チャイナ橙の謎 | ||
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著者 | エラリー・クイーン | |
発行日 | 1934年 | |
ジャンル | 推理小説 | |
国 |
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言語 | 英語 | |
形態 | 著作物 | |
前作 | シャム双生児の謎 | |
次作 | スペイン岬の謎 | |
コード | OCLC 212314235 | |
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『チャイナ橙の謎』(チャイナだいだいのなぞ、The Chinese Orange Mystery )は、1934年に発表されたエラリー・クイーンの長編推理小説。
エラリー・クイーン(作者と同名の探偵)が登場する作品であり、タイトルに国名が含まれる、いわゆる「国名シリーズ」の第8作である。
「チャイナ・オレンジ」など希少な切手の収集家として知られる富豪の出版社社長ドナルド・カークは、チャンセラー・ホテルの22階にに豪華なスイートを所有して、事務所兼住居として使っている。そこには、出版事業以外のビジネスと、スタッフ、親戚、女性の友人が普段出入りしている。そのホテルに、奇妙で正体不明の小男が社長に会いたいとやってくる。用向きを尋ねても答えがないが、別段驚くものはない。彼は、果物(「中国のオレンジ」としても知られるみかんを含む)の入った盛り皿のある控え室に通され、出版社社長の来るのを待つことになる。この部屋は内部から施錠されている。ところが、ドアのロックが解除されると、室内は、なんとも理解しがたい光景になっていた。
小さな男の頭部は激しく殴打され、着衣は裏返しにされ、部屋の調度品はすべてひっくり返されており、2 本のアフリカの槍がなにかの儀式かのように体と服の間に挿し込まれている。状況は、誰かが部屋へのすべての入り口を監視して、誰も出入りできないようになっている。貴重な宝飾品や切手、出版社の商売や恋愛関係、そして一見すべての登場人物との関係によって、状況はさらに複雑になっている。動機と嘘を解明し、この非常に異常な犯罪のあらゆる側面の根底にあるねじれた論理にたどり着くのに、エラリー・クイーンは、もともと逆であって、それがその人物のアイデンティティを明確に明かしてしまっているがために、絶対にそれに気づかせてはならないもの、そんなものがあったのではないかという方向から問い直そうとする。 それに気づいた時、被害者の職業も即座に判明し、そこから捜査は新たな段階に入ってくる。