
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放送期間 | 1971年1月2日 - 同年5月15日 |
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放送時間 | 土曜19時00分 - 19時30分 |
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放送枠 | フジテレビ土曜7時枠の連続ドラマ |
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放送分 | 30分 |
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回数 | 20 |
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宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン |
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オープニング | 同上 |
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エンディング | 同上 |
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放送期間 | 1971年5月22日 - 同年9月25日 |
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放送時間 | 同上 |
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放送枠 | フジテレビ土曜7時枠の連続ドラマ |
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放送分 | 30分 |
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回数 | 20 |
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スペクトルマン |
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オープニング | 「スペクトルマン・マーチ」 |
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エンディング | 「ネビュラの星」 |
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放送期間 | 1971年10月2日 - 1972年3月25日 |
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放送時間 | 同上 |
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放送枠 | フジテレビ土曜7時枠の連続ドラマ |
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放送分 | 30分 |
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回数 | 23 |
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『スペクトルマン』は、ピー・プロダクションが初めて単独で企画、制作した特撮ヒーロー番組の題名[1]。およびその番組に登場するヒーローの名称。1971年1月2日から1972年3月25日にかけてフジテレビで土曜日19時00分から19時30分に全63話が放送された、
番組開始当初の題名は悪役を冠にした『宇宙猿人ゴリ』であったが、その後『宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン』を経て、最終的に『スペクトルマン』へと改題された[2]。第二次怪獣ブーム(または「変身ブーム」)の先駆けでもある[3][4][5]。
宇宙からの侵略者「宇宙猿人ゴリ」の送り出す怪獣対ネヴュラの星のヒーロー・スペクトルマンの戦いを描く。
怪獣に対して主人公が変身して戦うことは他の特撮テレビ番組と同じだが、当初は悪役が主役、正義のヒーローが脇役という逆転の演出となっていた[3][4][2]。また、スペクトルマンがネビュラ71遊星の指令により常にその行動を管理されていて、その指令がないとスペクトルマンに変身できず、地球防衛のためとはいえ非情な命令を下されて苦悩したり、さらに無敵のヒーローではなく強敵怪獣に圧倒されて敗北することも少なくないなど、独自の作品世界を決定付ける新機軸が盛り込まれていた。前後編がストーリーの基本とされ、1話完結は全63話中3回だけ(27話、52話、61話)である。
1970年代前半の第二次怪獣ブームの先駆作品となった[6][7]。裏番組が『巨人の星』であったため当初は視聴率で苦戦したが、次第に人気を得て1971年4月10日放送の第15話で視聴率を追い抜いている[9][10]。
企画としてはピー・プロダクションが1960年代に制作したパイロット作品『豹マン』を継承しており、金色のマスク・等身大ヒーローと巨大ヒーローを兼ねた部分はスペクトルマンに、動物マスクのキャラクターはゴリにそれぞれ引き継がれている[7]。
本作品は、その展開の変化とともに番組名が2回変更された。
- 第1 - 20話 :宇宙猿人ゴリ
- 第21 - 39話 :宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン
- 第40 - 63話 :スペクトルマン
地上波再放送では第1話から『スペクトルマン』のタイトルで放送された。その際、以下のような変更が行われた。
- オープニングは第40話以降のものと差し替えた。女性のレギュラー出演者が第1 - 40話まで何度か変更しているが、その部分は劇中カットを使用。変更時に差し替えて、テロップも新規に入れている。主題歌は第1 - 39話(アレンジ曲がBGMとしてよく使われる)と第40話以降は違うため、第1 - 39話の主題歌は使用しなくなった。
- エンディングはラストカットの『宇宙猿人ゴリ』『宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン』のタイトル部分のみ『スペクトルマン』と差し替えた。これは現在ソフト化・CS放送されているものも同じ。
地上波 再放送のエンディングは『宇宙猿人ゴリなのだ』のボーカル無し メロオケバージョンを使用している。
- 宇宙猿人ゴリ(第1 - 20話)
- 前番組『紅い稲妻』の打ち切りによる突然の製作決定(1970年12月8日)[注釈 1]から放送開始まで25日しかなく、辻真先が一晩で第1話・2話のシナリオを執筆、一部にパイロットフィルムを流用した映像があるなど、急ピッチで撮影を行う異例な状況でスタートした[7]。放送当時社会問題となっていた公害がストーリーに盛り込まれ[5]、怪奇SF色の強いハードな展開がなされた。毎回の怪獣にも公害が盛り込まれ、ヘドロを元に生み出され、人間を骨だけにしてしまう猛毒ヘドロを撒き散らすヘドロ怪獣ヘドロン(第1話、第2話)を皮切りに、人間を溶かす青ミドロを吐く青ミドロ怪獣ミドロン(第3話)、鳩と溝鼠を合成させて生み出され、人間を食い殺すばかりか恐ろしい病原菌を持つ合成怪獣ネズバートン(第9話、第10話)、新築住宅に潜み、その新築住宅に住んだ人間を襲い血を吸って操り、その血を吸われて操られた人間も他の人間を襲い、血を吸って仲間にしてしまうようになる吸血怪獣バクラー(第19話)に代表される、まさに魑魅魍魎(ちみもうりょう)そのもの怪奇性を強調した怪獣が少なくない。そればかりでなく、ゼロン(第3話、第4話)や大地震を起こすモグネチュードン(第15話、第16話)といったパワフルな正統派の怪獣も登場した。また、スペクトルマンに変身する主人公である蒲生譲二が所属する組織は、公害の取り締まりが仕事の公害Gメンである。人間側に怪獣退治専門の組織はない。低予算ながらも、それを逆手に取った作劇や特撮の工夫もなされていた。
- しかし、公害問題を題材にすることがスポンサーの反感を買い、悪役であるゴリをメインタイトルにした『宇宙猿人ゴリ』という番組名も問題視され[13]、番組名の変更と内容の変化を余儀なくされた。
- 宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン(第21 - 39話)
- 公害問題を題材にすることをスポンサーのクレームで断念したスタッフは、番組名の変更とともに公害という題材から離れたパワー重視の純粋な怪獣を登場させ、正統派の怪獣バトル路線を目指していくこととなる。2体の怪獣が出てきて対決したり、2体の強敵怪獣がタッグを組んでスペクトルマンをピンチに追い込んだりという展開が幾度となくなされ、公害Gメンが第36話から怪獣Gメンとなり本格的な防衛組織へと発展したりと、主役側も大きく変化した[7]。また、第27話より東映作品を中心に活躍していた矢島信男が、別所プロデューサーの紹介により特撮監督として参画[16][1]。
- スペクトルマン(第40 - 63話)
- ゴリと戦う正義のヒーロー・スペクトルマンの名をメインタイトルに据え、さらに内容が変化した[7]。怪獣よりもゴリによって地球に呼び寄せられた悪の宇宙人との戦いがメインとなり[7]、当時の『仮面ライダー』人気を意識した等身大での戦闘シーンも増えたが、本来の悪役であるゴリの存在感が薄くなった。スペクトルマンこと蒲生譲二の孤独な戦いを軸に重厚なストーリーが展開され、ゴリの悪質な地球侵略作戦、ゴリと手を組んだ悪の宇宙人の陰謀に巻き込まれた罪なき人々が犠牲になる過酷なドラマが続出した。第59話、第60話はゴリと手を組んだ悪の宇宙人ジェノス星人の企てで、死体を凶悪な殺人鬼として蘇生させて操る薬品によって生み出された殺人鬼が街中で道行く人々を惨殺していくなど、ショッキングな展開も相次いだ。それが、ゴリが腹心のラーをスペクトルマンに倒されて絶望し、スペクトルマンの説得も聞き入れず、自ら命を絶つという最終回にて結実することとなる。
惑星Eから追放された悪の天才科学者・宇宙猿人ゴリは地球に到達した。美しい地球に魅せられるゴリだったが、公害による地球汚染を見て憤激、自分が人間にとって代わって地球の支配者になろうと考える。彼は公害などを利用して次々と侵略怪獣を送り出すが、ネビュラ71遊星の指令で地球に派遣されたエージェント、スペクトルマンがその前に立ちはだかる。
諸元
スペクトルマン
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身長 |
0-∞
|
体重 |
0-∞
|
飛行速度 |
マッハ8
|
指令衛星ネビュラ71からゴリ追跡・地球防衛の任を課せられた、未開発遊星の保護を目的とする宇宙連合に所属する、ネビュラ遊星のサイボーグ・エージェント[2]。地球への派遣に際し、地球人に模した姿が与えられている。
普段は蒲生譲二(がもう じょうじ)と名乗り、政府機関である公害調査局第8分室・通称「公害Gメン」(後に再編成され、「怪獣Gメン」となった)に所属している[2]。怪獣と戦う時は変身し、直線で構成された金色の頭部、胴体を覆う硬質皮革風プロテクター、金色の腕・脚を覆うスーツにブーツ・グローブ、シンボルマークを中央にすえたベルトの装着といった、独特の姿を持つヒーローと化す。この変身は蒲生の身体自体の変形ではなく、ネビュラの承認を受けて照射された光線を浴びることにより、転送されたマスクやスーツなどの装備が蒲生の全身に包まれ、装着・変身するというものである。第2話では、変身が解除されて昏倒している蒲生のかたわらに転がっているスペクトルマンの頭部を、ラーが分析のために持ち去る描写があり、この頭部がスペクトルマン自体の顔でなくマスクであることがわかる[17]。このことからも、スペクトルマンの容姿があくまでも正体隠蔽、かつ戦闘用のための装備を装着した姿であることがうかがえる(このマスクは、ネビュラ側でゴリのもとから即刻奪還されている)。しかし、この設定は次第に曖昧な描写への変化を経て、最終的にスペクトルマンは蒲生の身体が変化~変身した姿という雰囲気が作られていく。ただし、ゴリ討伐の任務を完遂して遊星へ帰還次第、蒲生としての容姿は抹消され、二度と彼の姿に戻ることは不可能となるらしい(最終回で蒲生が「この顔ともお別れか…」と呟く台詞による)。そのため、本来のネビュラ人サイボーグ・エージェントとしての「スペクトルマン」がスペクトルマンのままの姿なのか、またはまったく別の容姿を持つのかは明確に描かれていない。
地球人にとっては「スペクトルマン」とは、一貫してあくまでも変身体のことを指すが、ネビュラ71にとっては変身体も蒲生譲二の状態も一貫して「スペクトルマン」であり、常にそう呼ばれる。
あくまでも極秘の地球滞在での防衛活動のため、地球人にもゴリ側にも正体は絶対秘密であり、第1話ではネビュラに「正体が知られたら解体する」と厳命されている。しかし実際のところ、第62話でラーに知られた際(ラー配下のサイボーグに「痺れガス」を浴びせられたのにまったく反応しなかったことから判明)や、最終話で木戸口二郎や倉田室長に正体を知られても、ネビュラから実際に処罰されることはなかった。
変身に際して特にアイテムを用いることはないが、独断での変身はできず、ネビュラからの許可をもらったうえでそこからの光線照射が必要である。一般的には右腕を斜め前方に突き出し、上空に見えるネビュラに変身許可を求めて承認を受けるか、逆にネビュラからの変身指令によって変身する。なお、ネビュラを目視できない場合の変身は不可能である。変身後は自在に(場合によってはこれもネビュラの指示により)巨大化できる。第20話では富士山よりも巨大化し、数個のガスタンクを火口に投げ込むという荒技を披露した。これは巨大化の限界に達してエネルギーが激しく消耗し、しばらく戦闘不能になる。
怪獣に苦戦して引き分けるか、あるいは一度もしくは数度にわたり敗北するケースも多く、1エピソードの2話中に数回にわたって1体の怪獣と対戦し、やっと倒せることが多い。また、必殺技がスペクトルマンの体力を著しく消耗させ、怪獣を倒しても倒せなくても倒れ込んで行動不能になることが多い。
- ファイティングポーズは指を握らず手刀を基調としており、片腕は前方、もう片腕は顔面に構え、両足を内股気味に閉じた独特のポーズで立つ。これは、スーツアクターの上西弘次が以前演じていたウルトラセブンとの差別化のためだという[17]。
- 格闘戦のアクションにおいても、常に内股気味で立ち回る。
- チョップ攻撃を多用する。
- 豪快な投げ技もまれに披露することもあるが、怪獣に力負けして苦戦に陥り苦し紛れに必殺技を放つパターンであり、格闘戦は苦手と言える。
