上田 岳弘(うえだ たかひろ、1979年2月26日 - )は日本の小説家。
兵庫県明石市出身。兵庫県立明石西高等学校を経て[1]、早稲田大学法学部卒業[2]。大学卒業後、法人向けソリューションメーカーの立ち上げに参加し、その後役員となる[3]。
2013年、「太陽」で第45回新潮新人賞を受賞しデビュー[4]。
2015年、第28回三島由紀夫賞において「私の恋人」が又吉直樹『火花』を一票差で破って受賞する[5]。
朝日新聞紙上での松浦寿輝と鴻巣友季子との対談「ノーベル賞を語り合う」において、両氏が上田の名前を挙げ、中でも松浦は「卑近な現実から離陸して、観念の高みまで想像力を飛ばそうという意気込みが感じられ」るとし、その作風を評し「新超越派と名付けた」ことを明かした[6]。
2016年、国際文芸誌〈Granta〉日本語版にて「Best of Young Japanese Novelists 2016」に選出される[7][8]。
2017年、小説「キュー」を、雑誌「新潮」とYahoo! JAPANスマートフォン向けサイトで同時連載開始[9][10]。
2018年、「塔と重力」を原作とするオフィス3〇〇の舞台『肉の海』が上演される[11]。
2019年、「ニムロッド」で第160回芥川賞を受賞。
2023年6月、日本SF作家クラブ会員となる[12]。
- 『太陽・惑星』(新潮社、2014年11月 / 新潮文庫、2022年2月)
- 太陽 - 『新潮』2013年11月号
- 惑星 - 『新潮』2014年8月号
- 『私の恋人』(新潮社、2015年6月 / 新潮文庫、2018年1月)
- 『異郷の友人』(新潮社、2016年1月)
- 『塔と重力』(新潮社、2017年7月)
- 塔と重力 - 『新潮』2017年1月号
- 重力のない世界 - 『GRANTA JAPAN with 早稲田文学03』[8]
- 双塔 - 『新潮』2016年1月号
- 『ニムロッド』(講談社、2019年1月 / 講談社文庫、2021年2月)
- 『キュー』(新潮社、2019年5月)
- キュー - 『新潮』2017年10月号 - 2018年6月号 / Yahoo! JAPAN 2017年9月7日 - 2018年5月31日[9][10]
- 『旅のない』(講談社、2021年9月 / 講談社文庫、2024年4月)
- 悪口 - 『群像』2020年8月号
- つくつく法師 - 『群像』2020年11月号
- ボーイズ - 『群像』2021年2月号
- 旅のない - 『群像』2021年5月号
- 『引力の欠落』(KADOKAWA、2022年3月)
- 『最愛の』(集英社、2023年9月)
- 最愛の - 『すばる』2021年2月号 - 2023年4月号
- 『K+ICO』(文藝春秋、2024年2月)
- K - 『文學界』2021年1月号
- ICO - 『文學界』2022年7月号
- K+k - 『文學界』2022年12月号
- K+ICO - 『文學界』2023年4月号
- 『多頭獣の話』(講談社、2024年8月)
- 「多頭獣の話」 - 『群像』2022年10月号 - 2024年2月号
- 「重力のない世界」 - 『文学2017』(講談社、2017年4月)
- 初出:『GRANTA JAPAN with 早稲田文学03』
- 「修羅と」 - 『kaze no tanbun 特別ではない一日』(柏書房、2019年10月)
- 「最初の恋」 - 『中国・SF・革命』(河出書房新社、2020年8月)
- 「下品な男」 - 『文学2021』(講談社、2021年5月)
- 『パンデミック日記』(新潮社、2021年6月)
- 初出:『新潮』2021年3月号「創る人52人の「2020コロナ禍」日記リレー」
- 「メタ・メタバース」 - 『ベスト・エッセイ2023』(光村図書出版、2023年6月)
- 「睡余——『草枕』に寄せて」 - 『文藝別冊 夏目漱石:百年後に逢いましょう』(2016年6月)
- 「かつての魔王」 - 『ランバーロール』0号(2017年2月)
- 「愛してるって言ったじゃん?」 - 『すばる』2018年1月号
- 「最後の恋」 - 『群像』2020年1月号
- 「アマビエ」 - 『文學界』2021年2月号
- 「片翅の蝶」 - 『新潮』2021年9月号
- 「Robots」 - 『群像』2021年10月号
- 「Automata」 - 『群像』2021年11月号
- 「Clowns」 - 『群像』2021年12月号
- 「声」 - 『文學界』2022年9月号
- 「You don’t know what love is.」 - 『文學界』2022年11月号
- 「浮動」 - 『毎日新聞』朝刊2024年5月14日から連載中
- 「関係のないこと」 - 『新潮』2024年7月号
- 「トキシック・フライデー」 - 『すばる』2024年10月号
