フレキシティ・フリーダム

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フレキシティ・フリーダム
Flexity Freedom
フレキシティ・フリーダムのモックアップ2013年撮影)
基本情報
製造所 ボンバルディア・トランスポーテーションアルストム
製造年 2018年 -
運用開始 2019年6月21日アイオン
主要諸元
編成 3車体・5車体・7車体連接車
軌間 1,435 mm
電気方式 直流750 V
架空電車線方式
設計最高速度 80 km/h
車両定員 3車体連接車
着席34人
折り畳み座席4人
立席79人
最大135人
5車体連接車
着席56人
折り畳み座席8人
立席130人
最大251人
全長 3車体連接車 20,000 mm
5車体連接車 30,800 mm
全幅 2,650 mm
全高 3,600 mm
台車 FLEXX Urban 3000
制動装置 回生ブレーキ油圧式ディスクブレーキ電磁吸着ブレーキ
備考 主要数値は[1][2][3][4][5][6][7][8][9]に基づく。
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フレキシティ・フリーダム(Flexity Freedom)は、鉄道車両メーカーのボンバルディア・トランスポーテーションが展開する路面電車車両ブランド。北アメリカ向けに開発された車種で、2020年現在はカナダ各都市のライトレールへの導入が行われている[1][2][10][3][4][5]

概要

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フレキシティは、ボンバルディア・トランスポーテーションが世界規模で展開する路面電車ライトレール路線向けの電車ブランドである。その中でフレキシティ・フリーダムは、北アメリカアメリカ合衆国カナダ)の路面電車路線向けに開発され、両国の厳しい安全基準に対応した車種である[1][2][10]

台車が設置されている車体が設置されていない車体(フローティング車体)を挟む形の編成を組む連接式電車で、最短3車体から組成可能である他、総括制御による連結運転にも対応する。車体はモジュール構造を用いて設計されており、顧客の要望に応じた様々な車体デザインに対応する事が出来る。車体幅は他のフレキシティよりも広い2,650 mm(8 ft 8 1/2 in)で、座席数の増加と通路の広さを両立させている。車内は段差が存在しない100 %低床構造となっており、冷暖房双方に対応した空調(HVAC)も完備されている[1][2][6][7]

台車はボンバルディアが100 %超低床電車向けに開発した"フレックス・アーバン3000(FLEXX Urban 3000)"が用いられる。これは小径車輪を用いる事で低床構造に対応した台車で、従来の高床式電車用台車と同様に車軸や2次サスペンション(軸ばね枕ばね)を有しており、騒音や振動の抑制に加えメンテナンスの容易さも図っている[注釈 1]。また、停車時に床上高さを下げる油圧式ニーリング機能にも対応している。主電動機は低床構造との干渉を防ぐため、横梁の外側に設置されている[2][11][12][13][14]

電気機器は北アメリカの使用条件への適合に加え、消費エネルギー量の削減やそれに伴う環境問題への対策を念頭に置いた設計(ECO4)が用いられている。その中で「MITRAC」は電力の回収が可能な回生ブレーキを用いる事で制動時に生じたエネルギーを屋根上に設置された充電池に保存するシステムで、従来の車両と比べて最大30 %のエネルギー量削減が実現出来る。また、充電池に貯めた電力で非電化区間(架線レス区間)でも走行可能なプリムーブ(PRIMOVE)システムにも対応する[12][15]

運用

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ウォータールー地域

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アイオン向け車両(2019年撮影)

カナダウォータールー地域のライトレールであるアイオン(ION)には、2019年6月21日の第一期路線開通に合わせて5車体連接車のフレキシティ・フリーダムが14両導入されている[4]

主要諸元
両数 編成 運転台 全長 全幅 定員 軌間 備考・参考
14両 5車体連接車 両運転台 30,200mm 2,650mm 280人 1,435mm [4]

トロント

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エグリントン線向け車両(2019年撮影)

