ニック・スウィッシャー

ニック・スウィッシャー
Nick Swisher
ニューヨーク・ヤンキースでの現役時代
(2011年8月28日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 オハイオ州コロンバス
生年月日 (1980-11-25) 1980年11月25日(43歳)
身長
体重
6' 0" =約182.9 cm
200 lb =約90.7 kg
選手情報
投球・打席 左投両打
ポジション 一塁手外野手
プロ入り 2002年 MLBドラフト1巡目(全体16位)
初出場 2004年9月3日
最終出場 2015年10月2日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

ニコラス・トンプソン・スウィッシャーNicolas Thompson Swisher, 1980年11月25日 - )は、アメリカ合衆国オハイオ州コロンバス出身の元プロ野球選手内野手外野手)。左投両打。

父のスティーブ・スウィッシャー英語版も元メジャーリーガーである。妻は女優ジョアンナ・ガルシア

経歴

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プロ入りとアスレチックス時代

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オークランド・アスレチックス時代
(2005年)

2002年MLBドラフト1巡目(全体16位)でオークランド・アスレチックスから指名され[1]、契約。

2004年9月3日にマーク・エリスが15日間の故障者リストから60日間の故障者リストに変更されたため、メジャー昇格を果たし[2]、同日デビューを果たした。20試合の出場で15安打、2本塁打を記録。

2005年右翼手のレギュラーを獲得。打率.236と低迷したが、新人選手として21本塁打はリーグ1位タイ、74打点はリーグ1位となった[3]

2006年は、打率.254、35本塁打、95打点と打撃三部門で自己最高を記録した。また97四球、152三振を記録し、本塁打・四球・三振はいずれもリーグ10位以内に入った。左打席ではアッパー軌道のパワフルなスイングに対し、右打席はコースに逆らわず広角にライナーを弾き返す打撃を見せるようになり[4]、対左打率も向上した。しかしながら得点圏打率は.190と低かった。8月8日のテキサス・レンジャーズ戦でルーベン・シエラスイッチヒッターとしての球団シーズン最多本塁打記録(23)を更新した[5]

2007年4月23日のボルチモア・オリオールズ戦で、シエラのスイッチヒッターとしての球団通算本塁打記録(61)を更新している[6]。2007年シーズン途中の5月に、同年の年俸を40万ドルから70万ドルに引き上げるとともに、この年から5年総額2675万ドル、6年目の2012年は1025万ドルの球団オプションで契約延長した[7]。同年、本塁打は22本に留まり、前年ほどの成績を残せなかった。

ホワイトソックス時代

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シカゴ・ホワイトソックス時代
(2008年4月17日)

2008年1月3日にライアン・スウィーニーら3選手との交換トレードでシカゴ・ホワイトソックスへ移籍。ホワイトソックスでは一塁手として71試合、中堅手として70試合、左翼手・右翼手としてそれぞれ18試合に出場。前年を上回る24本塁打を放ったが、自己最低の打率.219に終わった。

ヤンキース時代

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2008年11月13日にウィルソン・ベテミーら3選手とスウィッシャーら2選手との交換トレードでニューヨーク・ヤンキースへ移籍した。

2009年ゼイビア・ネイディの控えとして開幕を迎えるも、ネイディがヒジを故障して離脱したためレギュラーに抜擢された[8]。4月13日のタンパベイ・レイズ戦では、味方投手陣の大量失点により5-15と大差が付いたことから、8回裏にヤンキースの野手としては1997年ウェイド・ボッグス以来12年ぶりに投手としてマウンドに上がり、メジャー初登板を果たした。打者5人に対し21球を投げ、被安打1、与四球1を許したものの、ゲーブ・キャプラーから三振を奪うなど粘りの投球を見せ、1回を無失点に抑えた[9]。球速は70マイル台が殆どで、最速は80マイル(約128km)だった。高校時代以来の登板だったというスウィッシャーは、試合後に「興奮したし楽しめたね。」とコメントしたものの、「こんな機会は今後、絶対ないだろうね。本当にチームは良くなかったから。笑って済まして何とか前に進むために、たまたま起用されただけだよ」と語った[10]。最終的にはリーグ2位の97四球、自己最高のOPS.869を記録。ワールドシリーズ優勝も経験した。