- 格闘戦で苦戦すると、苦し紛れに大木やパイプラインなどを拾い上げ、武器として振り回して使用することが多々ある。
- 第1話は極端に製作期間が短かったため、初戦闘シーンは飛び人形のみで描いている[2]。
- ネビュラスライス
- 前腕部のノコギリ型のヒレ状突起を起立させ、刃物として使用する。怪獣の急所を切断するなどで倒す決め技として使用したこともあるが、基本的には格闘戦で相手にダメージを与えるにとどまる使われ方が多い。
- ネビュラギムレット
- 前腕部のノコギリ型のヒレ状突起を高速回転させてドリルとし、主に地中に潜るのに使われる技。攻撃に使われることもある。
- スペクトルカッター[17]
- 第13話にて初使用。ベルトのスペクトルバックルから取り出される色鮮やかな手裏剣。普段は蒲生のデスクに納められている。スペクトルフラッシュとの連接技として使用することが多い。ネオヘドロンにはまったく通用しないなど戦果は芳しくないが、ズノウ星人戦では効果があり、スペクトルフラッシュとの連接技でこれを葬った。また、第43話では太陽マスクに操られた生身の子供たちに使用し、これを鎮圧している。
- スペクトルビッグバックル[17]
- 第51話にて初使用。ベルトのスペクトルバックルが巨大化し、切断武器としての威力を発揮する。一峰大二の漫画版では、テレビ版より先に登場している。
- スペクトルガン
- 第26話のみ使用。サタンキングに完敗したスペクトルマンにネビュラから転送された超兵器。ミサイルの数百倍もの破壊力を発揮するため、市街地での使用で住人に多大な被害を与えることを懸念したスペクトルマンは、山中における射撃訓練を行ったうえでの実戦を余儀なくされた。
- スペクトルガンの元になったのはMP40の市販モデルガンで、銃身、ストックおよび弾倉を装着せず、全体を銀色に塗装したプロップが製作されて使用されている。
- 剣と盾
- 第22話のみの使用。ズノウ星人が乗り移ったことで戦闘力がアップしたギラギンドに対し、素手で対処不可能になったスペクトルマンのもとにネビュラより突然転送されてきた。盾はギラギンドのドリルで破壊されたものの、最後は剣で首をはね、これを倒した。
- 体当たり技
- 第2話でヘドロンを倒した技。高速飛行しながら、文字通り敵に体当たりする。
- 七色の光線(一部の書籍[要文献特定詳細情報]、および劇中のテレビ局アナウンサー[注釈 2]による命名では「スペクトル光線」)
- 第4話でスペクトルフラッシュの使用が許可されるまで多用された技。ミドロンには決め技として使用し、爆発させずに溶解を経て白骨化させた。
- スペクトルフラッシュ
- エネルギー光線を指先から照射して敵を爆発させる、スペクトルマンの代表的な必殺技。発射パターンがいくつかある。
- 初期は手をクロスさせて、上記の七色の光線と同様の光線を両手から放っていたが、中期以降は手を合掌し、指先からレーザー状の光線を放っていた。
- 第4話でゼロンに苦戦するスペクトルマンに対し、ようやく使用許可が降りた。最大威力で発射すると力尽きて倒れてしまうため、「失敗すれば命はない」とネビュラに宣告されるほどである。放送当時の雑誌の記事には1発で全エネルギーの90%を消費すると紹介されていたが、2クール辺りから作風が変わったため、フラッシュを放った後でも力尽きて倒れなかったり、連続で発射も可能になった。
- 第62話では、構えに入ってから発射するまでの時間が2.5秒であり、この間のスペクトルマンは無防備になることをゴリに見抜かれてしまう。そこで、2.48秒でフラッシュを発射できるディサイトマンとの戦いでは、ジャンプして回転しながらフラッシュを発射した。結果は、ディサイトマンと同タイムの2.48秒で発射したために命中し、相打ちとならず倒すことに成功する。
- スペクトルサンダー
- 全身から超高熱を発して相手を吹き飛ばす技。劇中ではネオヘドロンを倒した稲妻状の光線や、シルバーロボを倒した頭部から発射する絶対零度の冷凍ガス、などバリエーションがある。こちらもエネルギーの消費が激しく、使用後はスペクトルフラッシュ同様に力尽きてその場に倒れ伏してしまうことが多い。
- スペクトルエース
- 第52話で、マウントドラゴンに対して使用された光線技。怪獣が人間(Gメンの太田隊員)を飲み込んでいるため、これを照射して怪獣を静止させた。
- ダブルスペクトルフラッシュ
- 最終回で、ラーを倒した技。スペクトルフラッシュをまず、右手だけで放ち、ラーにジャンプで避けさせてから、地面に降り立った所に、
- 左手のフラッシュを命中させて、爆死させた。
- 蒲生 譲二()
- この作品の主人公で、公害Gメンの一員。ネビュラ71からの指令を受けてスペクトルマンに変身し、怪獣と戦う。変身を他人に見られてはならず、もし見られた場合は解体されることになっている。しかし実際は一般人に正体を見破られたり、人前で変身したりすることもあった。性格は温厚であるものの自分勝手に行動し、その場からいなくなることも多かったため、メンバーから非難されたこともよくあった。子供と接することも多い。
- 「蒲生譲二」の名は、理論物理学者のジョージ・ガモフをもじって命名された。うしおそうじはこの名がお気に入りで、後にこの「蒲生譲二」名義で漫画も執筆している。
蒲生譲二が所属した組織。第35話までは公害調査局第八分室、通称「公害Gメン」で文字通り公害を調査する組織だったが、怪獣(怪物と呼ぶこともある)と関連する出来事が多くなったため、第36話から「怪獣Gメン」として活動することになるが、このことに関しては倉田室長が自ら説明している。これに伴い、公害Gメン時は一貫して私服姿で、移動には一般乗用車だったのが、怪獣Gメン時は出撃する際にサファリルック風の隊員服と白色のヘルメットを着用する。移動時はジープや「ボントトルエカ」というヘリコプターを使用するようになった。女性隊員のみパトランプ付のヘルメットを装着するが、出演者がパトランプ付のヘルメットに反対したため、女性隊員のみが被ることになった。
Gメンのメンバーは蒲生、倉田を含め、都合9名が登場する。男性Gメンは途中降板なく最終回まで変わらなかったが、女性Gメンは都合4名が入れ替わり登場した。その入隊・除隊理由は語られていない。
- Gメンの衣裳は、倉田室長役の大平透が、自身の行きつけのブティックとタイアップして全員分を用意した。
- 倉田室長
- 譲二たちが所属する公害調査局第八分室(公害Gメン)の室長。フルネームは倉田茂雄[22]。主に調査局内でメンバーとの連絡を取り合ったり、指示を出す。メンバーと共に現場に自ら向かうこともある。テレビ版、漫画版共にネズバードン編では譲二の正体に気付いているかのような思わせぶりな発言をしており、最終回に蒲生からスペクトルバックルをペンダントにしたアクセサリーを少年に贈られたのを知ると「そうか蒲生…やっぱり君がスペクトルマン……」と呟いている。
- 加賀 信吉
- 公害Gメンの主任[22]。怪獣Gメンとなった後は現場でのリーダーを務め、攻撃などの指揮をとる。宮崎県出身で会話でも宮崎弁を用いて話す。
- 太田 高志
- 公害Gメンの一員。悪意なく軽率に失言をすることが多く[22]、少々そそっかしいところもある。第52話では麻酔が効いて、トレーラー上に眠る怪獣マウントドラゴンに譲二と深夜の巡回中に飲み込まれてしまったが後に救出される。公害、怪獣Gメン時共に車で移動する際に運転を担当していることが多い。
- 有藤 年夫
- 公害Gメンの一員。誠実で行動的であり、格闘戦に優れている。第50話ではイゴール星人の催眠術にかかってしまうが、後に回復する。第52話のマウントドラゴンのトレーラーでの輸送の際は加賀、譲二と共に行動している。
- 遠藤 理恵
- 初代 女性Gメン(第1 - 10、12話)。公務員らしからぬスタイリッシュなファッションに[22]金髪ウルフカットの髪型が特徴で、かなり行動的な女性である。ラーに好意を持たれ、第3話ではラーの姿を見た途端に気絶してしまい、連れ去られてしまう。第5話では恐怖公害人間になってしまったが、後に回復している。譲二と共に行動することがあり、第4話では譲二を自ら誘い、食事に行ったり(実際は喫茶店に誘っている)していた。
- 立花 みね子
- 2代目 女性Gメン(第19 - 35話)。初登場は第17話で、譲二と同じアパートに住んでいたが、第19話より公害Gメンの一員に加わっている。理恵よりはおとなしい性格ではあるが、無謀な行動を取ろうとする譲二を阻止することもあった(第25話など)。船長の父親(演:上西弘次)はサンダーゲイの犠牲になっており、進(演:江藤博利)という弟がいる。第25話では海辺で腕を負傷している譲二を発見し、着ている洋服を脱いで水着姿になり、自ら泳いで譲二を救出している。
- 沢 みどり
- 3代目 女性Gメン(第36 - 39話)で、「怪獣Gメン」になってから初の女性Gメン。登場したのは4回と一番少ないものの、ゴリの秘密基地を自ら発見したこともあった。その後はゴリの手下に捕まってしまい、スペクトルマンのことを問いただすゴリやラーから厳しい拷問を受けるも屈しない気の強さを見せた。OPでは登場しておらず、EDで出演者としてクレジットされている。
- 柳田 弘美
- 4代目 女性Gメン(第40 - 63話)で、一番多く活躍した女性Gメンである。譲二と共に行動することが多い。第54話では草人間との格闘でやられてしまい、橋の上で気絶してしまったが後に有藤たちの手で救出されている。後期のOPではジープに乗り込む姿を見せているものの、劇中では運転している姿はない。
超高度文明を誇るガイシテス太陽系第5惑星、通称「惑星E」に住む宇宙人。サルのような姿をしていることからそう呼ばれる。
- ゴリ
- 地球侵略を企てる宇宙猿人。IQは300。
- かつては、ガイシテス太陽系・第5惑星Eの天才科学者だったが、生まれついての独裁者であったため、軍の一部と謀って惑星の猿人社会の独占を計画。それが発覚し、惑星Eの法廷から精神改造刑を言い渡される[2]。しかし腹心のラーに救われ、彼の円盤に乗ってガイシテス太陽系を脱出、地球にたどり着いた。そして地球を第二の故郷にしようとしたが、美しい地球を公害によって汚染し続ける人類の身勝手さに怒り、自らが地球の主導者になろうと画策する。肉体的な力は地球人とほとんど変わらず、格闘などは苦手であり、ズノウ星人に乗り移られたラーに叩きのめされ、なすすべが無かったことがある。
- 普段は、円盤内の万能椅子に座っており、ラーに指令を下している。頭部は猿人であるが身体は贅肉のない均整のとれた美しい体型であり姿勢もよい。礼装用の白い手袋とピンクの宇宙服が定番である。手話に似たポーズを取るのが特徴。また、他の宇宙人と手を組み、侵略活動を依頼することもたびたびある。第44話・45話では、ラー共々全く登場せず、以後も前編のみ登場しないことが多くなる。
- ラー
- 惑星Eの元軍人でありゴリの忠臣である。以前からゴリに仕えており、ゴリが精神改造刑を受けさせられそうになったとき身を挺してゴリが惑星Eを脱出する時の手引きとなった。知能はゴリはおろか、人間よりも遙かに劣るが、力には自信を持つ[2]。ゴリには忠誠を誓ってはいるが、失敗のたびに怒鳴り散らすため、わずかながら反感を持っている。力は強く、人間を一撃で殺害してしまえるほどの怪力を持ち、また、目を光らせて、透視を行い、ズノウ星人に取りつかれた人を見破ったこともある。第5話でゴリに巨大化して暴れるよう命じられた時には「俺は怪獣では無い。軍人だ!」と命令を拒否しようとしたこともある。たびたび地球に現れて、情報採集を行う。第3話では、女性Gメンの遠藤理恵に一目惚れしてしまい、彼女を連れ去っている。第7話でも彼女を拉致しようとしたが、スペクトルマンに阻止され未遂に終わっている。その後も理恵のことを想い続けている描写があったものの、理恵役の小西まち子が諸事情の理由で第12話をもって降板したため、その後のストーリーでは無かったことになっている。
- 最終回(63話)にて、倒されたデサイトマンから中枢神経を移植され、猿人爆弾となりスペクトルマンと決戦。素早い動きでスペクトルマンを翻弄し、スペクトルフラッシュにも耐えた。しかし、最後はダブルフラッシュを受け命を落とす。ゴリはその死を悼んで、自らも命を断つほどの深い主従関係の絆で両者は結ばれていた。
- 巨大ラー
- 第5話登場。
- ゴリが、ラーを巨大化させた姿。ゴリの秘密基地を探ろうとするスペクトルマンの目をそらすため、新宿に出現して暴れた。防衛隊戦闘機を一掃し、スペクトルマンと格闘戦では互角に戦う。卑怯な降参戦術で油断したスペクトルマンのみぞおちにパンチをたたき込み、馬乗りに殴りつけ、ビル屋上のタンクを顔面に叩きつけ失神させる。しかし、防衛隊戦闘機の2次攻撃に気を逸らせた隙に、ふらふらと立ち上がったスペクトルマンのフラッシュを浴びて重傷を負い、退散した。ラーが巨大化したのは、この一度だけである。
一覧
肩書はDVDBOX『スペクトルマン カスタムコンポジットボックス』での表記に基づく。
『宇宙猿人ゴリ』時代(第1話 - 第20話)
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- 公害怪獣 ヘドロン
- 第1話・第2話登場。
- ヘドロンは、地球侵略を企てるゴリが、地球で最初に作った怪獣である。スペクトルマンや公害Gメンが初めて遭遇した怪獣として記録されている。ヘドロンの原料となったのは、静岡県の富士ノ浦に堆積した大量のヘドロ。まさに、人類の起こした公害と、ゴリの科学力が一つになって誕生した怪獣と言えよう。
- その容姿は、植物や虫をイメージさせるもの。手や足などの器官がなく、体の上部から7本の触手が生えている。緑色の全身はヘドロに覆われており、目と思しき部分が黄色に光っている。大きな口や触手の先からは、あらゆる物体を腐食させる毒ガスを放射。これを浴びた人間は即死し、溶けてしまう。地上で移動する際は、地面を滑るようにして移動する。
- スペクトルマンとの戦闘では、ゴリの放った光線を浴びて炎上しながら墜落するスペクトルマンによって傷ついてしまったため、ゴリが回収。ヘドロを注入して強化され、町を襲う。再び登場したスペクトルマンのスペクトル光線を浴びた後、体当たりによって体に風穴をあけられ、全身が腐敗するかのごとく溶解した。
- スーツは小野善次郎が一晩で制作したが、ほとんど動くことはできず置物のような状態であったため、特撮スタッフは苦労したという[26]。モデルアニメーションで表現された[2]。
- おとり怪獣 ミドロン
- 第3話登場。
- ゴリが秘密基地建設を地球人に悟らせないための時間稼ぎとして出撃させた、口から毒性の青ミドロの息を吐き出す怪獣。全身が緑色で四足歩行、頭に3本の角が生えている。巨大化・縮小が可能。普段は40センチほどの身長で、ラーが持ち歩いている。巨大化時に吐くガスが不足すると縮小し、汚染された青ミドロを食べることでガスを補充する。
- スペクトルマンの戦闘では、ネヴィラスライスで前足を傷つけられたが、噛み付き攻撃で人間大のスペクトルマン銜え上げ地面に落とし一時失神状態に陥れるなど苦しめたが、スペクトル光線を浴びて白骨化した。
