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IUPAC命名法による物質名 | |
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臨床データ | |
胎児危険度分類 |
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法的規制 | |
薬物動態データ | |
生物学的利用能 | 60% |
血漿タンパク結合 | 1-2% |
代謝 | Hydrolysed to ganciclovir |
半減期 | 4 hours |
排泄 | Renal |
データベースID | |
CAS番号 | 175865-59-5 |
ATCコード | J05AB14 (WHO) |
PubChem | CID: 64147 |
化学的データ | |
化学式 | |
分子量 | 354.362 g/mol |
バルガンシクロビル(Valganciclovir)は、サイトメガロウイルスに対する抗ウイルス薬の一つである。ガンシクロビルをL-バリンでエステル化し、プロドラッグとしたものである。商品名バリキサ。
下記に伴うサイトメガロウイルス感染症[1]
臓器移植(造血幹細胞移植を除く)におけるサイトメガロウイルス感染症の発症抑制
好中球数500/mm3未満または血小板数25,000/mm3未満など、著しい骨髄抑制が認められる患者には禁忌である。
重大な副作用として添付文書に挙げられているものは、
である[1]。
そのほか、“警告”欄に一時的または不可逆的な精子形成機能障害、妊孕性低下、催奇形性、遺伝毒性、発癌性が記載されている。
腸管および肝臓のエステラーゼにより速やかに加水分解されてガンシクロビルに変換され、サイトメガロウイルス感染細胞内でプロテインキナーゼ(UL97)にリン酸化されてガンシクロビル一リン酸になり、さらにリン酸化されて活性型のガンシクロビル三リン酸になる。ウイルスDNAポリメラーゼがDNAを合成する際にデオキシグアノシン三リン酸(dGTP)と競合的に拮抗し、DNA合成が停止する。
バルガンシクロビルを慢性疲労症候群の治療に用いた研究がある。ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)またはエプスタイン・バール・ウイルス(EBV)抗体陽性で神経認知症状および消耗性疲労を示す慢性疲労症候群患者12名に、オープンラベルで6ヶ月間バルガンシクロビルを投与した結果、その内9名(75%)で症状が改善し、フルタイムの勤務に復帰でき、ウイルス抗体価も減少した[2]。だが30名の患者を対象にした二重盲検臨床試験の結果は明瞭ではなかった。多角的疲労評価尺度(Multidimensional Fatigue Inventory)の一つであるMFS-20の値はバルガンシクロビル群と偽薬群との間で差があったが、統計学的に有意ではなかった上、抗体価にも差がなかった。しかし2次解析の結果、評価尺度の一部で有意差がみられた[3]。
サイトメガロウイルスに感染した多発性膠芽腫患者25名にバルガンシクロビルを投与した結果、2年生存率は90%であった[4]。