ヤツガタケムグラ

ヤツガタケムグラ
長野県八ヶ岳 2022年8月上旬
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : キク上類 Superasterids
階級なし : キク類 Asterids
階級なし : シソ類 Lamiids
: リンドウ目 Boraginales
: アカネ科 Rubiaceae
亜科 : アカネ亜科 Rubioideae
: ヤエムグラ属 Galium
: ヤツガタケムグラ G. triflorum
学名
Galium triflorum Michx. (1803)[1]
和名
ヤツガタケムグラ(八ガ岳葎)[2]

ヤツガタケムグラ(八ガ岳葎、学名Galium triflorum)は、アカネ科アカネ亜科ヤエムグラ属多年草[2][3][4]

特徴

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は下部では横に広がり、上部は斜上して、長さは20-40(-60)cmになる。茎は4稜があって、稜上には下向きの刺がある。はふつう6個が輪生し、葉身は長さ1-3cm、狭長楕円形で、先端はやや白い刺状になり、裏面の中央葉脈に下向きの鉤状毛がまばらに生える[2][3][4]

花期は7月。茎の先端および上部の葉腋から、葉の同じ長さか葉よりやや長い花序を出し、3個前後の小さなをつける。には先が曲がった長毛が生える。花冠は径2mm、緑白色で先は4裂する。雄蕊は4個あり、子房は2室に分かれ、各室に1個の胚珠がある。果実は径1-1.5mm、2個の分果からなり、各分果に1個の種子がある。分果には白く先が鉤状に曲がった長毛が密に生える[2][3][4]

分布と生育環境

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日本では、本州の中部地方の八ヶ岳と南千島・北海道に分布し、深山の林中にごくまれに見られる[3]。2015年には、群馬県の「利根沼田地域」で生育が確認された[5]。世界では、ヨーロッパ、アメリカの温帯北部から亜寒帯に広く分布する[3]

名前の由来

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和名ヤツガタケムグラは「八ガ岳葎」の意[2]。1907年(明治40年)8月に八ヶ岳中腹において植物講習会が開催された際に、牧野富太郎によって採集された Galium triflorum Michx. (1803) に、牧野が「やつがだけむぐら」の和名をつけた[6]。ムグラ(葎)は、草むら、藪の意味がある[7]

種小名(種形容語)triflorum は、「三花の」の意味[8]

種の保全状況評価

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都道府県のレッドデータ、レッドリストの選定状況は次の通り[9]。群馬県-絶滅危惧IA類(CR)、長野県-絶滅危惧II類(VU)

ギャラリー

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脚注

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  1. ^ ヤツガタケムグラ「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  2. ^ a b c d e 『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』p.389
  3. ^ a b c d e 内貴章世 (2017)「アカネ科」『改訂新版 日本の野生植物 4』p.274
  4. ^ a b c 井上健 (2015)「ヤツガタケムグラ」『絶滅危惧植物図鑑 レッドデータプランツ 増補改訂新版』p.157
  5. ^ 「群馬県の絶滅のおそれのある野生生物 植物編(2022年改訂版)」p.134、群馬県立自然史博物館
  6. ^ 牧野富太郎、「やつがだけむぐら(新稱)」, The botanical magazine 『植物学雑誌』Vol.21, No.249, p.284, (1907). -「予ハやへむぐら属ノ一種ヲ同山(八ヶ岳)ニ採ル。是レ亦我『フロラ』ニ対シテハ一ノ新品ニシテやつがだけむぐらノ和名ハ亦其始メテノ採集地ノ紀念トシテ之ニ命ジタリ。即チ Galium triflorum Michx. ニシテ北米ニモ亦之ヲ産セリ。従来此学名ニテ呼ビタル品ハ皆他ノモノナリシガ予ハ始メテ此ニ其真品ヲ得ルニ至リ」
  7. ^ 『山溪名前図鑑 野草の名前 春』pp.324-325
  8. ^ 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1517
  9. ^ ヤツガタケムグラ、日本のレッドデータ検索システム、2022年8月14日閲覧

参考文献

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