- 地中怪獣 ゼロン
- 第3話・第4話登場。
- ゴリの秘密基地建設を進めるため、ミドロンに次いで送り込まれた怪獣。基地が地下にあるため、地中を掘り進むことのできるゼロンが主な工事をしていた。外見は、スティラコサウルスに酷似している。本来、土木工事が専門の怪獣なので、特殊能力は一切持ち合わせていない。
- スペクトルマンの、初巨大化戦闘の相手。組み付ついていくスペクトルマンを3度にわたり投げつけ、腕力の強さを印象つけ、あげく押し倒し一方的に責めつけ、失神状態に陥れる。見かねたネヴィラはスペクトルフラッシュの使用を許可する。この指令によりスペクトルマンは覚醒し、形勢逆転され、以降は終始圧倒され、スペクトルフラッシュで結局爆破された。その後、スペクトルマンはエネルギーを使い果たしバッタリと俯せに倒れて果てるシーンを、初めて披露することとなる。
- オープニングやエンディングにも登場している。
- 放送当時アオシマから発売されていたプラモデルのパッケージには、「ゼノン」と表記されていた。
- 改造猿人
- 第4話登場。ゴリが地球人を拉致して猿人に改造したもの。
- 恐怖公害人間
- 第5話・第6話登場。
- ゴリが、たけし少年とその両親を拉致して作り上げた恐怖の生物兵器。外見上は普通の人間だが、彼らの吐く息にかかると公害伝染病になり、やがて死んでしまう。公害Gメンの遠藤も、この犠牲者の一人となった。
- 事態を重く見たネヴィラ71の指令により、スペクトルマンに殺されることになるが、彼の放った特殊なスペクトルフラッシュ(エネルギーを少なくし、カロリーを上げる)で、元の人間に戻された。同時に遠藤の病状も回復した。
- 改造ゴリラ ラー2号
- 第5話・第6話登場。
- 動物園のゴリラを、ゴリが改造したもの。言葉を喋り、IQはラー以上と言われる。スペクトルマンのネヴィラギムレットの如く、高速で地中を掘り進むことが可能。
- ラーと協力し、ネヴィラ71へ送還されるスペクトルマンを奇襲。青い遊星で激闘を繰り広げた。ラーと同等の怪力を武器に、スペクトルマンを苦戦させたが、思わぬ反撃を受けてしまう。最後は、青い惑星に取り残され、結局ゴリの元へ帰ることはできなかったようだ。
- ゴキブリ怪獣 ゴキノザウルス
- 第7話・第8話登場。
- 無数のゴキブリの中から、ゴリが最も元気な個体を選んで怪獣化したもの。発信機が取り付けられており、ラーの持つ操縦器で操られる。飛行能力と強靭な皮膚を持っている。また、ゴキブリからできているため、生命力も非常に強く、フラッシュも通用しなかった。
- スペクトルマンが片手フラッシュを浴びせたが通用せず、倒れ果て敗北する。その間に、羽の筋肉を強化されて再び出現した。しかし、発信機の破損により操縦者を失い、スペクトルマンに反撃される。最後は羽を引きちぎられ、空中から落下して死亡。
- 造形物はスーツのほか、飛び人形が用意された[26]。
- 合成怪獣 ネズバートン
- 第9話・第10話登場。
- ネズミと鳩が合成されて誕生した怪獣で、首が2つある。首と胴体、足などはネズミで、背中には鳩の羽がある。首を何度切断されても死なないという不死身の怪獣でもある。過疎地域の鬼里村に出現し、運動能力や闘争心をテストされた後、ラーの乗った列車に導かれ街へと進撃を開始。ネズバートンの持つ病原菌を蔓延させ、街をゴーストタウンにすることが、ゴリの作戦なのだ。
- スペクトルマンと3度にわたって戦い、2度もスペクトルマンを敗北させた。最後は列車の油送車を掴んだスペクトルマンに激突され、爆死した。
- 第9、10話では「ネズバートン」と呼ばれていたが、第27話で復活した際には「ネズバードン」と呼ばれた。書籍によっては、後者で記載している[30]。
- 首はスーツアクターが手を入れて操作している[26]。
- 廃棄物人間怪獣 ダストマン
- 第11話・第12話登場。
- トラックの運転手・岡田(演:渡真二)が、ラーの怒りを買って拉致され、改造された姿。と言っても、ラーが機械の操作を誤って誕生させてしまった偶然の産物である。当初は人間ほどの身長だったが、ごみを食べて巨大化し、遂には何百メートルもの巨体となった。プラスチックからおが屑まで、様々な廃棄物を食べ続ける。体を傷つけられても修復が可能で、ネヴィラギムレットで腹部を貫通されても、すぐに再生した。
- 巨大な怪獣ではあるが、人間としての意思が残っている。そのため、家族に会おうと家に帰ったり(もちろん人間大の時)、自分を倒すようスペクトルマンに懇願したりもした。スペクトルマンが攻撃を躊躇すると、炎の中へ飛び込んで自滅する。しかし、残された手首から再生し、再び怪獣の姿となってしまう。スペクトルマンとの2度目の戦いで、ショベルカーで自分を刺して倒れた。この時、岡田の強い意志で人間に戻ることができた。
- 再生怪獣 ネオヘドロン
- 第13話・第14話登場。
- 東京湾のヘドロから誕生した、第2のヘドロン。初代ヘドロンとは違い、緑色のキノコのような姿である。ヘドロを研究していた大垣博士(演:片山滉)の知能を移植され、さらに強化された。博士に変身して言葉を喋るなど、知能がかなり高くなったようである。ネオヘドロンが排出した有機体は、水道の蛇口など、どこからでも侵入し、人々を襲撃した。巨大化後は、防衛隊のナパーム弾やスペクトルフラッシュも受け付けず、交通機関を破壊して東京を大混乱に陥れた。
- 唯一の弱点は高圧電流であり、新技スペクトルサンダーを全身に浴びて死滅した。
- 人間大のネオヘドロンが初戦に敗北し、同じく人間大に戻りフラフラのスペクトルマンと格闘し、スペクトルマンを倒しているが、その後の生死は不明。
- 合成地震怪獣 モグネチュードン
- 第15話・第16話登場。
- モグラとナマズの合成怪獣。上半身はモグラで、尻尾にあたる部分が巨大なナマズの顔になっている。この上下の頭は、それぞれが意思を持っているようで、個別に攻撃を仕掛けてくる。大地震や津波を起こす恐るべき能力を持っている。
- 上越の山奥でマグニチュード5の地震をひき起し、地底でマグマのエネルギーを補充すると、続いて東京を襲撃。壊滅状態に追い込む。この時、地上へ出現してスペクトルマンと対決する。格闘戦ではスペクトルマンをノックアウト気味に追い込むが、エネルギー不足のためスペクトルフラッシュに負傷し退散、スペクトルマンは力尽き倒れる。再びマグマを吸収し、東京湾で津波を発生させた。スペクトルマンとの再戦では、フラッシュを弾き返す優勢ぶりを見せるが、エネルギーを使い果たしたのを見計らって再度フラッシュを放たれ、絶命した。スペクトルマンは勝利を収めながらも力尽き倒れる。この後、この大地震が人工的な物と判断したネヴィラによって、東京は地震発生以前の状態に戻された。
- サイボーグ怪獣 サンダーゲイ
- 第17話・第18話登場。
- 「空飛ぶ鯨」の異名を持つ怪獣で、その姿は普通の鯨と変わりはない。しかし、それは外見上のことで、実際はゴリの作ったサイボーグだった。スペクトルマンと戦った怪獣の中で、最も多くの能力を持っていると思われる強敵である。その一つに飛行能力があるが、他にも、雷撃を放つ、体を透明化する、敵の攻撃を跳ね返す、島に擬態するなど、様々な特殊能力を有する。中でも最も手強いのが、敵の行動を真似るというもの。敵に合わせて身長が変化し、フラッシュ、バックルのような武器もすべてコピーしてしまうのだ。そのため、スペクトルマンは誤ってビルや車を破壊し、人々から非難を浴びた。
- スペクトルマンを敗北させた後、悠々と海へ引き上げ、島に擬態。身を潜めながら、日本中の電気エネルギーを吸収していった。それを終えると、空へ飛び上がって地上へ攻撃を開始。再挑戦してきたスペクトルマンを追い詰める。だが、サンダーゲイの性質を見抜いたスペクトルマンは、砂浜に寝転がり、サンダーゲイもそれを真似て行動を停止する。その隙に、Gメンたちはサンダーゲイの体内に爆弾を仕掛け、これを粉砕するのだった。
- シロアリ怪獣 バクラー
- 第19話・第20話登場。
- 東京郊外のニュータウンに新築された一軒屋に住み着いた吸血怪獣。目が一つで、足が6本。一軒家へ引っ越してきた人間の血液を吸収し、インベーダー人間に変えてしまう。普段は人間大で、戦闘時には巨大化する。第20話では、富士山よりも巨大化したスペクトルマンと格闘したことから、ダストマンやサンダーゲイのように、身長は「無限大」とされている。また、スペクトルマンに一体が倒されると、同時に別の個体が出現しており、雄と雌の関係であるとも思われる。
- スペクトルマンとの戦闘では、羽を羽ばたかせて起こす突風と、手から発する念力で善戦。1体がフラッシュで倒されるが、続いて出現した個体がインベーダー人間とともに姿を消した。その後、各地に卵を産み落とし、その本拠を富士山の火口へ移動する。だが、Gメンたちにそれを察知され、スペクトルマンの活躍で富士山の卵は全滅。巨大化して戦いに挑む。
- バクラーの弱点は、腹の中に潜んでいる原始生物。これをスペクトルマンによって引きずり出されると、バクラーは息絶えた。
- インベーダー人間
- 第19話・第20話登場。
- バクラーに血液を吸い取られた人間が変貌した怪人。最初にインベーダー化された男性は、耳が異様に拡大していた。
- 両手を広げて右手の親指を口に付け、右手の小指と左手の親指を繋げると、敵の血液を吸い取ることが可能。これによって、インベーダーの仲間を増殖させるのだ。Gメンの加賀隊員とその妻もインベーダーとなるが、血液を入れ替えたため回復した。第20話で、バクラーとともに富士山の火口へ移動し、登山客を襲撃したが、加賀とその妻がインベーダーになってもなお人間の心を失わず、必死に抵抗して妨害したために登山客をインベーダーにすることはできなかった。最後は、スペクトルマンの攻撃を受けて火口へ消え、その後の消息は不明である。
- 原始生物
- バクラーの腹の中に潜んでいた古代の生物で、奇怪な形状をしている。寄生虫の一種で、カマキリに寄生するハリガネムシのような存在。これを体外へ出されるとバクラーは死滅する。
『宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン』時代(第21話 - 第39話)
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第23話から第27話までは、「大怪獣決戦シリーズ」と銘打ち複数の怪獣が登場する。これは「夏枯れ対策」の一環である[32]。
- 寄生宇宙人 ズノウ星人
- 第21話・第22話登場。声は八代駿。
- 宇宙を探検していた異星人。脳のような形の赤い体に目が一つあり、足が生えているというグロテスクな姿をしている。宇宙船が地球に不時着して故障し、ズノウ星へ帰る手段を失ったため、地球人に乗り移って周辺の様子を探った。他の地球人にそれを知られるのを恐れ、証拠隠滅のため、憑依した人間を自殺させてしまう。その際、死体はガラスのように砕け散り、衣服だけを残して消滅する。また、テレポートなどの能力も持っており、自分を捕獲しようとしたラーを翻弄した。しかし、腕力はなく、ラーの怪力で圧倒されていた。
- ゴリの円盤を利用して星へ帰ることを思いつき、ラーに憑依して円盤に乗り込むが、ゴリに正体を見破られてしまう。ゴリに光線銃を向けられたズノウ星人は、怪獣ギラギンドの頭脳となってスペクトルマンと戦う羽目になる。ギラギンドを乗り捨て、スペクトルマンに憑依して地球を脱出しようと考え、彼に迫った。催眠術のような回転技でスペクトルマンを気絶させ憑依しようとした瞬間、気がついたスペクトルマンのバックル、フラッシュの連続攻撃を受けて爆発した。
- 着ぐるみは大柄のものではなく、成川哲夫は、「ノブちゃん」の愛称で呼ばれていた進行スタッフが演じたと記している。
- 二刀流ドリル怪獣 ギラギンド
- 第21話・第22話登場。
- ラーが作った新怪獣。肩幅ほどもある頭に、二つの巨大な目がある。口などの器官は見られない。
- 戦闘開始前には、東南アジア風のダンスをするという、一風変わった性質がある。肘に装着されたドリルと剣で戦うところから、二刀流怪獣とも呼ばれる。このドリルは、スペクトルマンが新たに装備した盾を突き破るほどの破壊力を持つ。見た目に似合わず、とてつもないパワーの持ち主だが、頭が非常に悪い。ゆえに、武器を適切に使えなかった。しかし、ズノウ星人が憑依したことにより、知的な戦法が身に付いた。
- 浅間山を噴火させる作戦を実行したが、スペクトルマンの妨害で失敗に終わる。2度目の対決では、ズノウ星人の協力で、戦いを優位に進めた。最後は、ネヴィラ71からスペクトルマンに送られた剣で首を切断された。
- 交通事故怪獣 クルマニクラス
- 第23話・第24話登場。
- 交通事故に遭った勝男少年の車を憎む心が、怪獣として実体化したもの。信号機のような三色の目があり、胸から腹にかけて深いタイヤ痕が走っている。両手は鎌状になっており、これで相手を殴りつける。また、神出鬼没のテレポート能力を持つ。
- 元々は一般公募作であったが、採用作は「ダンプニクラス」となっており、目は単眼で、車線状の模様は無かった[34]。信号機を模した三つ目は造形の高山良策による案である[34]。勝男少年が入院しているシーンには、選考漏れの作品の絵が貼られている。
- 1971年7月に行われた愛知県の交通安全キャンペーンで、イメージキャラクターとしてポスターに登場した[37]。
- 拘束怪獣 バロンザウルス
- 第23話・第24話登場。
- 街に出て調査したラーが、勝男少年の怪獣イラストを写真に撮り、それを元にゴリが作った怪獣。武器は口からの静止光線。
- 街で暴れている最中、クルマニクラスが現れたため、クルマニクラスのテレポート能力の秘密を探るべく、仲間のふりをして誘い、ゴリの円盤へ捕獲した。だがクルマニクラスは脱出したため、再び捕まえようとするも、最後はスペクトルフラッシュで倒された。
- スーツはNGとなった怪獣バルゴドンのものが改造された[34]。
- 隕石怪獣 サタンキング
- 第25話・第26話登場。
- 宇宙の彼方にある「悪魔の星」から、隕石に乗って飛来した凶悪な怪獣。破壊と殺戮しか能がなく、ゴリに人類皆殺しを命じられて暴れ回った。全身が赤く、怒ると頭部が発光する。皮膚は頑丈で、ネヴィラスライスも受けつけない。
- スペクトルマンを倒した後、隕石の落下によって覚醒した怪獣マグラーと格闘したが、3本の角に苦戦し、退却する。ゴリは、不協和音でサタンキングを発狂させ、再び東京へ放った。最後は、スペクトルマンの新兵器スペクトルガンで木っ端微塵に粉砕された。
- サタンキングの着ぐるみは、後にテングドン、ブラックドラゴンへ改造された。
- 地底怪獣 マグラー
- 第25話・第26話登場。シリーズ初の地球怪獣である。
- サタンキングの乗った隕石の衝突の影響で覚醒し、地底より出現した怪獣。全身が灰色で、哺乳類的な顔立ちだが、頭には3本の鋭い角が生えている。
