笹野 高史(ささの たかし、1948年6月22日[2][3] - )は日本の俳優、タレント。自由劇場に所属した後、現在はグランパパプロダクション所属[2]。特技はトランペット[4]。身長167cm、体重57kg。
兵庫県出身[2]。兵庫県立洲本高等学校卒業、日本大学芸術学部中退。
淡路島の造り酒屋「東洋長[5]」に四男として誕生。裕福な家に育ったが[6]、3歳の時に父を、11歳の時に母を相次ぎ亡くした[7]。
兵庫県立洲本高等学校卒業。高校生時代は演劇部ではなく、陸上競技部と音楽部に入っていた。そこそこ足が速かったとのことで、陸上部では100メートル競走、200メートル競走の短距離や走幅跳を専門としていた。中学生時代は野球部に所属していた[8]。しかし小さいころから腎臓と肝臓が弱く、陸上の練習中に血尿が出る事態にまでなり、最終的にはドクターストップが掛かって陸上競技は辞めてしまう[9]。一方、音楽部ではテナーサックスをやっていた。音楽部でのパフォーマンスが目に留まって演劇部から誘われ、文化祭での劇に出たこともあった[9]。
日本大学芸術学部映画学科を受験する時は、俳優コースにしたかったが「馬鹿にされそうだから」と監督コースに丸を付けて願書を提出した[9]。同大学に入学し、在学中の1968年に自由劇場にスタッフとして入団する。大学は約1年半で中退。兄の知り合いの伝で船会社に就職し船員になったが[10]、元々の夢である俳優を諦めきれず、船内のテレビで東大安田講堂事件のニュースを視たのを機に自由劇場主宰の串田和美に連絡して俳優復帰の了承を得て、1972年に『ヴォイツェク』で初舞台を踏み、俳優活動を開始[11][2]。1979年の舞台『上海バンスキング』のバクマツ役で注目された。1982年には同劇場を退団するが、舞台には座友として参加する。
『コクーン歌舞伎』、『平成中村座』などにも出演し、「夏祭浪花鑑」長町裏の場、通称「泥場」での悪役、義兵次、『隅田川続俤』通称「法界坊」などに出演する。自らの出身地にちなんで淡路屋の屋号を持つことで知られる。歌舞伎出演の記者会見では「民間からの参加です」と言っている。新派にも水谷八重子、波乃久里子の相手役で参加することが多い。
映画デビュー作は1983年公開の『ふしぎな國 日本』(松林宗恵監督)[12][2]。1985年の『男はつらいよ 柴又より愛をこめて』以来、山田洋次監督作品の常連者となる[2]。2007年には山田監督の『武士の一分』で第30回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞をはじめ数々の賞を受賞した。
長らく独身であったが、42歳にして17歳年下の劇団研究生の絹代と結婚した。2000年代に入るとバラエティ番組にも出演するようになり、年の差結婚と年の離れた4人の息子たちがトーク番組でよくネタにされた。息子は全員が俳優として活躍している。三男とその妻との間に男子が生まれ、笹野としては初孫ができた[13]。
2014年、映画『グレイトフルデッド』で、瀧内公美と共に主演を果たした[14]。
2015年には『手裏剣戦隊ニンニンジャー』で、久々の特撮レギュラーにキャスティングされる[2]。翌2016年の第45話では「アカニンジャー」に変身し、戦隊歴代シリーズ作品において最年長変身者となった[15][2]。また、長男の翔太は同作で自身の青年期の役として出演した[16]。
- 男4人兄弟の末っ子であり、男4人兄弟の父親でもある。
- コミカル、シリアス、真面目、堅物と、どのような役柄でも独特の味わいを見せる。山田洋次監督作品の常連でもあり、時代劇には欠かせない存在となっている。原則として来る仕事を拒まない[2]。また、俳優・渥美清に自身の演技スタイルを後押しされたことからワンシーン役者を自称するようになった[17][18]。
- 「どんな役にもカッコよさがある」ことを物事に取り組む姿勢としており、台詞の裏に隠された役の深みを知るために、台本の余白部分には担当役の履歴書を自分なりに書き込んでいる。
- かつてキャンディーズの解散公演で大道具を担当した過去があり、三幸製菓(新潟市)の新CM発表会(2010年1月12日)では、共演した田中好子について「最初は(田中と)目が合わせられなかったが、仲良く話せるようになってうれしい」と語っている[19]。
