ダグ・スコット(Doug Scott 、本名Douglas Keith Scott 、1941年5月29日 - 2020年12月7日[1])は、イギリスの登山家。1975年にエベレスト南西壁の初登攀に成功したことで知られる。
1994年に大英帝国勲章(CBE)を受章、1999年には王立地理学会から金メダル(創立者メダル)を受賞している[2]。
12歳でクライミングを始めた。20歳で教師になり、休暇中にクライミングの海外遠征を行った。アルプスの他に、アトラス山脈、ティベスティ山脈、クルディスタン、ヒンドゥークシュなどに遠征した。 クライミングに時間を割くために1971年に教師の職を辞して、徐々にプロの登山家として生計を立てるようになる。72年春、秋のエベレスト南西壁遠征隊に参加するが、いずれも敗退。75年に3度目の挑戦で南西壁の初登攀に成功した。70年代後半からは高所登山においても軽装備、少人数のスタイルに移行した。
77年オーガ(バインター・ブラック、7,285m)初登頂では、下山中に頂上直下で滑落して両足をくるぶしの位置で骨折し、仲間に助けられ両膝を使って8日かけてベースキャンプまで下山した[3]。その間、悪天候に見舞われ5日間は嵐、最後の4日間は食料が尽きていた[4]。さらに鎮痛剤なしで数日間救助を待たなければならなかった[3]。