- 隕石の落下による地殻変動で卵が地上へ露出。中の子供が死んでしまったため、悲しみのあまり暴れた。そのパワーは、スペクトルマンやサタンキングも退却させたほどだ。また、サタンキング戦で傷ついたスペクトルマンの右腕を執拗に攻めるなど、知的な戦いぶりを見せた。この戦いの後、防衛隊の猛攻撃を受けて地底へ姿を消す。そして、東京を攻撃し、再びスペクトルマンと対決する。事情を知っているスペクトルマンは、マグラーを倒すことができず、共に海へ飛び込んだ。マグラーの生死は不明で、そのことについて、譲二は何も語らなかった。
- マグラーの着ぐるみは、改造されてムーンサンダーになった。
- サイボーグ怪獣X(シルバーロボ)
- 第27話登場。
- スペクトルマンを徹底的に調査して造り出された怪獣。別名「X」。手からのフラッシュや手首からのスライスといったスペクトルマンと同じ武器の他、指からのミサイルといったオリジナルの武器も持つ。体は頑丈で、スペクトルバックルも効かない。
- 人里離れた山奥でモッグスと再生怪獣軍団5体のうち3体を倒し、さらに強化改造しようとしたが、スペクトルマンが現れたため急遽戦闘に。実力伯仲で善戦するも、弱点のかかとが高圧電線に触れて赤熱化したところにスペクトルサンダーを浴びて凍りづけとなり、バラバラになってしまった。
- 「シルバーロボ」という名称は、ケイブンシャの「大百科シリーズ」などの文書[要文献特定詳細情報]で付けられた名前であり、劇中では「X」となっていたが、第61話の回想シーンでは「シルバーロボ」と呼ばれていた。書籍『’70年代特撮ヒーロー全集』では、怪獣X(シルバーロボ)と記載している[30]。
- スモッグ怪獣 モッグス
- 第27話登場。
- シルバーロボの能力テスト相手として出撃した怪獣。口からスモッグを吐いて敵の目を眩ます。しかしシルバーロボには全く適わず、スライスで切られ、岩にぶつかり絶命。新怪獣でありながら、劇中では名称は呼称されない。
- 隕石怪獣再生サタンキング、拘束怪獣再生バロンザウルス、ゴキブリ怪獣再生ゴキノザウルス、合成怪獣再生モグネチュードン、合成怪獣再生ネズバートン
- 第27話登場。
- モッグスと共に、シルバーロボの能力テスト相手として、ゴリが再生して出撃させた。身長・体重・能力は、いずれも再生前と同じ[注釈 3]。
- ゴキノザウルスは空中攻撃するも、シルバーロボのフラッシュに倒され、モグネチュードンとネズバードンは首をシルバーロボのスライスで切られる。なおサタンキングはバロンザウルスの頭の角で傷つき逃亡、そのバロンザウルスはモグネチュードンの火炎攻撃で倒された。
- 伝説怪獣 サラマンダー
- 第28話・第29話登場
- 竜ヶ峰に生活拠点を置く怪獣。付近一帯の住民からは、「主」と呼ばれ、恐れられていた。山奥で長い眠りについていたが、その強靭な生命力に目を付けたゴリの手で覚醒する。武器は、口から吐く猛烈な火炎と、どこまでも伸びる舌。山で猟師の与吉を惨殺した後、火炎を吐いて村を焼き払う大暴れをするが、防衛隊のジェット機編隊に攻撃され、倒れたかに見えた。しかし、公害Gメンが背中にテントを張ったため再び目を覚ました。
- スペクトルマンとの戦いでは、火炎で目を焼き、視力を奪って勝利を収める(後にも、スペクトルマンが視力を失って苦戦する場面が見られた)。勢いづいたサラマンダーは松本市へ進撃。松本城を破壊し、譲二のいる病院を襲った。そして、再び挑んできたスペクトルマンを火炎攻撃で炎上させるが、スペクトルマンが高圧線に触れて視力を回復したため、形勢は逆転。投げ技を喰らい、フラッシュで留めを刺された。
- デザインはうしおそうじが担当[39]。
- 第28話の撮影時に顔に火がついて破損し、修復後の第29話では電飾が点灯していない[26]。
- ザリガニ深海獣 ザリガニンド
- 第30話・第31話登場。
- その名の通り、巨大なザリガニの怪獣。同じ深海獣スピンコブラーの子分で、これを守る役目を果たしている。またスピンコブラーも、ザリガニンドがピンチに陥ると助太刀に現れる。武器は両手のハサミで、火が弱点。尻尾が巻き貝のような形になっており、そこに隠れて身を守るというヤドカリのような能力も持つ。
- 無数の卵を産み、仲間を増殖しようとするが、海岸に住む人間たちに卵を奪われ、怒って海上に姿を現した。漁村で破壊活動を行い、スペクトルマンと対決。スライスでハサミを切断されて劣勢となるが、スピンコブラーの加勢で逆転勝利する。ザリガニンドの卵は、Gメンの手でほぼ全て焼却されたが、港の灯台に卵がいくつか残っており、これを奪い返そうと灯台を破壊する。ここで、スペクトルマンの焼き討ちを受け、殻に逃げ込んだところへ、フラッシュを放たれて爆死した。
- 海草深海獣 スピンコブラー
- 第30話・第31話登場。
- ザリガニンドの親分格である海草の怪獣。ザリガニンドとは一種の共生状態にあり、互いに助け合っているが、スピンコブラーが親分格である。全身が昆布に覆われたような姿をしており、二つの飛び出した目が特徴。長い触手による締め付け攻撃が強力だ。
- 相模湾で船舶を次々と襲い、沈没させていった。海底が生活圏であるが、ザリガニンドがスペクトルマンに苦戦したため、上陸して共に戦った。自慢の締め付けでスペクトルマンを敗北に追い込み、灯台を襲撃。ザリガニンドの卵の奪回を図る。スペクトルマンとの再戦で、殻へ逃げ込んだザリガニンドを守ろうと海へ逃げるが、フラッシュを浴びて爆発、炎上した。
- 古代怪獣 三つ首竜[注釈 4]
- 第32話・第33話登場。
- 新潟の地層に眠っていた、三つの首を持つ怪獣。恐竜の時代から長期間に渡って生息し、300万年ほど前に絶滅したとされていた。ゴリの手で復活し、それぞれの首から毒ガスや岩弾を吐き出して暴れた。好物は石油で、吸盤状の尻尾で石油を吸収する。しかし、火に弱いようで、油田を襲撃した際、石油タンクが爆発すると海へ逃走している。また、背中に羽があるが飛行能力はない。スペクトルマンに引きちぎられても平気だった。両手はかなり退化している。
- 石油パイプラインに沿って移動し、先回りしていた防衛隊に落とし穴を仕掛けられた。ここに落下した三つ首竜は、スペクトルマンとの戦闘の末、地中へ姿を消す。その後、海底油田を目指して海上を進撃。追ってきたスペクトルマンに、スライスで全ての首を切断されてしまう。それでも活動を停止しなかった三つ首竜だったが、石油を吸収する尻尾をネビュラスライスで切断されると絶命した。
- デザインは高山良策が担当[31]。
- 左右の首はスーツアクターが手を入れて操作している[26]。高山良策の自宅に残されていた請求書の控えによれば、他の怪獣が1体30万円であったのに対し、三つ首竜は50万円であった[26]。
- 『電人ザボーガー』第51・52話に、三つ首竜の映像が流用されている[41]。
- 月世界獣 ムーンサンダー
- 第34話・第35話登場。
- 月面に住む宇宙怪獣。人類がアポロ計画で持ち帰った月の石を取り戻すべく、アポロ27号を追って地球へ飛来した。この月の石は、ムーンサンダーの卵だったのだ。大気圏でアポロ27号を破壊し、その卵の一つを手に入れると、東京、ニューヨーク、ロンドン、パリに分散した卵を追って飛び続けた。最初に降り立った地はニューヨークである。
- 短時間で地球を一周するほどの高速飛行能力と行動力の持ち主で、飛行時には、肉眼では赤い火の玉のように見える。体は、硬質の鎧に包まれており、バックルも跳ね返した。しかし、フラッシュでこの鎧を吹き飛ばされると一気に弱体化し、地球を脱出できなくなるほどになってしまった。結局、卵を取り戻すことはできたが、月へ帰還できず、途方に暮れて人間に怒りをぶつけようと暴れた。これに責任を感じたスペクトルマンも攻撃ができず、共に火山の火口へ飛び込んで心中。ムーンサンダーは爆死した。
- ムーンサンダーの戦い振りはゴリに強い感銘を与え、続く第36話では、ゴリがムーンサンダーに黙祷を捧げていた。
- ムーンサンダーの子
- 第35話登場。
- ムーンサンダーが守り抜いた卵から誕生した、5体の子供怪獣。親怪獣の死後、5体揃って月へ飛び立っていった。
- 人喰い墓場怪獣 ベガロン
- 第36話・第37話登場。
- 宇宙の怪獣墓場に眠っていた怪獣。ここにいる怪獣たちの中でも、ベガロンは最も凶暴な一体であり、その性質をゴリに買われ、地球へ送り込まれた。ワニのような顔つきで、背中に襟巻きがある。戦闘時にはこれを広げて、敵を威嚇する。人間や動物も食べてしまう肉食怪獣。
- 公害Gメンが怪獣Gメンとなってから、最初に戦った怪獣として記録されている。スペクトルマンがムーンサンダー戦で行方不明となった隙に、地球へ襲来した。箱根に出現し、Gメンと交戦。大いに苦しめる。しかし、死んだと思われていたスペクトルマンが帰還すると、防戦一方となり、フラッシュで粉砕される。
- 後日、恐るべき再生能力が発動し、復活を遂げるが、スペクトルマンとの2度に渡る戦いに敗れた。最後は、尖った岩に串刺しになり、バックルで両手を固定された後、フラッシュを浴びて爆発。二度と再生することはなかった。
- マイナス人間
- 第37話登場。
- ゴリの円盤基地を警護していた、白ずくめの怪人。劇中では、3人が確認されている。奇怪な声を発し、独特なアクションをとる。
- 基地へ侵入したGメンの沢を捕らえ、ゴリのもとへ連行した。続いて突入してきた譲二たちにも攻撃を加えるが、全員が撃退された。
- ネヴィラ遊星人
- 第36話登場。
- ネヴィラ遊星の宇宙ステーションに待機していた、スペクトルマンの仲間。全身のフォルムはスペクトルマンに酷似している。他星へ派遣されるネヴィラ遊星人は、サイボーグ手術を受けていると言われ、スペクトルマンも例外ではない。
- ムーンサンダーとの戦いで傷ついたスペクトルマンを、宇宙ステーションで保護。彼の体を気遣い、地球へ戻るのをやめるよう忠告するが、地球の防衛に命を懸けるスペクトルマンの熱意に負け、地球への帰還を許す。
- この時、交代の人員が地球へ派遣されていたが、スペクトルマンの帰還により、とんぼがえりとなった。
- 遺跡ロボット スフィンクス
- 第38話登場。
- エジプトのスフィンクスが、ゴリの手で改造されたもの。外見上は、スフィンクスそのものである。ロボットとなって活動を開始したスフィンクスは、海を渡って日本の岩手県へ上陸。西北西に向かって一直線に進撃していった。その目的は、プラニウムという新燃料を保有する原子力発電所だった。
- ラー率いる数人のエジプト怪人に操られる。陸上では四足歩行だが、水中移動能力、飛行能力も持っている。外部の装甲も頑丈で、怪獣Gメンの磁気地雷も受け付けなかった。しかし、橋を爆破されて谷底へ落下すると、活動を停止。より凶暴なスフィンクス怪獣へと変貌し、スペクトルマンに挑んだ。
- 造形物はミニチュアとスーツの2種類が用意され、上陸前では前者、上陸後は後者がそれぞれ使用された[26]。スーツの胴体はスフィンクス怪獣に流用された[26]。
- スフィンクス怪獣
- 第38話登場。
- 活動を停止したスフィンクスが変化を遂げ、凶暴化した姿。顔つきがより怪獣らしくなり、四足歩行から二足歩行となる。姿は変わってもその目的は同じで、原子力発電所へ前進を続ける。スペクトルマンと戦い、空中に持ち上げられると自爆。スペクトルマンに大ダメージを与えた。
- スフィンクス怪獣は、さらなる改造を受け、クモ怪獣となって再び活動を再開した。
- スーツの胴体はスフィンクスの流用で、頭部が新規に制作された[34]。頭部はクモ怪獣に流用された[34]。
- 改造ロボット クモ怪獣
- 第39話登場。
- スペクトルマンと相打ちを狙って自爆したスフィンクス怪獣が、さらなる改造によって進化した最終形態。8本の手足をムチのように振り回して攻撃。また、口から吐く糸で巨大な巣を作り、Gメンや防衛隊の動きを封じた。この巣は強力なバリヤーとなり、戦車隊でさえ破ることができない。
- スペクトルマンも苦戦させたが、スライスで腕や触角を3本切断され、空中へ逃亡を図ったところを、フラッシュで撃墜された。
- スーツの頭部はスフィンクス怪獣の流用で、胴体は新規に作られた[34]。
- エジプト怪人
- 第38話登場。
- スフィンクスを操る怪人。エジプト人のような姿で、顔は黒い。劇中には3人のエジプト怪人が登場している。
- ボスの正体はラーだが、後の2人については不明。ボスを除いて、怪獣Gメンに撃退された。
- ミイラ男
- 第39話登場。
- 全身を白い包帯で包んだミイラ怪人。岩手県の原子力発電所を襲撃した。怪力の持ち主で、素手でドアも突き破ってしまう。
- 発電所の所長らを追い詰めるが、怪獣Gメンのレーザーガンで倒された。ゴリの手先と思われるが、それを直接裏付ける描写がないため、詳細は不明。
『スペクトルマン』時代(第40話 - 第63話)
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- ガス怪獣 メタノドン
- 第40話・第41話登場。
- ゴリが、食用ガエルを改造して作り上げた怪獣。首の周りに襟巻きが付いていて、これで敵を威嚇する。箱根付近の沼に潜んでいたが、沼に落ちた健二少年を助けたことから、彼と友達になる。健二の吹く草笛に反応し、その曲に応じて踊ったり、大人しくなったりする。怪獣Gメンの攻撃を危惧した健二の指示で沼を離れ、人気のない場所に身を隠した。
- 溶岩怪獣 マグマザウルス
- 第40話・第41話登場。
- メタノドンが健二少年と仲良くなったことにたまりかねたゴリが、地底から出撃させた怪獣。武器は口から出す火山弾。頑丈でスライスも効かない。戦いの第1ラウンドでスペクトルマンを疲労させ、譲二に戻らせるも、譲二が傍らの火薬庫を爆破させたため地底に逃れる。その後富士火山帯に火を着けて同火山帯の火山を次々と噴火させ、再出撃するが、メタノドンに邪魔された挙句、共倒れとなった。
- 太陽マスク
- 第42話・第43話登場。
- ラーの変装。毎日勉強着けにされる子供の心を利用し怪獣を作るべく、石田五郎少年(演:高野浩幸)とその親友を呼び出し、「子供たちの味方」と騙してテングドンやカバゴンを作らせる。だがカバゴンを改造中に、五郎たちがカバゴンが学校を壊して満足だったこととカバゴンを操るには脳に苦痛を伴うため再度の協力を拒否され、激怒して本性を現した。
- 幻想怪獣 テングドン
- 第42話登場。
- 太陽マスクに騙された五郎たちが、自由を奪った大人たちへの恨みを晴らそうと、怨念を電磁波に変えて作り上げた怪獣。武器は手に持つ団扇で、学習塾を破壊して暴れた。電磁波なので実態が無く、瞬間移動が可能。
- 先生怪獣 カバゴン
- 第42話・第43話登場。
- 再度五郎たちを利用し、五郎たちに「分子分解装置」を与え、担任の阿部先生(演:阿部進)を変貌させた怪獣。顔と胴体に口が有る。学校を破壊して暴れるが、スペクトルマンが装置を壊したため撤退。ゴリによりダムの湖底で100万Vの電流を与えられ強化された。ゴリの命令により、言うことを聞かない五郎たちの脳からイメージを奪って廃人化した後に再出撃する。体から電流を放射しているためにスペクトルマンも近づけなかったが、スペクトルマンにより高圧電線に触れさせられ、体内に電流がスパークし元の阿部先生に戻った。その後Gメンに救出され、阿部先生と、廃人と化していた五郎たちは共に病院送りとなった。
- 「カバゴン」という名は、阿部先生役の阿部進のニックネームに由来する。
- 宇宙吸血鬼 キュドラー[注釈 5]