- 柄本明や佐藤B作とは自由劇場時代からの40年来の親友。柄本とはともに「男はつらいよシリーズ」、「釣りバカ日誌シリーズ」で何度も共演、B作とも互いをテレビカメラの前で遠慮会釈なしに揶揄()し合いこき下ろせるほどで、誰かがバラエティに出演した際に他方の愚痴をこぼし合える、気の置けない仲間である[20]。
- 芸能関係者とプライベートの交流をほとんど持とうとしなかった渥美清と親交の深かった、数少ない芸能人である。柄本明を加えた3人で連れ立って芝居を見に行ったり、バーに飲みに行くこともあった。山田洋次に対して最初に笹野を紹介したのも渥美で、それを笹野が知ったのは渥美が死去した際であった。笹野は現在も、渥美が心を開いた数少ない人間であったことを誇りにしている[21]。
- 愛車は黄色のポルシェ・911である[22][出典無効][23]。当初はシルバーを買う予定だったが、木村拓哉のアドバイスで黄色にしたとのこと。
- 『重甲ビーファイター』出演時は、子供が視聴者世代だったため、子供たちに喜んでもらうべく出演した[2]。『手裏剣戦隊ニンニンジャー』では、既に子供らも成人しており、笹野自身1年間務めきれるか不安もあったが、家族から背中を押され出演を決めた[2]。
- 『ニンニンジャー』では経験の浅い俳優が主演を務めていたが、自身が周囲からダメ出しをされて混乱した経験から直接的な助言は行わず、成長を見守り、自身の演技を通して俳優としてのあり方を伝えたかったと述べている[2]。同作品で共演した多和田秀弥は、「芝居なんてそんなにすぐには上手くならない」と言われたことが心に残っており、笹野の経験に基づいた言葉の重みを感じたことを述べている[24]。また、スーツアクターの蜂須賀祐一は、第32話で自身が演じる十六夜九衛門と笹野演じる伊賀崎好天が川の中で対決するシーンの撮影で、笹野は自身が映らないにもかかわらず目線を合わせるために川の中に入って立ち会い水しぶきを浴びながらの撮影を繰り返したり、蜂須賀を川から上げるよう先に撮影させたりするなどしていた様を見て、撮影に対する姿勢に見習うところが多かったと述べている[25]。
- 『ニンニンジャー』などで共演した矢柴俊博に対しては注目している好きな俳優の1人に挙げており、自身の趣味に合う良い芝居をすると評している[2]。一方で、矢柴も笹野を理想的な形で俳優活動をしている人物に挙げており、『ニンニンジャー』への出演も笹野と共演できることに魅力を感じたことを理由としている[26]。
- 静かなるドン1 - 4・6 - 12(1991年 - 2011年) - 川西部長
- 『本日も休診』(2021年11月12日~28日/明治座)- 茶畠巡査役
- 重甲ビーファイター ビーコマンダー COMPLETE EDITION(2022年6月)
- 『待機晩成 日本一の脇役が語る人生の美学』(2008年、ぴあ)
- ^ 本作のみ前原運転手ではなくナレーションとしての出演。
- ^ 『u&i』のジローはかせの双子の兄。
- ^ 『JAPANGLE』のアロー教授の双子の弟。
- ^ 頭の部分のみ。体は合戸孝二と合成。
- ^ 笹野の2014年2月21日のツイートにて、2018年5月4日閲覧。
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- ^ 岩浅憲史 (2015年3月19日). “役を呼び寄せた愛器「トランペット」…笹野高史さん”. 読売新聞. オリジナルの2015年5月7日時点におけるアーカイブ。. https://archive.is/0APIV 2015年5月7日閲覧。
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- ^ 50年来の友人・笹野高史が暴露!佐藤B作が、女性にモテモテだった話 - ライブドアニュース
- ^ 2015年4月2日 スポーツニッポン 芸能面「わがみち 笹野高史」(第2回)
- ^ 2015年4月5日 スポーツニッポン 芸能面「わがみち 笹野高史」(第5回)
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※2017年度は授賞式中止
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