2010年は、それまで4年連続で80以上の数字を維持していた四球が58まで減少したため、2009年と比べて出塁率が低下したが、一方で打率は自己最高となる.288という数値を記録した。また、自身初のオールスターゲーム出場を果たした他、2年連続で29本塁打を放って、前年を上回る89打点を記録した。シーズンオフの12月10日には、同年3月に婚約していた女優のジョアンナ・ガルシアとの結婚を発表し、同日に結婚式を挙げた。

インディアンス時代

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クリーブランド・インディアンス時代
(2013年5月13日)

2012年12月23日、クリーブランド・インディアンスと4年総額5600万ドル(約47億2000万円)で契約合意した[11][12]2013年1月3日に入団会見を開いた[13]

同年は正一塁手として145試合に出場し、打率.246、22本塁打、63打点、1盗塁だった。

2014年は開幕ロースター入りし、開幕後は49試合に出場していたが、5月27日に左膝の過伸展で15日間の故障者リスト入りした[14]。最終的には97試合に出場したが、打撃不振が続いて打率.208、111三振という成績を記録、本塁打も8本に留まって連続20本塁打以上が9年で途切れた。

2015年は更なる不振に陥り、30試合の出場で打率.198、2本塁打、8打点、OPS.558という低調な成績に終わった。

ブレーブス時代

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アトランタ・ブレーブス時代
(2016年3月19日)

2015年8月7日にクリス・ジョンソンとのトレードでマイケル・ボーンと共にアトランタ・ブレーブスに移籍した[15][16]。ブレーブス加入後は46試合でプレーしたが、打撃は復活せず打率.195に終わった。守備では左翼手25試合でDRS-5、一塁手でDRS-1だったが、失策はなかった。2015年の合算成績は、76試合の出場で打率.196、6本塁打、25打点、OPS.631であった。

2016年はブレーブスがスウィッシャーのトレードを数か月に亘って画策したが、獲得を希望する球団は現れず、結局3月28日付で自由契約とした[17]

ヤンキース復帰

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2016年4月14日[18]、ニューヨーク・ヤンキースとマイナー契約を結んだ[19]。7月2日、家族と一緒に過ごすことを優先するため、シーズンの残り試合を欠場すると発表した[20][21]。この年はメジャーに昇格することなく、マイナーのAAA級スクラントン・ウィルクスバリ・レイルライダースで主に一塁手や指名打者として55試合に出場し、.255、7本塁打、25打点、OPS.674と低調な成績に終わった。

引退後

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2017年2月17日、引退を表明した[22]

2018年2月25日、ヤンキースGM特別アドバイザーに就任。

2023年8月2日にベースボール・ユナイテッドの共同オーナーとして参入した[23]

選手としての特徴

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珍しい『左投げのスイッチヒッター』で、長打力と選球眼を兼ね備えている。しかしながら打率、得点圏OPS、三振はどれも低水準という欠点も併せ持っている。また、ポストシーズンに極端に弱く、これまでワイルドカードゲームに1回、ディビジョンシリーズに6回、リーグチャンピオンシップシリーズに4回、ワールドシリーズに1回、合計すると47試合の出場で打率.165であった。

キャリアで1試合左右打席本塁打を14度記録している。これは2021年シーズン終了時点でヤンキース時代のチームメイトでもあったマーク・テシェイラと並びMLB史上最多タイ記録である。

試合中はユニフォームを着ているのでわからないが、スウィッシャーの左胸には『BLS』というタトゥーが彫られている。これは2006年8月に亡くなった祖母(Betty Lorraine Swisher)のイニシャルである。おばあちゃん子でかなりショックを受けたため、彫ったといわれている[24]。また安打や本塁打を放ってベースやホームを踏んだ際、空へ向かって両手を挙げるポーズを行うが、これは天国にいる祖母へ向けたポーズだと述べている。

