ゲーン・マッサマン(タイ語: แกงมัสมั่น、kaeng matsaman/massaman)は、タイ王国に起源を持つゲーン(タイカレー)である。マッサマンカレーとも呼ばれる。ある説によると、アユタヤ王朝を16世紀に訪れたペルシアの使者や貿易商の影響を受け、タイ中部で生まれたとされる[1][2]。また別の説では、タイ南部を訪れたアラブ人の貿易商人が起源だとされる[3]。なお「マッサマン」という語は、「イスラム教徒達(の)」を意味するペルシャ語の مسلمان に由来するとされる[要出典]
イスラム教徒(ムスリム)から伝来したことから、イスラム教の食の規律(ハラール)に従い、主に鶏肉や牛肉、羊肉などで作られる。タイではチキンマッサマンカレーが多く食べられている。しかし、タイにおいても高級料理店では、鴨肉、豆腐、豚肉でも作られる。さらに、その他にも、ココナッツミルク、炒った落花生かカシューナッツ、ジャガイモ、人参、玉ねぎ、ローリエ、カルダモン、シナモン、八角、パームシュガー、エビの魚醤(シュリンプペースト)、唐辛子、タマリンドのソースが加えられる。ターメリック、シナモン、トウシキミ、クミン、クローブ、ナツメグなどのスパイスは、商人によってインドネシアからタイ南部に輸入された。米飯と時に付け合せとしてショウガのピクルスや、キュウリと唐辛子などを酢と砂糖に漬けたアーチャート(อาจาด)とともに食べられる。
2011年、CNNインターナショナルのCNNGoは、「世界で最も美味な料理ランキング50」(World's 50 most delicious foods.)で、マッサマンカレーを1位に選出した[4]。
20世紀の日本では知る人ぞ知る料理で、本場の料理人がいるタイ料理店でさえもなかなか口にすることができなかったが、2000年代になるとタイで製造した缶詰やレトルト食品が輸入され、一部のスーパーマーケット、輸入食品店等で購入が可能となったほか、カレー専門店でも提供する例が現れた。2021年2月2日には牛めしチェーン店の松屋フーズが期間限定メニューとして全国的に提供を始め、日本各地で気軽に食べられる料理となった。他のタイ料理と比べて唐辛子などの辛いスパイスを控え、ココナッツミルクなどマイルドな風味が加えられているため食べやすい甘口の味となっていることが多い。
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