トリミリスチン[1] | |
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1,3-Di(tetradecanoyloxy)propan-2-yl tetradecanoate | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 555-45-3 |
PubChem | 11148 |
ChemSpider | 10675 |
UNII | 18L31PSR28 |
EC番号 | 209-099-7 |
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特性 | |
化学式 | C45H86O6 |
モル質量 | 723.16 g mol−1 |
外観 | 白色から黄灰色の固体 |
匂い | ナツメグ様 |
密度 | 0.862 g/cm3 (20 °C)[4] 0.8848 g/cm3 (60 °C)[2] |
融点 | |
沸点 |
311 °C, 584 K, 592 °F (at 760 mmHg[2]) |
溶解度 | アルコール、リグロインに若干溶ける。 ジエチルエーテル、アセトン、ベンゼン[2]、ジクロロメタン、クロロホルムに溶ける。 |
屈折率 (nD) | 1.4428 (60 °C)[2] |
構造 | |
結晶構造 | 三斜晶系 (β-型)[3] |
空間群 | P1 (β-型)[3] |
格子定数 (a, b, c) | a = 12.0626 Å Å,b = 41.714 Å Å,c = 5.4588 Å (β-型)[3] Å |
格子定数 (α, β, γ) | α = 73.888°, β = 100.408°, γ = 118.274° |
熱化学 | |
標準生成熱 ΔfH |
−2355 kJ/mol[6] |
標準燃焼熱 ΔcH |
27643.7 kJ/mol[6] |
標準モルエントロピー S |
1246 J/mol·K (liquid)[6] |
標準定圧モル比熱, Cp |
1013.6 J/mol·K (β-型, 261.9 K) 1555.2 J/mol·K (331.5 K)[5][6] |
危険性 | |
安全データシート(外部リンク) | [7] |
NFPA 704 | |
引火点 | 110 °C (230 °F; 383 K) |
発火点 | 421.1 °C (790.0 °F; 694.2 K) |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
トリミリスチン(Trimyristin)はトリアシルグリセロールの一種。グリセリンにミリスチン酸3分子が結合した構造をとる。白色から黄灰色の固体で水には溶けないが、エタノール、ベンゼン、クロロホルム、ジクロロメタン、エーテルには溶ける。
トリミリスチンは、天然の多くの植物油中に見られる。
ナツメグ粉末からのトリミリスチンの単離は、大学の初歩的な有機化学実験としてよく行われる。ナツメグの油脂は80%以上がトリミリスチンで構成されているため、天然化合物の抽出としては非常に単純である。トリミリスチンは、乾燥粉末ナツメグ全体の質量の20-25%を占める。分離は通常、水蒸気蒸留で行われ、エーテル抽出の後、蒸留することによって揮発性の溶媒を取り除き、精製される。トリミリスチンはエーテルに非常に溶けやすいため、室温でジエチルエーテルを用いてでも行うことができる。比較的簡単で、実験技術の導入になるので、しばしばカリキュラムに取り入れられる[8]。