詳細情報

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年度別打撃成績

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O
P
S
2004 OAK 20 71 60 11 15 4 0 2 25 8 0 0 0 1 8 0 2 11 2 .250 .352 .417 .769
2005 131 522 462 66 109 32 1 21 206 74 0 1 0 1 55 3 4 110 9 .236 .322 .446 .768
2006 157 672 556 106 141 24 2 35 274 95 1 2 2 6 97 7 11 152 13 .254 .372 .493 .864
2007 150 659 539 84 141 36 1 22 245 78 3 2 1 9 100 12 10 131 13 .262 .381 .455 .836
2008 CWS 153 588 497 86 109 21 1 24 204 69 3 3 1 4 82 6 4 135 14 .219 .332 .410 .743
2009 NYY 150 607 498 84 124 35 1 29 248 82 0 0 3 6 97 2 3 126 13 .249 .371 .498 .869
2010 150 635 566 91 163 33 3 29 289 89 1 2 3 2 58 0 6 139 13 .288 .359 .511 .870
2011 150 635 526 81 137 30 0 23 236 85 2 2 1 8 95 6 5 125 18 .260 .374 .449 .822
2012 148 624 537 75 147 36 0 24 254 93 2 3 1 5 77 2 4 141 9 .272 .364 .473 .837
2013 CLE 145 634 549 74 135 27 2 22 232 63 1 0 0 4 77 3 4 138 11 .246 .341 .423 .763
2014 97 401 360 33 75 20 0 8 119 42 0 0 1 4 36 0 0 111 7 .208 .278 .331 .608
2015 30 111 101 6 20 4 0 2 30 8 0 0 0 1 8 1 1 24 2 .198 .261 .297 .558
ATL 46 149 118 8 23 5 0 4 40 17 0 0 0 2 27 0 2 30 7 .195 .349 .339 .688
'15計 76 260 219 14 43 9 0 6 70 25 0 0 0 3 35 1 3 54 9 .196 .312 .320 .631
MLB:12年 1527 6308 5369 805 1338 307 11 245 2402 803 13 15 13 53 817 42 56 1373 131 .249 .351 .447 .799

年度別投手成績

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W
H
I
P
2009 NYY 1 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 5 1.0 1 0 1 0 0 1 0 0 0 0 0.00 2.00
MLB:1年 1 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 5 1.0 1 0 1 0 0 1 0 0 0 0 0.00 2.00

年度別守備成績

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一塁(1B) 左翼(LF) 中堅(CF) 右翼(RF)
















































2004 OAK 3 19 0 0 3 1.000 12 19 0 1 0 .950 1 0 0 0 0 ---- 4 5 0 2 0 .714
2005 21 109 10 0 10 1.000 - - 121 196 6 2 2 .990
2006 90 666 42 5 56 .993 79 170 5 3 3 .983 1 3 0 0 0 1.000 1 1 0 0 0 1.000
2007 44 391 25 3 31 .993 - 59 139 1 2 0 .986 57 107 2 0 0 1.000
2008 CWS 71 447 32 2 52 .996 18 31 1 0 0 1.000 70 138 2 4 0 .972 18 25 0 1 0 .962
2009 NYY 20 89 5 1 7 .989 8 10 0 0 0 1.000 - 130 239 2 5 1 .980
2010 6 19 2 0 2 1.000 - 1 0 0 0 0 ---- 134 265 10 4 1 .986
2011 11 29 2 0 4 1.000 - - 141 273 9 1 1 .996
2012 41 255 18 3 23 .989 - - 109 214 4 3 0 .986
2013 CLE 112 812 88 8 70 .991 - - 27 41 2 1 1 .977
2014 52 400 39 9 42 .980 2 3 0 0 0 1.000 - 4 4 0 0 0 1.000
2015 - - - 1 0 0 1 0 .000
ATL 12 85 4 0 12 1.000 25 48 1 0 0 1.000 - 2 0 0 1 0 .000
'15計 12 85 4 0 12 1.000 25 48 1 0 0 1.000 - 3 0 0 2 0 .000
MLB 483 3321 267 31 312 .991 144 281 7 4 3 .986 132 280 3 6 0 .979 749 1370 35 21 6 .985
投手守備


投手(P)












2009 NYY 1 0 0 0 0 ----
MLB 1 0 0 0 0 ----

記録

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背番号

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  • 25(2004年)
  • 33(2005年 - 2007年、2009年 - 2015年途中)
  • 30(2008年)
  • 23(2015年途中 - 同年終了)