- 「領土拡張の要請」(ミシェル・ウエルベック『地図と領土』書評) - 『新潮』2014年2月号
- 「泡」 - 『すばる』2014年2月号
- 「時として、実感は」 - 『文學界』2014年5月号
- 「G・ガルシア=マルケス追悼文:惑星の孤独」 - 『早稲田文学8』
- 「花は咲いたのか?」 - 『群像』2014年10月号
- 「温泉、ミッチー、安易な癒し」 - 『すばる』2016年7月号
- 「「僕」も「私」もやれやれできない 村上春樹『騎士団長殺し』を読む」 - 『新潮』2017年5月号
- 「東アジア文学フォーラム報告 それぞれに、何かに」 - 『文学界』2019年1月号
- 「受賞後のあれこれ 第160回芥川賞 ニムロッド」[16] - 『本』2019年4月号
- 「人称をめぐる冒険殺し」 - 『文學界』2019年12月号
- 「逆張りする私の履歴書」 - 『文藝春秋』2020年6月号
- 「ブリーディング・エッジな言語運用 トマス・ピンチョン『ブリーディング・エッジ』を読む」 - 『新潮』2021年6月号
- 「どかーん」 - 『文學界』2022年1月号
- 「書く人へ」 - 『文學界』2022年8月号
- 「村上春樹『街とその不確かな壁』を読む 継承とリライト」 - 『文學界』2023年6月号
- 「テロと戦時下の2022-2023日記リレー」 - 『新潮』2023年9月号
- 「十年一昔、十年一日」 - 『文藝春秋』2023年11月号
- 「Kについて」 - 『現代思想』2024年1月臨時増刊号
- 「身体を記す 報酬系との戯れ」 - 『文學界』2024年7月号
- 「固有の因果」 - 『新潮』2024年8月号
- 「本の名刺 多頭獣の話」 - 『群像』2024年9月号
- 舞台
- 『肉の海』(原作「塔と重力」)(2018年6月に本多劇場にて上演、脚本・演出:渡辺えり、出演:尾美としのり、屋比久知奈、ほか)
- 『私の恋人』(2019年8月 - 9月に本多劇場他にて上演、脚本・演出:渡辺えり、出演:小日向文世、のん、渡辺えり、ほか)
- 『2020』(2022年7月 - 8月にPARCO劇場他にて上演、脚本:上田岳弘、演出:白井晃、出演:高橋一生、ダンサー:橋本ロマンス)
- ^ “芥川賞受賞の上田岳弘さん「震災は死に一番近づいた瞬間」”. 神戸新聞NEXT. (2019年1月16日). https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201901/0011984918.shtml 2019年1月17日閲覧。
- ^ “インタビュー : 「予知や予言、文学の使命」 『太陽・惑星』の上田岳弘さん”. BOOK.asahi.com. 朝日新聞社 (2015年1月6日). 2018年3月7日閲覧。
- ^ “上田岳弘(作家)×平本正宏 対談 喜びと悲しみの表現面積”. TeknaTokyo (2014年6月30日). 2018年3月7日閲覧。
- ^ “【第45回新潮新人賞 受賞者インタビュー】小説でどこまで遠くに飛べるか/上田岳弘”. 立ち読み|新潮. 新潮社 (2013年11月). 2013年11月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年3月7日閲覧。
- ^ “【関西の議論】ピース又吉、芥川賞候補の前代未聞 「まっとうな職業小説」が良かった!? 春樹超えなるか”. 産経WEST (産経デジタル). (2015年6月26日). https://www.sankei.com/article/20150626-RL5DCSSIERMEHKRBLPGX5PL4QI/ 2018年3月7日閲覧。
- ^ “本の記事 : ノーベル賞を語り合う 松浦寿輝さんと鴻巣友季子さん”. BOOK.asahi.com. 朝日新聞社 (2016年10月19日). 2018年3月7日閲覧。
- ^ a b “ついに発表!ノーベル賞作家や村上春樹も登場する世界的文芸誌・日本版が選ぶ「日本の若手作家ベスト11」”. NOSH (TBSテレビ). (2016年3月26日). https://nosh.media/archives/117973 2018年3月7日閲覧。
- ^ a b c “「GRANTA JAPAN with 早稲田文学」”. 早稲田文学. 2018年3月7日閲覧。
- ^ a b “上田岳弘の長編『キュー』を読む”. Yahoo! JAPAN. 2018年3月7日閲覧。
- ^ a b “新潮×Yahoo! JAPAN共同企画「キュー」上田岳弘”. News Headlines. 新潮社. 2018年3月7日閲覧。
- ^ “渡辺えり率いるオフィス3○○、40周年記念公演まもなく開幕” (日本語). 朝日新聞デジタル&M(アンド・エム). https://www.asahi.com/and_M/interest/entertainment/Cpia201806060002.html 2018年6月19日閲覧。