- 第44話・第45話登場。
- 宇宙の凶悪な犯罪者で、宇宙を逃走中バル遊星人の攻撃で宇宙船を失い、地球に来た。白髪の紳士に化けて蓼科に住み、夜な夜な女性の生き血を吸っていた。最後はバル遊星人の呪文によって、彼が造った十字架に阻まれ、串刺しになった。
- 宇宙警察パトロールGメン パル遊星人
- 第44話・第45話登場。
- キュドラーを追って地球にやって来たが、顔が醜いので譲二に結託を依頼、だが地球の汚染された大気のため長生き出来ず、命を賭けて十字架を造ると、譲二に渡して絶命した。
- なおこの44話と45話には、ゴリとラーは全く登場しない。
- 宇宙両生類 ガマ星人
- 第46話・第47話登場。
- ヌマ星に住むカエルのような宇宙人でゴリの配下。ゴリの手引きで地球に現れると、Gメンの一員である加賀の故郷である里見村の村人の一部を殺害し、村人に化けていた。そしてゴリの命令で東京に送り込まれ、ガマガエルを怪獣化させて攻撃しようと企んだ。変身後は上から見ると正体が分かるのが欠点。
- 首領格のガマ星人の声は飯塚昭三で、これが声優として初の特撮作品である。
- デザインは高山良策が担当[31]。造形物は頭部のみが10体分用意された[26]。
- ガマガエル怪獣[注釈 6]
- 第46話・第47話登場。
- ゴリの配下として暴れる怪獣。劇中では2匹登場、1匹目は加賀・柳田・譲二がガマ星人たちを攻撃中、その1匹が誤って怪獣化するが、フラッシュに破れも、譲二は一時過労状態となる。2匹目はGメンと防衛隊が里見村に現れたため、全ガマ星人とガマガエルを孵化装置で合成し誕生、力が戻らないスペクトルマンを襲うが、塩分が弱点だということを見抜かれ、海に沈められて死滅した。
- 2匹は、全く同一の着ぐるみを使用している[34]。
- 巨大犬怪獣 ボビー
- 第48話登場。
- 大脳生理学の権威・堂本博士(演:有馬昌彦)によって、IQを増進する「IQPS」という薬剤を手術で投与された犬のボビーが、怪獣化したもの。当初は、因数分解も理解できる天才犬として話題になっていた犬だったが、手術にはゴリの細工が加えられていた。ボビーは次第に凶暴化していき生肉を食べるようになり、さらに人間を襲って脳髄をむさぼるようになった。そして遂に、巨大化して怪獣へと変貌してしまった。
- 巨大化後のボビーは、頭に2本の角が生え、爪が鋭くなった。黒かった体毛も、体質が変化したせいか茶色になっている。性格は大変凶暴であるのだが、時折尻尾を振る仕草も見せる。
- ボビーを弟のように可愛がっていた三吉青年は、ボビーを殺さないでくれとスペクトルマンにすがり付くが、願いも空しくスペクトルマンとボビーとの対決となる。噛み付き攻撃で応戦するボビーに、スペクトルマンはネヴィラスライスを繰り出し、その両腕を切断。投げ技で留めを刺した。
- 天才怪獣 ノーマン[注釈 7]
- 第49話登場。
- 頭が良くなりたいと願う三吉青年(演:鶴田忍)が、堂本博士のIQを高める手術を受け、突然変異で怪獣化した姿がノーマンである。三吉は「7+8」の計算もままならない状態だったが、手術によって大天才となった。しかし、この手術にはボビーの時と同様の手が加えられており、怪獣の姿へ変貌するようになる。しかし、怪獣化は一時的なもので翌日には三吉の姿にもどる。
- そのため、怪獣になってしまうことに苦悩し再度の怪獣化を防ぐ研究を始める。そして、蒲生の正体がスペクトルマンであることを見抜いていた三吉は、「また怪獣化してしまった時は殺してくれ」と頼む。
- ノーマンの頭部は人間の脳そのものであり、色も紫と緑の斑模様で、グロテスクな造形となっている。体は白く、牙と、両手両足の爪が非常に鋭い。この牙と爪で人間を襲い、脳髄を貪る。
- 三吉の心はノーマンに支配され、全人類を廃人にするゲラニウム爆弾を完成させる。そして、三吉の抵抗も空しく巨大化、爆弾を手に暴れ回る。しかし、わずかに残っていた人間の心で爆弾の使用を阻止し、正体が三吉だと知っているため躊躇するスペクトルマンに「殺してくれ。人間として死にたいんだ」と懇願した。最後は、すれ違いざまのネヴィラスライスで斬られ、絶命する。その後、亡骸はボビーの隣の墓に埋葬された。
- 第48話・第49話の前後編は、SF小説『アルジャーノンに花束を』の翻案である[13]。プロデューサーの篠原茂は、フジテレビの別所孝治からの提案であったと証言している[13]。脚本を執筆した山崎晴哉は、別所から『アルジャーノンに花束を』の小説を渡され、『アルジャーノンに花束を』を参考にして執筆したと証言している。
- デザインは高山良策が担当[31]。人間大でノーマンに変わる場面では三吉役の鶴田忍が着ぐるみの頭部を被って演じている[46]。
- 宇宙の破壊者 イゴール星人
- 第50、51話登場。
- ゴリの手引きで地球に来た宇宙人。廃坑の町・福岡県秋山町に現れ、秋山町の地下に存在するコバルトを採掘し、ブラックドラゴンに搭載させた。
- ロボット怪獣 ブラックドラゴン
- 第50話・第51話登場。
- イゴール星人の怪獣ロボット。地球を破壊すべく秋山町に出没し、にせスペクトルマンと戦う振りをして起爆装置を手に入れる。そして倒された振りをして地底に潜り、大量のコバルトを搭載して5分後に自爆させ、地球を破壊しようとしたが、スペクトルマンのビッグバックルで首を切られ、怪獣Gメンによって起爆装置は外された。
- にせスペクトルマン
- 第50話・第51話登場。
- イゴール星人のロケットをスペクトルマンに似せて改造したロボット。フラッシュやバックルといった本物と同じ武器を使用できる他、独自の武器として目からの催眠光線が有り、これでしげる少年以外の秋山町の住民を操って拉致した(住民はその後Gメンに開放)。やがてコバルトを搭載したブラックドラゴンが再出撃すると、自分も再出撃し、本物のスペクトルマンと戦い善戦するも、最後はスペクトルフラッシュで撃破された。
- 着ぐるみは、第50話は本物のスペクトルマンの着ぐるみを流用(この回は本物は登場しないため)、そして第51話は、第33話まで使われた体色が茶系統の物(第34話以降は黒系統)を使用している。
- 原始怪獣 マウントドラゴン
- 第52話登場。
- 鈴鹿山中に出現。 麻酔で眠らされ、研究のためにトレーラーに載せられて東京に運ばれることに。途中休憩のため立ち寄った長島温泉で麻酔が醒めかけ、太田を飲み込んでしまう。当初は東名経由で東京へ向かうはずだったが鳥人の妨害でルート変更を余儀なくされ長野へ向かう。麻酔の補給のため長野支部へ到着したところに鳥人からエネルギーを注入され暴れ出す。スペクトルエースによって動きを止められ、スペクトルマンによって太田も体内から救出された。その後、再度東京へ運ばれるがスペクトルエースをあびていたため死亡。
- トレーラーでの運搬シーンは、車輌の荷台に実物大の張りぼてを乗せて岐阜市から松本市を実際に移動し撮影された[13]。この撮影は、当時系列局が少なかったフジテレビの地方開拓も兼ねた企画であった[13]。撮影にあたっては道路交通法上の問題があったが、プロデューサーの篠原茂が繋がりのあった俳優の芦田伸介を通じて自民党の議員を動かし実現に至った[13]。撮影終了後、ロケーション先の遊園地の社長から撮影に使用した張りぼてを譲渡してほしいとオファーがあったが、うしおそうじは、譲渡後の破損などのトラブルを懸念して断っている。
- 暗黒星雲バンドの鳥人
- ゴリの指令により、マウントドラゴンを目覚めさせるため上空にて機会をうかがう。マウントドラゴンを載せたトレーラーが長野支部へ到着したところにエネルギーを注入する。その後の行動は不明。
- コンピューター怪獣
- 第53話・第54話登場。
- M27番β星から地球にやって来た怪獣。母星へ帰るべく犬山村の地下でエネルギーを充填し、ゴリに保護された代わりにスペクトルマンを倒して、スペクトルマンのエネルギーも奪おうとした。目からのシグマX光線と巨大なアームが武器で、アームの衝撃力は戦いの第1ラウンドでスペクトルマンを記憶喪失にしたほど。その後、高倉健一(演:新井康弘)と高倉のり子(演:宮崎加代)の叫び声で記憶を取り戻したスペクトルマンと再び戦うが、母星が彗星との衝突で既に壊滅したと知ると、シグマX光線をのり子に浴びせて視力を回復させ、絶命した。
- 造形物は、高山が制作した個人作品「かなぶんおやぶん」を撮影用に借り受けたもの。
- 枯れ草玉怪人 草人間
- 第53話・第54話登場。
- コンピューター怪獣やゴリの手先として戦う戦闘員。犬山村を占領し、逃げようとする村民は皆殺しにし、高倉兄妹の両親も殺して、のり子の視力も奪った。枯れ草の玉に変形して移動する。
- 合成怪獣 巨大草人間[注釈 8]
- 第53話登場。
- 草人間が合体した怪獣。蔓を伸ばして攻撃し、枯れ草の玉に変形して攻撃する他、その球から火を出して、火の玉になって攻撃する。最後は火を消され、スペクトルフラッシュで撃破される。
- 宇宙の暗殺者 キラー星人
- 第55話・第56話登場。
- マーダラー三兄弟と共に地球に来た、悪辣非道な宇宙殺し屋。マーダラーやゴリの命令に従い、八坂村の村民を殺害する。最後はスペクトルマンと流星仮面によって、マーダラーと共に全滅。
- 夜の帝王 マーダラー三兄弟
- 第55話・第56話登場。
- キラー星人の幹部的兄弟宇宙人。全員緑色の体をしており、首領格の長男は顔が茶色。かつて父がスペクトルマンに殺されたことが有り、その仇討ちと地球に現れ、さらにゴリの入れ知恵で流星仮面とスペクトルマンを戦わせ、止めを自らが刺そうとした。その一環としてGメンを人質に取るが、それに怒った流星仮面とスペクトルマンに倒された。
- 宇宙の一匹狼 流星仮面
- 第55話・第56話登場。
- キラー星人やマーダラーの並ぶ宇宙の殺し屋だが、マーダラーたちとは正反対に卑怯なことは嫌う。スペクトルマンと戦うために地球に現れ、その矢先にマーダラーに襲われた始少年(阿部仁志)を助けたために始に慕われる。その後キラー星人やマーダラーをスペクトルマンと共に全滅させると、スペクトルマンと1対1の対決を行い、武器の流星フラッシュが外れたのに対し、自らはスペクトルフラッシュを浴びて倒された。だが外したのはわざとであることが判明するが、わざと外した理由は不明。
- 悪人でありながら「執拗にヒーローと戦う」「卑怯なことはしない」という設定は、次作『快傑ライオン丸』のタイガージョーに受け継がれる。
- 宇宙の魔女 グレートサタン
- 第57話・第58話登場。演:三浦真弓。
- サタン星の魔女。杖からの魔力と目からのビームが武器。かつて宇宙警察に捕まり、「一万年の眠りの刑」を受けて地球の洞窟に追放されるが、考古学者・影山博士(演:奥野匡)が偶然見つけ、「リサ」として育てるも、魔女と知って鉄格子の部屋に監禁した。やがて影山家の近所に来た青年画家・朝永(演:森烈)が魔女とも知らずに一目惚れし、譲二と共に開放するが、そこへ現れたサタン星人によって、朝永・譲二の前で魔女として復活、自分を監禁した影山博士を抹殺し、スペクトルマンと戦ったが、崖から転落してあっけなく死亡、その後を追って朝永も身投げした。
- まぼろし宇宙人 サタン星人
- まぼろし怪獣 ゴルダ
- 第57話・第58話登場。
- グレートサタンの用心棒的怪獣。グレートサタンの杖からの光線から現れる。武器は2本の角からのビームと背中の燐粉。さらに体内には猛毒が有り、噛まれた者は必ず死ぬと言われ、スペクトルマンも第1ラウンドで噛まれるが、譲二に戻ると川の水で毒を洗い流して難を逃れた。第2ラウンドではグレートサタンが転落死すると急激にパワーが低下し、ビッグバックルとスペクトルフラッシュの2段攻撃で撃破された。
- 兇悪宇宙人 ジェノス星人
- 第59話・第60話登場。
- 死んだ人間を凶悪な殺人鬼として蘇生させる悪魔の薬を使って殺人鬼を次々と作り出し、人類皆殺しをたくらむ宇宙人。霊柩車に乗って移動する。
- 殺人鬼軍団
- 第59話・第60話登場。
- ジェノス星人の悪魔の薬によって凶悪な殺人鬼として甦った死人たち。ジェノス星人の意のままに操られ、ナイフやマシンガンなどの凶器を使って殺戮を行う。全員「ジェノサイド」という合言葉を発する。
- 人殺し怪獣 ドクロン
- 第59話・第60話登場。
- 死体を集めて生み出された凶悪な怪獣で、スペクトルマンの力を逆用して自分の力にして優位な戦いを展開する。
- 本話を執筆した高久進は、『悪魔くん』に同名キャラクターがいたことを意識せずにネーミングを流用したと証言している。
- 奴隷宇宙人 ミゲル星人
- 第61話登場。
- 奴隷からの解放を条件にゴリの手先になり、遊園地を本拠地として地球侵略を開始する。その手始めとして遊園地に遊びに来た子供たちを怪獣変身機によって、次々に怪獣に変えていく。
- チビッコ怪獣 キートット
- 第61話登場。
- 遊園地に遊びに来ていたユキオ少年(演:松原和仁)が、ミゲル星人の手によって怪獣変身機で変身させられた怪獣。怪力の持ち主で岩をも軽々と待ち上げ、時速60キロで空を飛ぶことができる。怪獣ショーに紛れ込んで怪獣Gメンのメンバー抹殺を命令されるが、少年の心が残っていたために母親の説得で自我を取り戻し、最後は怪獣変身機の逆利用によって元の姿に戻ることができた。
- 本編では一度も呼称されなかったが、次回予告ではナレーターによって名前を言われている。
- 再生スモッグ怪獣 モッグス2
- 第62話登場。
- デサイトマンを作っている最中にスペクトルマンが現れたため、時間稼ぎとスペクトルマンがフラッシュを放つ秒数(2.5秒)の確認のために基地内に保管されていた怪獣の中から出撃した。性能は再生前と同じ。
- 基地内には、他にもボビーやゴルダが保管されていた。
- サイボーグ怪獣 デサイトマン
- 第62話・第63話登場。
- ゴリが作り上げた、怪獣の決定版というべきサイボーグ。スペクトルフラッシュに対抗するためにボクシングの世界チャンピオン・ピストン木戸口(演:根岸一正)の脊髄を身体に埋め込まれ、素早く強烈なパンチを繰り出す。 スペクトルフラッシュと同様の光線を放つことができ、スペクトルマンとの対戦で同時にフラッシュを放つが、スペクトルマンがジャンプし回転しながらフラッシュを放ったためフラッシュに勢いがつき(ゴリ談)、0.1秒早く攻撃を受けてしまい倒される。
- スペクトルマンの造形は、予定していた高山良策が多忙のため、高山の紹介で『ジャイアントロボ』などを手掛けた鈴木徹主宰の異人館工房に委ねられた。鈴木は、井上繁と共に、鷺巣富雄、的場徹、別所孝治の立会いの下、彼らの意見を参考に、1日弱でマスクの粘土原型をデザイン画なしに完成させた。マスクは第1,2話の撮影中に覗き穴が目に付けられ、第8話までは鋭角的なマスクが使用されていた[1]。ボディの部分は当初、FRPが使われていたこともあって、撮影時のアクションに不都合が生じたことから、第3話からウエットスーツへと素材が変更され、第8話からは体色と同様のベルトとなり、第34話では新調され、マスク造形にも若干の修正が加えられた[1]。このマスク造形の修正は番組終了までの間に都合2回行われA・B・Cのそれぞれ印象の異なる3タイプが存在する。第1話における、実物大のアップ用ヘドロンも同工房の作である。また、同工房に所属していた井上繁は、過去にも『ジャイアントロボ』などの怪獣造形を任されていた経歴があり、本作品でも第46話から特殊美術を手掛けることになった。スペクトルマンのスーツは、動きやすさなどの点から何度かマイナーチェンジがされている。第10話までは手足はビニール系の素材だったが、それ以降は作業服を改造したものとなった[1]。腕の付け根はノースリーブであり、特に足の付け根はアクション時にプロテクター(茶色い胴着の部分)の両脇の切れ込みが浅いと太腿に裾があたってしまうため、現在のハイレグに近い、深い切れ込みになっている。そのため、中盤までは臀部の約半分が露出したハーフバック、後期は臀部の大半が露出したTバックになっている。