脚注

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  1. ^ 2002 DRAFT TRACKER” (英語). MLB.com. July 16, 2023閲覧。
  2. ^ "A's select Nick Swisher from Triple-A Sacramento" (Press release) (英語). MLB.com. 3 September 2004. 2009年12月28日閲覧
  3. ^ MLB Baseball Batting Statistics and League Leaders” (英語). ESPN. 2016年3月31日閲覧。
  4. ^ 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2007』廣済堂出版、2007年、190頁。ISBN 978-4-331-51213-5 
  5. ^ Mychael Urban (2006年8月9日). “A's rally, top Texas to win sixth straight” (英語). MLB.com. 2016年3月31日閲覧。
  6. ^ Urban, Mychael (2007年4月24日). “Swisher, Haren help A's stave off O's” (英語). MLB.com. 2016年3月31日閲覧。
  7. ^ Swisher agrees to 5-year, $26.75M deal with Athletics” (英語). ESPN.com. 2008年9月6日閲覧。
  8. ^ Associated Press (2009年4月17日). “Nady officially hits 15-day DL” (英語). ESPN.com. 2009年12月28日閲覧。
  9. ^ Boxscore: NY Yankees vs. Tampa Bay - April 13, 2009” (英語). MLB.com (2009年4月13日). 2016年3月31日閲覧。
  10. ^ “【MLB】大敗ヤンキース、一塁手が投手起用で1回零封「こんなの2度ない」”. ISM. Yahoo Japan. (2009年4月14日). http://news.yahoo.co.jp/pickup/82654 2016年3月31日閲覧。 
  11. ^ Indians, Nick Swisher agree to deal” (英語). ESPN (2012年12月23日). 2016年3月31日閲覧。
  12. ^ 関税定率法第4条の7に規定する財務省令で定める外国為替相場” (PDF). 税関. 2016年3月31日閲覧。
  13. ^ Jordan Bastian (2013年1月3日). “Deal official, Swisher unveiled by Tribe” (英語). MLB.com. 2016年3月31日閲覧。
  14. ^ "Indians place INF Nick Swisher on 15-Day DL & C Carlos Santana on 7-day concussion list" (Press release) (英語). MLB.com (Cleveland Indians). 27 May 2014. 2014年5月28日閲覧
  15. ^ Mark Bowman (2015年8月7日). “Braves get Swisher, Bourn from Tribe for Johnson” (英語). MLB.com. 2016年3月31日閲覧。
  16. ^ Ryan Lewis (2015年8月7日). “Indians trade Nick Swisher, Michael Bourn and cash to Atlanta Braves for Chris Johnson” (英語). Ohio.com. The Akron Beacon Journal. 2016年3月31日閲覧。
  17. ^ Mark Bowman (2016年3月28日). “Swisher released, Torres reassigned by Braves” (英語). MLB.com. 2016年3月31日閲覧。
  18. ^ MLB公式プロフィール参照、2016年4月15日閲覧。
  19. ^ Bryan Hoch (2016年4月13日). “Swisher to join Yanks' Triple-A club Thursday”. MLB.com. 2016年4月15日閲覧。
  20. ^ After the birth of my second child, I’ve decided to take a step back and spend the rest of this season with my wife and two daughters. (1/6)” (英語). Twitter (2016年7月2日). 2016年7月3日閲覧。
  21. ^ 家族との時間を優先 元ヤ軍のスウィシャーが今季残り試合の欠場を表明”. スポーツニッポン (2016年7月3日). 2016年7月3日閲覧。
  22. ^ Perry, Dayn (2017年2月17日). “Former Yankee Nick Swisher announces his retirement after 12-year career” (英語). CBSSports.com. http://www.cbssports.com/mlb/news/former-yankee-nick-swisher-announces-his-retirement-after-12-year-career/ 2017年3月14日閲覧。 
  23. ^ FORMER MLB ALL-STAR AND WORLD SERIES CHAMPION NICK SWISHER JOINS BASEBALL UNITED OWNERSHIP GROUP” (英語). Baseball United (August 2, 2023). August 3, 2023閲覧。
  24. ^ 「MLBキテレツ紳士録 DR.SRANGELOVE 第44回 ニック・スウィッシャー」月刊『スラッガー』日本スポーツ企画出版社 59頁

関連項目

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外部リンク

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