ミケーレ・マーリ(Michele Mari, 1955年12月26日 ー )は、イタリアのミラノ生まれの作家、翻訳家。
父はグラフィック・デザイナーのエンゾ・マーリ、母はデザイナー、絵本作家のイエラ(ガブリエッラ)・マーリ。幼少の頃から物語や絵画の創作に強い関心を示す。ミラノ大学文学部でイタリア文学の教授を務めながら、伝統文学のパスティーシュやゴシック小説のパロディを特徴とした小説を執筆。
物語作品として、デビュー作『獣から獣』(1989年)、『船倉と深淵』(1992年)、『エッフェル塔のすべての鉄骨』(2002年)、『緑青』(2007年)、『ロッソ・フロイド』(2010年)、『ロデリック・ダドル』(2014年)といった長篇小説に加えて、短篇集『エウリディーチェは犬を飼っていた』(1993年)、『血塗られた幼少期よ』(1997年)、『ファンタズマゴニア』(2012年)などが知られている。二冊の詩集『レディホークの恋愛詩百編』(2007年)、『地下聖堂から』(2019年)、および『悪魔とパイ生地』(2004年)をはじめとする数冊の評論集のほかに、ロバート・L・スティーブンスンの『宝島』(2012年)、ジャック・ロンドン『野性の呼び声』(2015年)、ジョン・スタインベック『ハツカネズミと人間』(2016年)、H・G・ウェルズ『タイム・マシン』(2017年)など英米小説の翻訳も手掛けている。
短編「お母さんの家族」、「虹彩と真珠母」は、アンソロジー「どこか、安心できる場所で 新しいイタリアの文学」(国書刊行会, 2019年10月刊)[1] に所収されている。