- ゴリとラーの造形は、『ウルトラマン』などを手掛けた高山良策主宰のアトリエ・メイが担当。高山は本作品でもゴキノザウルス、ネズバートン、モグネチュードンなど、3分の2近くの怪獣造形を手掛けた。
- ヘドロン、ゼロンなどの造形を手掛けたのは、小野善次郎主宰のゼン工芸である。完成度はともかく、耐久性に優れた造りは撮影現場において好評だったことから、次番組の『快傑ライオン丸』では怪人造形のほとんどを担当することになった。小野は辻村ジュサブローのグループにいた美術家で、ピープロで美術監督を務め、ミニチュアセットなども手がけている。
- ピー・プロダクション社長のうしおそうじは、当初は固体・液体・気体に自在に変化できるエレメントマンを主人公とする実写企画『超人エレメントマン』を親交のあったフジテレビ編成局長の武田信敬へ直接企画提出したが[1]、もっとわかりやすい勧善懲悪ものを要望され本作品の制作に至った[11]。資料によっては『エレメントマン』を本作品の最初の企画として紹介している[9]。
- うしおが『宇宙猿人ゴリ』の企画を思いつくきっかけの1つに、映画『猿の惑星』があったという。
- ゼロン(マグマザウルス)の着ぐるみとミドロンの人形アニメ用モデルは『豹マン』のグレートマグモンとマンドーの流用である。
- 『宇宙猿人ゴリ』の1月2日放送開始に併せ、うしおは秋田書店に依頼して号外風の番宣チラシを製作した。そして大晦日にタクシーを借り、息子の詩郎とともに世田谷から練馬近辺の新聞配達所を回って、新聞に折り込んでもらった[11]。この号外では、発行年が昭和47年と誤表記されている(本来は昭和46年)。
- 第1話は時間のない中で制作され、特にスペクトルマンと動けないヘドロンとの戦いにスタッフは苦慮したという[11]。撮影後も、これを編成局長の武田が納得するかどうかが問題となり、フジテレビプロデューサーの別所孝治は放送時間に武田の自宅へ電話をかけ、該当シーンを武田に見せないという手段に出た[11]。
- 第7・8話で撮影に使用されたゴキブリは、別所が番組宣伝も兼ねて視聴者に公募した。その結果、生きたゴキブリを封入した封筒が大量に届いたため、編成局長は激怒した。
- 劇中の「公害調査室」は、フジテレビの社屋内における空き部屋を借りて撮影されていた。
- 初代女性Gメンである遠藤理恵を演じた小西まち子は、当時『オールナイトフジ』とレギュラーを掛け持ちしていたため、体調不良により第12話で降板した。小西は後年、漫画家の谷岡ヤスジと結婚するが、本作品には、第3話などに谷岡作品のギャグが挿入されている。この件に関して小西は、谷岡と知り合ったのは本作品の後であり、全くの偶然であると語っている。
- 特撮班の撮影は『マグマ大使』と同様に栄スタジオが使われていたが、守衛室さえない老朽化した施設で、児童が侵入してスペクトルマンの飛行用ミニチュアが盗まれたこともあった。犯人は警察官の子どもだったそうである。このこともあり、第32話からは、仙川に新築されたばかりの栄スタジオの第3スタジオで撮影が行われるようになった。またこのころから、円谷プロ・東宝・東映系の特殊美術スタッフを積極的に起用することで特撮場面の強化も図られている。[要出典]第3スタジオでは爆発シーンでの火が燃え残り、翌日ミニチュアが焼失していたことがあった。特撮シーンの一部は、『空の大怪獣 ラドン』などの特撮映画から流用している[68]。
- 1話完結のエピソードのうち第61話は、最終回のクランクアップ後に話数調整として制作されたことから、ロケーション中心の内容になった[69]。
- スケジュールは最後まで厳しかったようで、主演の成川はフジテレビ721での『ピープロ魂』に出演した際、スペクトルマンで印象に残っているエピソードを問われて「撮影のスケジュールが厳しくて忙しかったことの方が印象に残っている」と発言している[信頼性要検証]。
- 特撮を担当した矢島信男は自宅に視聴率調査機が取り付けられていたため、プロデューサーの別所から本作品を観るよう頼まれていた[11]。
- 序盤での公害のシーンでは、大昭和製紙の工場から流されるヘドロの映像を使い、同社からクレームがついた[13]。
- 『イナズマン』の第18話は、第59話・第60話とほぼ同様の展開で予知能力を持つ少年が登場し、少年が敵の能力を予知したり、視力を失ったヒーローを超能力で助けるなどの点が共通する。ただし、本作品に登場する少年は超能力を使い果たして死亡するが、『イナズマン』に登場する少年は助かる点が異なっている。脚本を担当した高久進は、ストーリーの使い回しを何度か行っていると証言している。
- ゴリの声を担当した小林清志は、関連本のインタビューで「ゴリの声をアテたことすら覚えてない」とコメントしている。また、番組自体も満足に観られなかったという。途中で降板した理由については、1971年当時、小林自身が水俣病を扱った芝居に出演して日本全国を周っており「多忙のため仕方なしに番組を降りたのでは」とも述べている。
- ピー・プロダクションでは、本作品放送時に「怪獣友の会」を発足し、撮影見学会を催すなどファンとの交流を行っていた。
- アメリカ合衆国ではプロデューサーのリチャード・L・ローゼンフェルドが配給権を取得し、1978年から俳優・映画監督のメル・ウェルズが演出を手がけた英語吹替版が放送[73]。中南米や欧州でもローゼンフェルドによる配給で放送された[73]。デビッド・ジャンセンを主演にした新作案も存在したが実現にはいたらなかった[7]。
- うしおは晩年にタイトルを『蒲生譲二』とする大人向け作品として本作品のリメイクを構想していた[74]。
- 原作:うしおそうじ
- 企画:的場徹
- プロデューサー:鷺巣富雄、別所孝治(フジテレビ)
- アシスタント・プロデューサー:柴田健治、篠原茂
- 製作主任:黒田達雄、成田五十六
- 製作進行:伊藤貞幸
- 撮影:柿田勇
- 照明:石井大和、近藤勝、大西顕正、高橋勝也
- 美術:飯田公夫、池田康彦
- 特撮監督:的場徹、矢島信男、堺武夫、石黒光一
- 助監督:石黒光一、堺武夫、坂本保彦、石川裕一
- 特殊撮影:細川正司、エキス・プロ、下田久
- 特殊照明:吉田一夫(畠山電気)
- 特殊美術:窪野博朗、深田達郎、井上泰幸、井上繁
- 操演効果:中島徹郎、平鍋巧
- 合成作画:渡辺善夫、鷲巣富雄
- 記録:福島勇子、
- 美粧:田口のり子
- 衣装:京都衣裳
- 編集:香園稔(光映社)
- 主題歌作曲:宮内國郎
- 劇伴作曲:寺島尚彦
- 選曲:吉田征雄
- 効果:中山太三(石田サウンドプロ)
- 録音:アオイスタジオ
- 現像:ソニーPCL
- 人形アニメーション:藤森誠代※第3話のみ
- 制作:ピー・プロダクション、フジテレビ
- 蒲生譲二 - 成川哲夫
- 倉田室長 - 大平透
- 加賀信吉 - 渡辺高光(本編の殺陣・擬斗も担当)
- 太田高志 - 新井一夫
- 有藤年夫 - 尾崎孝二
- 遠藤理恵 - 小西まち子(第1 - 10、12話)
- 立花みね子 - 親桜子(第17 - 35話)
- 沢みどり - 後藤留美(第36 - 39話)
- 柳田弘美 - 桜井妙子(第40 - 63話)
- ゴリ - 小林清志(第1 - 10、19 - 29話)、加藤精三(第11 - 18話)、西山連(第30 - 63話)
- ラー - 上西弘次
- ネビュラの声、ナレーター - 小林恭治
特記のない限りDVDBOX『スペクトルマン カスタムコンポジットボックス』封入解説書に基づく。
- たけしの父 - 雁坂彰(第5話・第6話)
- たけしの母 - 豊島八重子(第5話・第6話)
- たけし - 七井繁信(第5話・第6話)
- 中谷 - 佐久間三雄(第7話・第8話)
- 秀夫 - 伊藤潤一(第9話・第10話)
- 岡田 - 渡真二(第11話・第12話)
- 太郎 - 浅倉貴葉(第11話・第12話)
- 岡田の妻 - 藤代容子(第11話・第12話)
- 大垣博士 - 片山滉(第13話)
- 日下礼子 - 宮映子(第13話・第14話)
- 倉田奈津子 - 澤悠子(第15話・第16話)
- 倉田まもる - 狩野敏雄(第15話・第16話)
- 老人(進の祖父) - 館敬介(第17話・第18話)
- 立花進 - 江藤博利(第17話・第18話)
- 進の父(立花船長) - 上西弘次(第17話)
- 加賀弓子 - 米岡雅子(第19話・第20話)
- 社長 - 浅若芳太郎(第19話)
- 棟梁 - 築地博(第19話)
- インベーダー - 土井武、堀川貴美子(第19話・第20話)
- 塩月 - 鴨志田和夫(第21話)
- 水上 - 渡辺貞男(第21話)
- 葉子 - 村尾律子(第21話)
- 勝夫 - 山崎亮一[注釈 9](第23話)
- サブ - 中村上治(第23話)
- ユキ - 山上茂子(第23話)
- カメラマン - 鷺巣富雄(第23話)
- 天文台所員 - 辻萬長(第25話)
- 戸田与吉 - 関口篤(第28話)
- 看護婦 - 工藤富子(第29話)
- 吾助爺さん - 築地博(第30話・第31話)
- ケン坊 - 中島悟(第30話・第31話)
- 坂本先生 - 香川リサ(第32話・第33話)
- 村瀬所長 - 川野耕司(第32話・第33話)
- れいこ - 池田浩子(第32話・第33話)
- 町村博士 - 片山滉(第34話・第35話)
- 民夫 - 塩屋翼(第34話・第35話)
- シンちゃん - 佐久田修(第38話・第39話)
- アキ坊 - 吉田昌弘(第38話・第39話)
- 源ぢいさん - 寄山弘(第40話・第41話)
- ケンジ - 橋爪達也(第40話・第41話)
- 阿部先生 - 阿部進(第42話・第43話)
- 石田五郎 - 高野浩幸(第42話・第43話)
- 石田まさお - 佐野伸寿(第42話・第43話)
- 戸塚 - 片山滉(第44話・第45話)
- 節子 - 芽淳子(第44話・第45話)
- 老人 - 山本武史(第46話・第47話)
- 老婆 - 岡崎夏子(第46話・第47話)
- 三吉 - 鶴田忍(第48話・第49話)
- 堂本博士 - 有馬昌彦(第48話・第49話)
- 五郎少年 - 三輪明(第50話・第51話)
- 山本博士 - 古山桂治(第52話)
- 高倉健一 - 新井康弘(第53話・第54話)
- 高倉のり子 - 宮崎加代(第53話・第54話)
- 村人 - 築地博(第53話・第54話)
- 始少年 - 阿部仁志(第55話・第56話)
- リサ - 三浦真弓(第57話・第58話)
- 朝永 - 森烈(第57話・第58話)
- 景山博士 - 奥野匡(第57話・第58話)
- 早田ジュン - 塩屋翼(第59話・第60話)
- ゆきお少年 - 松原和仁(第61話)
- 木戸口一郎 - 根岸一正(第62話・第63話)
- 木戸口二郎 - 江藤博利(第62話・第63話)
- トレーナー - 菊池英一(第62話)
特記のない限りDVDBOX『スペクトルマン カスタムコンポジットボックス』封入解説書に基づく。
- スペクトルマン、ラー - 上西弘次
- ゴリ、イゴール星人 - 遠矢孝信
- ラー(一部[注釈 10])、ダストマン、モグネチュードン、バクラー、クルマニクラス、マグラー、ザリガニンド、ベガロン、キュドラー、にせスペクトルマン、鳥人、ネヴィラ遊星人(56話)、サタン星人、ジェノス星人、デサイトマン - 鴨志田和夫
- ラー(一部)、ネオヘドロン、バロンザウルス、ムーンサンダー、カバゴン、ブラックドラゴン、巨大草人間、サタン星人 - 石崎洋光
- サタンキング、スピンコブラー、三つ首竜 - 久保田鉄男
- マイナス人間、エジプト怪人、サタン星人 - 有川兼光
- マイナス人間、エジプト怪人、イゴール星人、サタン星人 - 斎藤忠治
- ネヴィラ遊星人(36話) - 木村博人
- マイナス人間 - 岡田克夫
- 太陽マスク、ミゲル星人ガムロ - 杜沢泰文
- パル遊星人 - 小松原薫
- ボビー、ノーマン - 戸知章二
- 流星仮面 - 早水鴻
- マーダラー兄弟 - 藤井滝史、沢美鶴、北上忠行
- キラー星人 - 氷室政司、山本武史
- オープニング
-
- 「スペクトルマン・ゴーゴー」(第1話 - 第39話)
- 作詞:雨宮雄児 / 作曲:宮内國郎 / 歌:みすず児童合唱団、ハニー・ナイツ、スタジオ・オーケストラ
- 『宇宙猿人ゴリ』時代は、初期は冒頭に「宇宙猿人ゴリなのだ」のインストゥルメンタル版が入り、映像はミドロン戦を中心にして、歌詞&出演者テロップは出さなかった。後期では、冒頭にゴリの台詞が入り、映像は初期版より一部削られ、歌詞&出演者と配役のテロップが入った。『宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン』時代は、ゴリの台詞は不変だが、映像が一新され、配役テロップは削られた。
- 第28、35、36、最終話では挿入歌として使用された。
- 「スペクトルマン・マーチ」(第40話 - 第63話)
- 作詞:うしおそうじ / 作曲:宮内國郎 / 歌:みすず児童合唱団、ボーカル・ショップ
- エンディング
-
- 「宇宙猿人ゴリなのだ」(第1話 - 第35話)
- 作詞:雨宮雄児 / 作曲:宮内國郎 / 歌:ハニー・ナイツ、スタジオ・オーケストラ / セリフ:小林清志
- 第2話では、出演者やスタッフのクレジットが一切無かった。
- 「ネビュラの星」(第36話 - 第63話)
- 作詞:うしおそうじ / 作曲:宮内國郎 / 歌:みすず児童合唱団、ボーカル・ショップ / セリフ:小林恭治
- 歌の内容がゴリ側からスペクトルマン側に変更されたのにもかかわらず、映像は不変であるため、ゴリとラーは引き続き登場するもスペクトルマンは登場しない。
- オープニングの歌詞字幕では「ネビュラ」ではなく「ネヴィラ」と表記されている。レコード用音源でも、みすず児童合唱団が「ネヴィラ」と発音しているように聞こえるが、初出シングル盤(SCS-136)のタイトル表記は「ネビュラの星」である[注釈 11]。
話数 |
放送日 |
サブタイトル |
登場怪獣・宇宙人 |
脚本 |
監督 |
特撮監督
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1
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1971年 1月2日 |
ゴリ・地球を狙う!
