ロイ・バッド Roy Budd | |
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出生名 | Roy Frederick Budd |
生誕 |
1947年3月14日 イングランド・サリー州ミッチャム |
死没 | 1993年8月7日(46歳没) |
ジャンル | 映画音楽、ジャズ |
職業 | 作曲家、ピアニスト |
担当楽器 | ピアノ、オルガン、ハープシコード |
活動期間 | 1965年 - 1993年 |
レーベル | キャッスル、MCAレコード |
共同作業者 | ロイ・バッド・トリオ |
ロイ・バッド(Roy Budd、1947年3月14日 - 1993年8月7日)は、イギリスの作曲家、ジャズ・ピアニスト。特に1970年代の映画音楽の作曲で知られる。
幼少時は神童と呼ばれ、6歳でロンドン・コロシアム・シアターでデビュー。12歳でロンドン・パラディウムのオルガン奏者としてテレビ出演するなど、鍵盤楽器に天才的な演奏能力を発揮した。プロになるため16歳で学校をやめ、自らのジャズ・トリオ「ロイ・バッド・トリオ」を結成。アルバム『ロイ・バッド』(1965年)をリリース。『メロディ・メーカー』誌でジャズ部門の新人賞を獲得[1]。以降、英ジャズ・ピアニストの人気投票上位を獲得し続け、ロンドンの有名ジャズ・クラブ「ブルズ・ヘッド」[2]の専属ピアニストとしても演奏した。この時期の代表作『Pick Yourself Up!!! This is Roy Budd』(1967年)においては、ジャズ・トリオの演奏のみならず、オーケストラを使った演奏もみせている。
1967年から、TVドラマの音楽も担当するようになり、1970年、イギリスの作曲家を探していたラルフ・ネルソン監督によって映画『ソルジャー・ブルー』の音楽担当として起用される[3]。バッドの書いたスコアはロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団によって演奏された。続くマイク・ホッジス監督、マイケル・ケイン主演のイギリス映画『狙撃者』(1971年)での、シンプルなジャズ・トリオによるクールな演奏は高い評価を得るところとなり、この2作によりバッドは映画音楽家として認められ、本格的に映画音楽家として活動するようになる。
こうしてバッドは1970年代を通して、多忙な映画音楽家のひとりとなる。その後、『爆走!』(1971年)、『殺しのカルテ』(1971年)、『シンジケート』(1973年)、『ワイルド・ギース』(1978年)など、犯罪・アクション映画を中心に映画音楽を担当した。バッドは1970年代に25本、生涯で32本の映画音楽を手がけた[4]。また、この間、映画音楽以外にも『ザ・サンドバッガーズ』(1978年 - 1980年)など、TVドラマ用のスコアも手がけている。
『狙撃者』のタイトル音楽は映画音楽の名作のひとつとなったが、10年におよぶバッドの映画音楽での仕事は、華やかな評価には恵まれなかった。映画音楽家としての活動はしだいに少なくなり、1970年代にも引き続き活動していた「ロイ・バッド・トリオ」など、再びジャズ界に主な活動を戻していった。しかし、並行して「スタートレック組曲」、「スターウォーズ・トリロジー」などの有名映画の再演や、スタンダード・ポップスのオーケストレーションなど、幅広いジャンルのレコーディングも行った。
1993年、サイレント映画『オペラ座の怪人』(1925年)のための交響曲のスコアの創作途中に、脳梗塞により死去した。
天才肌のミュージシャンで、ジャズ畑出身でありながら、ファンクと壮大なオーケストレーションの融合や、インドや南米のリズムを取り入れるなど、ユニークな音楽的アプローチを得意とした[5]。映画音楽においては、曲中に音楽的ルーツであるジャズ的なテイストを盛り込んだ。バッドは同じくジャズ・ピアニスト出身のジョン・ウィリアムズやラロ・シフリンを好み、彼らもこういった手法を使っている[6]。オーケストラ演奏の中にポップス、ロック的アレンジを加えるスタイルも多く、これは同様にバッドが好んだジェリー・ゴールドスミス[3]やクインシー・ジョーンズからの影響によるものである[6]。
年 | 邦題 | 原題 | 監督 | 主演 |
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1970 | ソルジャー・ブルー | Soldier Blue | ラルフ・ネルソン | キャンディス・バーゲン |
1971 | 狙撃者 | Get Carter | マイク・ホッジス | マイケル・ケイン |
小さな冒険者 | Flight of the Doves | ラルフ・ネルソン | ジャック・ワイルド | |
ツェッペリン | Zeppelin | エティエンヌ・ペリエ | マイケル・ヨーク | |
マーベリックの黄金 | Catlow | サム・ワナメーカー | ユル・ブリンナー | |
1972 | 爆走! | Fear Is the Key | マイケル・タクナー | バリー・ニューマン |
殺しのカルテ | The Carey Treatment | ブレイク・エドワーズ | ジェームズ・コバーン | |
1973 | シンジケート | The Stone Killer | マイケル・ウィナー | チャールズ・ブロンソン |
1974 | マルセイユ特急 | The Marseille Contract | ロバート・パリッシュ | アンソニー・クイン |
1975 | 太陽にかける橋/ ペーパー・タイガー |
Paper Tiger | ケン・アナキン | デヴィッド・ニーヴン、 三船敏郎 |
1977 | シンドバッド虎の目大冒険 | Sinbad and the Eye of the Tiger | サム・ワナメイカー | パトリック・ウェイン |
1978 | ワイルド・ギース | Wild Geese | アンドリュー・マクラグレン | リチャード・バートン |
1980 | シーウルフ | The Sea Wolves | アンドリュー・マクラグレン | グレゴリー・ペック |
1982 | ファイナル・オプション | Who Dares Wins | イアン・シャープ | ルイス・コリンズ |
1985 | ワイルド・ギースII | Wild Geese II | ピーター・R・ハント | スコット・グレン |