エグリントン線(エグリントン・クロスタウンLRT、Eglinton Crosstown LRT)は、2021年9月からカナダトロントで営業運転を開始する予定のライトレール路線で、トロント市電1,495 mm)とは異なり標準軌(1,435 mm)で建設され、メトロリンクス英語版によって運営される。この計画に際し、2010年にボンバルディア・トランスポーテーションとメトロリンクスの間に5車体連接車のフレキシティ・フリーダムを導入する契約を交わした。これらの車両は片側にのみ運転台を有しており、営業運転時には2両編成で運行する[3][16]

当初の発注両数は182両(7億7,000万ドル)であったが、2016年にメトロリンクスは製造の遅れにより契約内容が守られておらず、契約の破棄も視野に入れている旨を発表し、ボンバルディア側もメトロリンクスによる再三の設計変更の要請がその原因であると反論した。裁判を経てメトロリンクスの契約破棄を認めない判決が下った後、2017年12月に契約内容の見直しが行われた。この影響で2015年に予定されていた試作車の製造は遅れ、見直し後の発注両数も76両(3億9,200万ドル)へと大幅に縮小した。これらの車両は2020年までに製造が完了する予定となっている[3][16]

主要諸元
両数 編成 運転台 最高速度 重量 全長 着席定員 定員 軌間 備考・参考
76両(予定) 5車体連接車 片運転台 88km/h 49.0t 32,000mm 64人 231人 1,435mm 営業運転時には2両編成で運行[3][16]

エドモントン

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完成後に展示されたバレーライン向け車両(2018年撮影)

カナダエドモントン市内を走るライトレール(エドモントンLRT)として2021年に第1期路線、2027年に第2期路線の営業運転が開始されるバレーライン英語版は、他の路線と異なり経済性などを考慮し低床式プラットホームが用いられる。それに伴い、バレーラインにはバリアフリーに適した7車体連接車のフレキシティ・フリーダムが投入される事になっており、第1期路線開通時には26両(1001 - 1026)が使用される予定である[5][17]

主要諸元
両数 編成 運転台 全長 着席定員 定員 軌間 備考・参考
26両(予定) 7車体連接車 両運転台 42,000mm 82人 275人 1,435mm [5][17]

関連項目

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脚注

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注釈

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  1. ^ ボンバルディア・トランスポーテーションは、100 %超低床電車で初めて車軸付き台車を採用した企業である。

出典

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  1. ^ a b c d FLEXITY Freedom”. Bombardier. 2015年9月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月26日閲覧。
  2. ^ a b c d e Freedom takes Flexity to the North American tram market”. RailwayGazette International (2011年10月4日). 2013年11月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月26日閲覧。
  3. ^ a b c d e f Ben Spurr (2018年10月30日). “First Eglinton Crosstown LRT vehicle to be ready in November, Bombardier says”. The Star. 2020年5月26日閲覧。
  4. ^ a b c d Waterloo (Canada) opens new light rail line”. Urban Transport Magazine (2019年6月21日). 2020年5月26日閲覧。
  5. ^ a b c d Jens Bernhardt (2020年2月10日). “First Test rides on the new light rail line in Edmonton”. Urban Transport Magazine. 2020年5月26日閲覧。
  6. ^ a b Bombardier 2011, p. 12.
  7. ^ a b Bombardier 2011, p. 13.
  8. ^ Bombardier 2011, p. 14.
  9. ^ Bombardier 2011, p. 2-3.
  10. ^ a b Bombardier 2011, p. 4.
  11. ^ Bombardier 2011, p. 6.
  12. ^ a b Bombardier 2011, p. 8.
  13. ^ Bombardier 2011, p. 10.
  14. ^ Bombardier 2011, p. 11.
  15. ^ Bombardier 2011, p. 9.
  16. ^ a b c d John Thompson (2018年8月10日). “Ontario transit update: Hamilton LRT, GO extension, Bombardier LRV assembly”. RailwayAge. 2020年5月26日閲覧。
  17. ^ a b John Thompson (2018年8月10日). “First Flexity low-floor in Edmonton”. RailwayAge. 2020年5月26日閲覧。

参考資料

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  • Bombardier Transportation (2011). FLEXITY Freedom (PDF) (Report). 2020年5月26日閲覧

外部リンク

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