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ヘドロン
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辻真先
|
土屋啓之助
|
的場徹
|
2
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1月9日 |
公害怪獣ヘドロンを倒せ!
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3
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1月16日 |
青ミドロの恐怖
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ミドロン ゼロン
|
藤川桂介
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4
|
1月23日 |
ラー地球人をさぐる
|
ゼロン 猿人
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5
|
1月30日 |
恐怖の公害人間!!
|
巨大ラー ラー2号
|
小池一雄
|
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6
|
2月6日 |
美くしい地球のために!!
|
ラー2号
|
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7
|
2月13日 |
黒の恐怖
|
ゴキノザウルス
|
辻真先
|
|
8
|
2月20日 |
決斗!! ゴキノザウルス
|
|
9
|
2月27日 |
恐怖のネズバートン
|
ネズバートン
|
|
10
|
3月6日 |
怪獣列車を阻止せよ!!
|
|
11
|
3月13日 |
巨大怪獣ダストマン出現!!
|
ダストマン
|
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12
|
3月20日 |
よみがえる恐怖!!
|
|
13
|
3月27日 |
ヘドロン大逆襲 (前編)
|
ネオヘドロン
|
石黒光一
|
|
14
|
4月3日 |
ヘドロン大逆襲 (后編)
|
|
15
|
4月10日 |
大地震東京を襲う!!
|
モグネチュードン
|
ねもとしょうじ
|
土屋啓之助
|
|
16
|
4月17日 |
モグネチュードンの反撃!!
|
|
17
|
4月24日 |
空とぶ鯨サンダーゲイ
|
サンダーゲイ
|
辻真先
|
堺武夫
|
|
18
|
5月1日 |
怪獣島に潜入せよ!!
|
猿人(2代目) サンダーゲイ
|
|
19
|
5月8日 |
吸血怪獣バクラー現わる!!
|
バクラー
|
ねもとしょうじ
|
石黒光一
|
堺武夫
|
20
|
5月15日 |
怪獣バクラーの巣をつぶせ!!
|
21
|
5月22日 |
謎のズノウ星人対ギラギンド
|
ギラギンド ズノウ星人(声:八代駿)
|
高久進
|
土屋啓之助
|
22
|
5月29日 |
二刀流怪獣ギラギンド大あばれ!
|
23
|
6月5日 |
交通事故怪獣クルマニクラス!!
|
バロンザウルス クルマニクラス
|
辻真先
|
石黒光一
|
|
24
|
6月12日 |
危うし!! クルマニクラス
|
|
25
|
6月19日 |
マグラー、サタンキング二大作戦!!
|
サタンキング マグラー
|
高久進
|
土屋啓之助
|
堺武夫
|
26
|
6月26日 |
二大怪獣東京大決戦!!
|
27
|
7月3日 |
大激戦!! 七大怪獣
|
サタンキング(2代目) モッグス ゴキノザウルス(2代目) バロンザウルス(2代目) モグネチュードン(2代目) ネズバードン(2代目) X(シルバーロボ)
|
ねもとしょうじ 鶴見和一
|
土屋啓之助
|
矢島信男
|
28
|
7月10日 |
サラマンダー恐怖の襲撃!!
|
サラマンダー
|
辻真先
|
樋口弘美
|
堺武夫
|
29
|
7月17日 |
兇悪怪獣サラマンダーを殺せ!!
|
30
|
7月24日 |
タッグマッチ怪獣恐怖の上陸!!
|
ザリガニンド スピンコブラー
|
ねもとしょうじ
|
石黒光一
|
|
31
|
7月31日 |
あの灯台を救え!!
|
|
32
|
8月7日 |
よみがえる三つ首竜!!
|
三つ首竜
|
辻真先
|
土屋啓之助
|
矢島信男
|
33
|
8月14日 |
SOS!! 海底油田
|
34
|
8月21日 |
ムーンサンダーの怒り!!
|
ムーンサンダー
|
ねもとしょうじ
|
樋口弘美
|
35
|
8月28日 |
スペクトルマンが死んだ!?
|
36
|
9月4日 |
死斗!! Gメン対怪獣ベガロン
|
ベガロン
|
高久進
|
石黒光一
|
|
37
|
9月11日 |
ゴリの円盤基地爆破大作戦!!
|
マイナス人間 ベガロン
|
|
38
|
9月18日 |
スフィンクス前進せよ!!
|
スフィンクス エジプト怪人 スフィンクス怪獣
|
辻真先
|
土屋啓之助
|
|
39
|
9月25日 |
怪獣地区突破作戦!!
|
ミイラ男 クモ怪獣
|
|
40
|
10月2日 |
草笛を吹く怪獣
|
メタノドン マグマザウルス
|
伊東恒久
|
樋口弘美
|
矢島信男
|
41
|
10月9日 |
ガス怪獣暁に死す!!
|
42
|
10月16日 |
宇宙から来た太陽マスク
|
テングドン 太陽マスク カバゴン
|
土屋啓之助
|
|
43
|
10月23日 |
怪獣カバゴンの出現!!
|
太陽マスク カバゴン
|
|
44
|
10月30日 |
宇宙の通り魔キュドラー星人
|
吸血鬼キュドラー パル遊星人(声:加藤精三)
|
高久進
|
石黒光一
|
|
45
|
11月6日 |
パル遊星人よ永遠なれ!!
|
|
46
|
11月13日 |
死者からの招待状
|
ガマ星人(声:飯塚昭三) ガマ怪獣
|
山崎晴哉
|
土屋啓之助
|
|
47
|
11月20日 |
ガマ星人攻撃開始!!
|
|
48
|
11月27日 |
ボビーよ怪獣になるな!!
|
ボビー(犬怪獣)
|
樋口弘美
|
矢島信男
|
49
|
12月4日 |
悲しき天才怪獣ノーマン
|
天才怪獣ノーマン
|
50
|
12月11日 |
イゴール星人を倒せ!!
|
にせスペクトルマン イゴール星人(声:遠矢孝信) ブラックドラゴン
|
辻真先
|
石黒光一
|
|
51
|
12月18日 |
コバルト怪獣の謎
|
|
52
|
12月25日 |
怪獣マウントドラゴン輸送大作戦
|
鳥人 マウントドラゴン
|
高久進
|
土屋啓之助
|
|
53
|
1972年 1月1日 |
恐怖の鉄の爪
|
草人間 巨大草人間 コンピューター怪獣
|
伊東恒久
|
石黒光一
|
|
54
|
1月8日 |
打倒せよ!! コンピューター怪獣
|
|
55
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1月15日 |
スペクトルマン暗殺指令!!
|
キラー星人 マーダラー三兄弟 流星仮面(声:山内雅人)
|
山崎晴哉
|
長谷部安春
|
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56
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1月22日 |
宇宙の殺し屋流星仮面
|
|
57
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1月29日 |
魔女グレートサタンの復活
|
サタン星人 グレートサタン ゴルダ
|
高久進
|
土屋啓之助
|
|
58
|
2月5日 |
まぼろしの怪獣ゴルダ
|
|
9 (再放送)
|
2月12日 |
恐怖のネズバートン
|
ネズバートン
|
辻真先
|
|
10 (再放送)
|
2月19日 |
怪獣列車を阻止せよ!!
|
|
59
|
2月26日 |
地獄の使者ジェノス星人
|
ジェノス星人(声:飯塚昭三) ドクロン
|
高久進
|
樋口弘美
|
矢島信男
|
60
|
3月4日 |
怪獣ドクロン死の踊り
|
61
|
3月11日 |
恐怖の怪獣ショー
|
ミゲル星人 ミゲル星人ガムロ キートット
|
伊東恒久
|
大塚莞爾
|
|
62
|
3月18日 |
最後の死斗だ猿人ゴリ!!
|
モッグス(2代目) ディサイドマン
|
山崎晴哉
|
土屋啓之助
|
|
63
|
3月25日 |
さようならスペクトルマン
|
ディサイドマン
|
|
| この節には独自研究が含まれているおそれがあります。 問題箇所を検証し出典を追加して、記事の改善にご協力ください。議論はノートを参照してください。(2014年4月) |
- 話数によっては、予告篇のサブタイトルとナレーションの不一致がみられる。
- 第54話までは表記されていたサブタイトル上の話数が、第55話以降からは省略されている。
- 登場怪獣・宇宙人の欄は、造形物などを用いた敵側のゲストキャラクターのみに限定した。名称についても、劇中での呼称やエンディング・脚本などにおける表記を一次資料として最優先し、文献などにおける表記は二次資料へと分類。第9・10話の「ネズバートン」が、第27話では「ネズバードン」と表記されているのは、そのような事情による。第9・10話の脚本における名称は、「マウスバード」と記述されていた。
- 初期設定におけるラーは3号まで存在しており、初期の脚本上において惑星E出身のラーは「ラー1号」と記述されていた。第4話の「猿人」たちも、脚本では「ラー2号」「ラー3号」といった具合に記されている。
- 第36・56話にはネヴィラ遊星人も、造形物を用いたゲストキャラクターとして登場している。
- 第49話の劇中では実際に「天才怪獣ノーマン」と呼ばれているが、脚本では「宇宙人怪獣」もしくは、「ジューニアス・モンスター」と記述されていた。
- 第62・63話の劇中や脚本における怪獣名は「ディサイドマン」と呼ばれていたが、文献における名称は「デサイトマン」と表記されている。
- エンディングにおける第5・6話の脚本は辻真先と記されているが、ピープロに現存する脚本は手書きで小池一雄の名が記されている。同社公認の文献やDVDソフトに収録された解説資料も、同話数が小池による執筆だったことを肯定している。
- 土屋啓之助は講談社発行の文献において、同一話数で特撮監督も兼任していたことを遠回しに証言している。しかし、当時のテレビ界は同一話数における脚本や特撮監督の兼任を好まぬ風潮だったことから、特撮監督の表記は総話数の3分の1程度に留まっている。
- 石黒光一は朝日ソノラマやソニー・マガジンズ発行の文献にて、同一話数で特撮監督を兼任していたと自ら明言している。土屋啓之助が監督を担った第15・16話では、特撮監督に近い職務を任されていた。
- 堺武夫は過去に『マグマ大使』の特撮監督を経験しており、本作品の第17・18話で本編班における監督デビューを果たした。しかし、完成作品が不評だったことから以降は特撮監督に専念することで、土屋啓之助の特撮演出を無表記で支えていた。これを示唆する証言も、白夜書房などの文献に掲載されていた。DVDソフトに収録された解説資料では、第38・39話などを例に挙げて堺の特撮演出に対する考察が述べられている。
- フジテレビ:土曜 19:00 - 19:30
- 札幌テレビ:土曜 13:30 - 14:00(1971年1月9日 - 4月3日、第13話で打ち切り)[82]
- 北海道テレビ:日曜 19:00 - 19:30(1971年10月3日 - 1972年9月17日、第27話から放送)[83]
- 青森テレビ:木曜 17:00 - 17:30(1972年7月まで)→ 木曜 16:52 - 17:22(1972年8月から)[84]
- 岩手放送: 月曜 18:00 - 18:30 [85]
- 秋田テレビ:土曜 19:00 - 19:30 → 木曜 18:00 - 18:30 [86]
- 山形テレビ:土曜 19:00 - 19:30(第49話まで) → 土曜 18:00 - 18:30(第50話から)[87]
- 仙台放送:土曜 19:00 - 19:30 [88]
- 福島テレビ:月曜 17:45 - 18:15(1971年11月 - 1972年3月)→ 16:56 - 17:25(1972年4月29日)→ 16:00 - 16:30(1972年5月 - 7月)→ 月曜 - 金曜 10:40 - 11:13(1972年7月 - 8月)[89]
- 富山テレビ:土曜 19:00 - 19:30(第13話で終了)[90]
- 石川テレビ:土曜 19:00 - 19:30(第13話まで同時ネット) → 土曜 18:00 - 18:30(1971年4月17日より遅れネット)[90]。
- テレビ静岡:火曜 18:00 - 18:30
- 東海テレビ:土曜 19:00 - 19:30
- 関西テレビ:土曜 19:00 - 19:30
- 岡山放送
- 広島ホームテレビ:土曜 19:00 - 19:30
- 山口放送:木曜 19:00 - 19:30
- テレビ西日本:土曜 19:00 - 19:30
- テレビ宮崎:水曜 18:00 - 18:30
1970年夏ごろに撮影されたパイロット版[91]。制作はうしおそうじと的場徹による[11]。制作費は80万円[11]。
基本設定は同じだが、スペクトルマンやゴリの姿は異なる。映像の一部は本編やオープニングに流用された[91]。
1996年のLD-BOX発売に際して円谷コミュニケーションズの円谷英明により「完成版」として編集され[91]、その後のDVD-BOX・Blu-ray BOXにも収録されている。
パイロットフィルムに登場する蒲生譲二役の俳優は諸説あるが、うしおは一時、団時朗であると断言し、各種書籍でも、うしおの証言に倣って団時朗が演じたと紹介している[9][93]。しかし、団は京本政樹との対談の中で、京本が各種書籍で団がパイロット版で蒲生を演じていることが事実であるかのように書かれていることに触れると、「全然やった覚えはない。いくらなんでも、やっていたらそれくらいは覚えているはず」と出演していることを否定。各種書籍の編集者が団本人に確認を取っていなかったことを裏付けている[94]。成川は自伝の中で、パイロット版の蒲生譲二役を演じた俳優について氏名は失念したと前置きした上で、「当時CMに出演した人物で、団時朗と別人である」と明言している。うしおは後にキッズステーションで放映された「うしおそうじ物語」で、思い違いだったと発言している[信頼性要検証]。
パイロットフィルムでのゴリは、完成作品ではラーの着ぐるみとして使用された[9]。またIQについては、「もともと50だったが、円盤内で万能椅子の操作を誤り下半身不随になるも、IQは300へアップする」というものだった。完成作品でゴリが円盤やエアカーで移動することが多いのは、その名残である。なお「敵首領が下半身不随」という設定は、『風雲ライオン丸』(1973年)のアグダーや『電人ザボーガー』(1974年)の悪之宮博士で活かされることとなった。
- 『宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン』(1971年7月18日公開)
- 東映まんがまつりの一編として、『宇宙猿人ゴリ』時代の第9・10話の再編集版を上映時のテレビタイトルに改題して上映。
- 併映は、『アリババと40匹の盗賊』『ゴーゴー仮面ライダー』『魔法のマコちゃん』『アンデルセン物語』(「カルピスまんが劇場」版)の4本で、東映まんがまつりにおいて特撮作品が2本同時に上映されるのは初であった。ウエイトは、『宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン』が上だった。