- ^ SFWJのツイート
- ^ “『太陽・惑星』著者 上田岳弘さん bestseller's interview 第64回”. 新刊JP. 株式会社オトバンク. 2018年3月7日閲覧。
- ^ “ピース又吉受賞ならず! 第28回三島由紀夫賞は上田岳弘『私の恋人』に決定”. ダ・ヴィンチニュース (KADOKAWA). (2015年5月14日). https://ddnavi.com/news/239295/a/ 2018年3月7日閲覧。
- ^ “石川さゆりさんら大臣賞=新人賞は菅田将暉さんら-芸術選奨”. 時事ドットコム (時事通信社). (2018年3月7日). https://web.archive.org/web/20180307110412/https://www.jiji.com/jc/article?k=2018030700951&g=soc 2018年3月7日閲覧。
- ^ “作家には「流されていくとこうなる」に反抗する使命がある(上田 岳弘)”. 講談社 (2019年3月26日). 2024年2月12日閲覧。
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1980年代 | |
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1990年代 |
- 第3回 久間十義 『世紀末鯨鯢記』
- 第4回 佐伯一麦 『ア・ルース・ボーイ』
- 第5回 該当作品なし
- 第6回 車谷長吉 『塩壺の匙』 / 福田和也 『日本の家郷』
- 第7回 笙野頼子 『二百回忌』
- 第8回 山本昌代 『緑色の濁ったお茶あるいは幸福の散歩道』
- 第9回 松浦寿輝 『折口信夫論』
- 第10回 樋口覚 『三絃の誘惑 近代日本精神史覚え書』
- 第11回 小林恭二 『カブキの日』
- 第12回 鈴木清剛 『ロックンロールミシン』 / 堀江敏幸 『おぱらばん』
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2020年代 | |
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1930年代 - 1950年代(第1回 - 第42回) |
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1930年代 | |
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1940年代 | |
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1950年代 | |
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1960年代 - 1970年代(第43回 - 第82回) |
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1980年代 - 1990年代(第83回 - 第122回) |
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1980年代 |
- 第83回 該当作品なし
- 第84回 尾辻克彦「父が消えた」
- 第85回 吉行理恵「小さな貴婦人」
- 第86回 該当作品なし
- 第87回 該当作品なし
- 第88回 加藤幸子 「夢の壁」/ 唐十郎「佐川君からの手紙」
- 第89回 該当作品なし
- 第90回 笠原淳「杢二の世界」、高樹のぶ子「光抱く友よ」
- 第91回 該当作品なし
- 第92回 木崎さと子「青桐」
- 第93回 該当作品なし
- 第94回 米谷ふみ子「過越しの祭」
- 第95回 該当作品なし
- 第96回 該当作品なし
- 第97回 村田喜代子「鍋の中」
- 第98回 池澤夏樹「スティル・ライフ」/ 三浦清宏「長男の出家」
- 第99回 新井満 「尋ね人の時間」
- 第100回 南木佳士「ダイヤモンドダスト」/ 李良枝「由煕」
- 第101回 該当作品なし
- 第102回 大岡玲「表層生活」/瀧澤美恵子「ネコババのいる町で」
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2000年代 - 2010年代(第123回 - 第162回) |
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2020年代 - 2030年代(第163回 - ) |
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