『フューチャー・ショック』 | ||||
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ハービー・ハンコック の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 |
1983年 ニューヨーク OAOスタジオ、RPMスタジオ[1] キーボード・オーヴァーダブ&アディショナル・レコーディング:ロサンゼルス ガレージ・セール・スタジオ[1] | |||
ジャンル | フュージョン、エレクトロ、ヒップホップ | |||
時間 | ||||
レーベル | コロムビア・レコード | |||
プロデュース | ハービー・ハンコック、マテリアル | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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ハービー・ハンコック アルバム 年表 | ||||
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『フューチャー・ショック』(Future Shock)は、アメリカ合衆国のジャズ・ミュージシャン、ハービー・ハンコックが1983年に発表したスタジオ・アルバム。なお当初日本盤は、アルバムタイトル・収録曲とも「フューチュア・ショック」と表記してた。
マテリアルの主要メンバーとして活動していたビル・ラズウェルとマイケル・バインホーンが全面参加した[1]。なお、ハンコックはその後も『サウンド・システム』(1984年)、『パーフェクト・マシーン』(1988年)、『FUTURE 2 FUTURE』(2001年)といったアルバムでラズウェルを起用している[9]。ハンコックはマルコム・マクラーレンの曲「バッファロー・ギャルズ」を聴いてスクラッチという手法を知り[1]、本作ではDJのグランドミキサーD.ST(後にグランドミキサーDXTと改名)がターンテーブルを担当し、シングル曲「ロックイット」は、スクラッチが使用された最初期のメジャー・ヒット曲として知られる[10]。
タイトル曲はカーティス・メイフィールドのカヴァーで、オリジナル・ヴァージョンはメイフィールドのアルバム『バック・トゥ・ザ・ワールド』(1973年)からのシングル・ヒット曲である[11]。
アメリカのBillboard 200では43位に達し、ハンコックのアルバムとしては『モンスター』(1980年)以来の全米トップ100アルバムとなった[8]。また、『ビルボード』のジャズ・アルバム・チャートでは2位、R&Bアルバム・チャートでは10位を記録した[8]。その後も売り上げを伸ばし、リリースから約11年後の1994年10月には、RIAAによりプラチナ・ディスクの認定を受けた[12]。
全英アルバムチャートでは27位に達し、自身3作目の全英トップ40アルバムとなった[7]。オーストリアのアルバム・チャートでは5回(10週)連続でトップ10入りし、最高7位を記録する大ヒットとなった[2]。
本作からの第1弾シングル「ロックイット」は、アメリカでは総合シングル・チャートのBillboard Hot 100で71位に達し、ハンコックのシングルとしては「カメレオン」以来9年ぶりにHot 100入りを果たした[8]。また、『ビルボード』のダンス・ミュージック/クラブ・プレイ・シングル・チャートでは1位を獲得した[8]。
全英シングルチャートでは「ロックイット」が最高8位を記録するヒットとなり、続いてシングル・カットされた「オートドライヴ」は33位、「フューチャー・ショック」は54位に達した[13]。
収録曲「ロックイット」は、第26回グラミー賞で最優秀R&Bインストゥルメンタル・パフォーマンス賞を受賞し、ハンコック初のグラミー受賞となった[14]。
Richard S. Ginellはオールミュージックにおいて5点満点中3.5点を付け「率直に言って、このレコードは不可解である。非人間的で機械的な質感と、硬いリズムにより、興味深い生命力とセンス・オブ・ユーモアがもたらされている」と評している[15]。また、ロバート・クリストガウは本作にBプラスを付け、「ロックイット」に関して「ハービー自身よりもマテリアルおよびグランドミキサーD.STのおかげで、ここ数年では最も新奇なインストゥルメンタル曲、そしてハンコックのキャリアを通じて最高のポップ・チューンとなった」と評している[16]。
特記なき楽曲はハービー・ハンコック、ビル・ラズウェル、マイケル・バインホーンの共作。