- 同時期は、東宝で『ゴジラ対ヘドラ』、大映で『ガメラ対深海怪獣ジグラ』が上映されたが、どちらもテーマは「公害」。奇しくも「公害」をテーマとした怪獣物が上映されることとなった。
- 『スペクトルマン』(1972年3月18日公開)
- 東映まんがまつりの一編として、『宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン』第27話を改題上映。
- 同一作品が2回上映されるのは、ピープロでは唯一。だがピープロ作品の劇場公開は、これが最後となった。
- OP映像は「スペクトルマンマーチ」の物を使用していたが、タイトルロゴが変更されているため、タイトル部は新ロゴ版に差し替えた。また映像をそのまま使用したため、「ゴリの円盤が新バージョン」「Gメンが『怪獣Gメン』隊員服姿」「ボントトルエカが登場」「女性Gメンが柳田隊員」と、本編部と矛盾する点が多数存在する。
- 併映は、『ながぐつ三銃士』『仮面ライダー対ショッカー』『さるとびエッちゃん』『ムーミン(第2作)』の4本。「長編アニメ」「スペクトルマン」「仮面ライダー」「魔女っ子」「カルピスまんが劇場」のローテーションは不変。しかし今度は、『仮面ライダー対ショッカー』の方がウエイトは上になった。
- 1983年、東映ビデオより「怪獣列車を阻止せよ」「大地震東京を襲う」の2篇を収録した単巻ビデオソフトが発売。
- 2002年3月22日、スペクトルマンの頭部を模ったケースの全話収録DVD-BOX発売。
- 2007年6月22日、廉価版の全話収録DVD-BOXが発売。
- レンタルは単巻ビデオソフトのみでDVDは現在のところ、リリースされていない。
- 2016年4月27日、HDリマスター版 BD-BOXが発売、劇場版二作品が初収録された。
一峰大二の作画で、『週刊少年チャンピオン』(1971年20号 - 38号)と『冒険王』(1971年2月号 - 1972年5月号)と『別冊冒険王』(1971年春季号 - 1972年春季号)(ともに秋田書店[注釈 12])に連載された[96]。また、講談社の『たのしい幼稚園』(1971年4月号 - 1972年5月号)でも一峰による漫画が連載された[注釈 13]。テレビ版を基にしたエピソードと漫画オリジナルのエピソードが混在し、テレビ版を基にしたエピソードでも細部に独自の解釈が加えられた描写が多々見られる。また、テレビ版の最終話が1エピソードとして消化され、それとは全く異なる漫画版独自の最終話が描かれた。この最終話では、実写版で離れざるを得なかった公害問題が色濃く描かれた。
一峰は、テレビのデザイン通りに描いてしまうと無表情になってしまい、瞼にある三角形の突起が描きにくかったため、スペクトルマンに瞳を描き入れるなどのアレンジを施していた。
漫画版では、スペクトルマンがエネルギーを使い果たしてテレビ版のようにうつ伏せに倒れてしまう描写はほとんどなく、怪獣を倒したり、スペクトルフラッシュでエネルギーを使い果たしたりすると、次第に透明化して消えて蒲生の姿に戻る、といった描写が多用されている。そのため、テレビ版初期と比べても「弱い」イメージは見られない。その代わり、テレビ版に比べて怪獣も強いような描写も見られ、敵の攻撃で全身ボロボロに傷ついたり、流血してピンチに陥るような頻度が高くなっている。また、頭の角が高熱で溶けて半ば欠損したり、自分の投げたカッターが戻ってきて胸元に刺さる場面もあるなど、戦闘場面は相対的にハードである。
秋田書店の単行本(サンデーコミックス)はテレビ版と同様に、第1巻は『宇宙猿人ゴリ』、第2・3巻は『宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン』、第4〜7巻は『スペクトルマン』とタイトルが変化する[96]。これには最終話を含め、幾つかの未収録エピソードが存在した。
1999年、角川書店から全話収録を謳った単行本が発売された。しかし実際には、編集者のチェック漏れで1話分が未収録になっている。これは、その後発売された『快傑ライオン丸』の単行本で補完された。この角川版では、初出時には意図的に最後の戦いを描いていなかった最終話に加筆が施され、ゴリとの戦いに明確に決着が付けられる形になった。また、2006年には『特撮エース』(角川書店)の最終号に後日談が掲載された。
2018年、後日談も含めた全話を初出順に収録し、従来の単行本に未収録だった扉絵なども収録した完全版が秋田書店から発売。最終話は、初出時の最後のコマが角川版では編集されていたのを初出時と同じ形に戻した上で、角川版のための加筆部分をボーナストラックとして収録。
(●は漫画版オリジナル怪獣)
- 公害怪獣ヘドロン
- 化石怪獣ガレロン●
- 化石から復活した怪獣。有機水銀を含んだ排水が好物で、これを固形にして吐き出し、武器とする。
- ゴミ怪獣ダストマン
- 再生怪獣ネオヘドロン
- 双頭怪獣ネズバードン[注釈 14]
- 地震怪獣モグネチュードン
- シロ蟻怪獣バクラー、インベーダー人間、原生動物
- 実写版とは違い、バクラーは頭部の触角から血液を吸収する。また、ソニック光線ではなく蟻酸を武器とする。
- クジラ怪獣サンダーゲイ
- 分解怪獣ゾロランダー●
- 昆虫型の怪獣。自由に体のパーツを分解できるが、脳を取り外されると活動を停止する。
- 火薬怪獣マンモスラー●
- 全身が火薬に覆われた怪獣で、体に敵が触れると爆発を起こす。
- 交通事故怪獣クルマニクラス、拘束怪獣バロンザウルス
- 幻想怪獣サンドラー●
- ゴリの作り出した異次元空間「ノン・マン・ワールド」の怪獣。口から吐く砂が武器。
- ドリル怪獣ギラギンド[注釈 15]、他天体怪獣ズノウ星人
- ズノウ星人は、顔だけで浮遊するエイリアンとなっている。
- 隕石怪獣サタンキング、地底怪獣マグラー
- 油怪獣三つ首竜
- 狂犬怪獣ケンネラー●
- 犬がゴリに改造された怪獣。超音波で無数の犬を操る。武器は鋭い牙と角。
- ザリガニ怪獣ザリガニンド、海草怪獣スピンコブラー
- 古代怪獣サラマンダー
- 月世界怪獣ムーンサンダー
- 人食い怪獣ベガロン、ネヴィラ遊星人、マイナス人間
- ベガロンが爪の先から放つ溶解液は、襟巻きから放たれる。
- エジプト怪獣スフィンクス、クモ怪獣、エジプト怪人
- 念力怪獣ジャドン●
- 脱皮怪獣マウントドラゴン、鳥人
- 脳波怪獣カバゴン、太陽マスク
- 合成怪獣ガマ星人
- 宇宙からの殺し屋流星仮面、マーダラー3兄弟、怪獣キングオブキラー●(3兄弟長男の変身)
- 宇宙の魔女グレートサタン、まぼろし宇宙人サタン星人、まぼろし怪獣ゴルダ
- 宇宙の放浪者コンピューター怪獣、巨大草人間
- 凶悪宇宙人ジェノス星人、殺人怪獣ドクロン
- 怪獣キートット、奴隷宇宙人ミゲル星人
- デイサイトマン(実写版ではデサイトマン)
- ロボット怪獣メディアドン●
この他、『たのしい幼稚園』の連載分には、火炎を武器とする怪獣「ファイヤーキング」や、人形が巨大怪獣化した「しょうきさま」が登場している。
漫画版の怪獣は、実写版とかけ離れた姿のものが多かった。特に流星仮面、マーダラー兄弟、ゴルダ、コンピューター怪獣、キートットなど、終盤に近づくにつれてその差異が激しくなっている。
- 快傑ライオン丸
- 漫画版の最終話で、作中のテレビの中に登場。まだ放送開始日を迎えていないにもかかわらず放送されていることを訝しがられるが、これはゴリの仕業だった。なお、現実世界においても、漫画版最終話が発表されたのは『ライオン丸』の放送が始まる前だった。
- 探偵物語
- 第9話に劇中番組としてスペクトルマンが登場[99]。ただし全く設定の異なる人間サイズのヒーローで、ゴリとラーや怪獣は登場しない。上西弘次はこの件について「自分は関わっていない」と証言している。
- 魁!!クロマティ高校
- 実写映画版にゴリとラーが登場。ゴリの初代声優の小林清志が再び声を担当した。偶然にもピー・プロダクションの版権管理を本作品の製作総指揮の大月俊倫が行っており、本作品のアドバイザー的な役割だった板尾創路の「ゴリとラー出されへんかなあ」というアイデアが実現、実名で登場することになった。
- 大都会 PARTII、大都会 PARTIII、西部警察
- 本作品の楽曲が頻繁に流用されている(大都会 PARTIIは第52話、大都会 PARTIIIでは終盤の数話のみ)。このことについては『ピー・プロ70'sヒーロー列伝(1)スペクトルマン』にも書かれている。
- あばしり一家(永井豪)
- 蒲生譲二が登場するエピソードがある。「痴漢怪獣エッチラー」の出現に、ネビュラに変身許可を願うが、しかも「駄目だ、あれはピープロの怪獣ではない」と却下される落ちまでついていた。蒲生の絵柄は一峰風。
- キン肉マン(ゆでたまご)
- 原作担当の嶋田隆司が小学5年生の時に描いた同名作品が本作品をモチーフとしていた。
- 吸血鬼ゴケミドロ
- 放送室
- 決め方TV
- 番組で映像の一部が使用されており、ゴリとラーがテーマに則した会話をしている。
- ^ ピー・プロダクション社長のうしおそうじは、フジテレビ編成局長の武田信敬から8月には確約を受けていたが、根回しに時間がかかったと証言している[11]。
- ^ 小林大輔アナウンサー(当時)が演じた。なおEDはノンクレジット。
- ^ ゴキノザウルスのみ目と羽が新調された。
- ^ 書籍『’70年代特撮ヒーロー全集』では、名称を三ツ首竜と記載している[30]。書籍『全怪獣怪人 上巻』では、ミツワニドンという別名も併記している。
- ^ 書籍によっては、名称をキュドラー星人と記載している[42][30]。
- ^ 書籍によっては、名称をガマ怪獣と記載している[42]。
- ^ 書籍『’70年代特撮ヒーロー全集』では、名称を宇宙人怪獣(ノーマン)と記載している[30]。
- ^ 書籍『全怪獣怪人 上巻』では名称を巨大草人間オープンとしている。
- ^ 「山崎克一」とクレジット誤表記。
- ^ スペクトルマンとの絡みのシーンを担当
- ^ JASRACにも「ネビュラの星」で登録されている[77]。
- ^ 秋田書店からは、スペクトルマンと怪獣Gメンに関する資料、怪獣の写真・解剖図などを載せた『宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン 怪獣カラー図鑑』も発売されていた。
- ^ 冒険王での連載は、タイトルが『スペクトルマン』になる前に終了している。
- ^ 実写版ではネズバートン。
- ^ 初出時は「ギラギドン」と誤植。後編の扉絵は原稿が所在不明であり、完全版では誌面から収録しているため、誤植がそのまま残っている。
- ^ a b c d e f g h 特撮全史 2016, pp. 6–9, 「スペクトルマン」
- ^ a b c d e f g h i j フィギュア王308 2023, pp. 25–26, 「宇宙猿人ゴリ」
- ^ a b 全怪獣怪人 上 1990, p. 149
- ^ a b 超人画報 1995, p. 80
- ^ a b 宇宙船SPECIAL 1998, p. 80
- ^ 「概説 変身ブームの変遷」『テレビマガジン特別編集 変身ヒーロー大全集』講談社、1995年11月30日、130-133頁。ISBN 4-06-178419-6。
- ^ a b c d e f g 特撮秘宝3 2016, pp. 42–44, 文・金田益実「45周年の特撮テレビ伝説『スペクトルマン』×『宇宙猿人ゴリ』」
- ^ a b c d 全怪獣怪人 上 1990, pp. 145–146
- ^ 超人画報 1995, p. 119, Column「ヒーロー番組世紀末バトル」.
- ^ a b c d e f g h 特撮秘宝3 2016, pp. 102–109, 取材・文 飯田正人「INTERVIEW うしおそうじラストインタビュー」
- ^ a b c d e f g 特撮秘宝3 2016, pp. 79–82, 「INTERVIEW 『スペクトルマン』ほか製作 篠原茂」
- ^ 『ミラーマン大全』 2004年、双葉社、266頁。
- ^ a b c d ザボーガー&ピープロ 2011, p. 101, 「これがスペクトルマンだ!」
- ^ a b c d ザボーガー&ピープロ 2011, p. 100, 「スペクトルマン登場人物」
- ^ a b c d e f g h i j k 特撮秘宝3 2016, pp. 2–11, 文 堤哲哉「『スペクトルマン』高山良策氏の未公開造形写真大発掘!」
- ^ a b c d e 宇宙船SPECIAL 1998, p. 126
- ^ a b c d e 特撮秘宝3 2016, pp. 63–64, 「高山良策スペクトルマン怪獣画廊」
- ^ 『毎日新聞』 1971年6月5日、夕刊。
- ^ a b c d e f g h 特撮秘宝3 2016, pp. 45–62, 「『スペクトルマン』高山良策造形写真館」
- ^ 『毎日新聞』 1971年7月10日、夕刊。
- ^ a b c 特撮秘宝3 2016, p. 65, 「うしおそうじのデザイン世界」
- ^ 岩佐陽一 編『電人ザボーガー大全』双葉社、2002年11月、161頁。ISBN 4-575-29483-7。
- ^ a b 全怪獣怪人 上 1990, p. 152
- ^ 特撮秘宝3 2016, pp. 66–68, 「INTERVIEW 俳優 鶴田忍」
- ^ 「ゴジラ映画を100倍楽しくする 東宝怪獣映画カルト・コラム 51 東宝特撮映画のテレビ流用例」『ENCYCLOPEDIA OF GODZILLA ゴジラ大百科 [メカゴジラ編]』監修 田中友幸、責任編集 川北紘一、Gakken〈Gakken MOOK〉、1993年12月10日、172頁。
- ^ 角川書店版スペクトルマン第4巻P422より
- ^ a b パトリック・マシアス 著、町山智浩 訳「キッズに環境を問題を教えた『宇宙猿人ゴリ』」『オタク・イン・USA 愛と誤解のAnime輸入史』太田出版、2006年、97-99頁。ISBN 978-4778310028。
- ^ 特撮秘宝3 2016, pp. 90–91, 文 但馬オサム「COLUMN うしおそうじ幻のニュー『スペクトルマン』企画」.
- ^ [1]
- ^ 『北海道新聞』(縮刷版) 1971年(昭和46年)1月 - 4月、テレビ欄。
- ^ 『北海道新聞』(縮刷版) 1971年(昭和46年)10月 - 1972年(昭和47年)9月、テレビ欄。
- ^ 『河北新報』1971年8月5日 - 1972年10月5日付朝刊、テレビ欄。
- ^ 『河北新報』1971年11月11日 - 1972年6月26日付朝刊、テレビ欄。
- ^ 『河北新報』1971年1月1日、1971年11月11日 - 1972年7月27日付朝刊、テレビ欄。
- ^ 『河北新報』1971年8月7日 - 12月4日、1972年2月19日 - 5月27日付朝刊、テレビ欄。
- ^ 『河北新報』1971年8月7日 - 1972年3月25日付朝刊、テレビ欄。
- ^ 『福島民報』1971年11月8日 - 1972年8月25日付朝刊、テレビ欄。
- ^ a b 『北國新聞』1971年1月9日付朝刊7面 - 1972年3月25日付各朝刊、テレビ欄。
- ^ a b c DVDBOX『スペクトルマン カスタムコンポジットボックス』より。
- ^ 『宇宙船』1982年、朝日ソノラマ VOL.10、16頁。
- ^ 京本政樹『京本政樹のHERO考証学』バンダイ〈B-CLUB SPECIAL〉、1992年7月1日、132頁。ISBN 489189234X。
- ^ a b 宇宙船SPECIAL 1998, pp. 146–147, 平井幸夫「70年代スーパーヒーローコミックリスト」
- ^ a b 特撮秘宝3 2016, pp. 102–109, 年表作成 但馬オサム「うしおそうじ&ピープロダクション年表」