胃洗浄(いせんじょう)とは、人体に有害な物質を誤食・誤飲したとき、水や生理的食塩水などの洗浄液と胃管を用いて、毒物のさらなる吸収を防ぐ手段である。活性炭などの吸着剤や催吐剤が併用される場合もある。また、内視鏡検査の前にも行われることがある[要出典]。
胃洗浄の有効性は、摂取した物の毒性、摂取してから胃洗浄を行うまでの時間、摂取量、摂取した物質の吸収速度などに左右される[1]。なかでも時間経過が最も重要な因子であり、1時間を過ぎると回収率はかなり低下する[1][2]。
1997年以降、胃洗浄の適応が大きく絞られた[2][3]。胃洗浄が適応となるのは、①毒物を経口的に摂取して大量服毒の疑いがある、②毒性の高い物質である、③胃内に多く残留していると推定できるという3条件を満たす場合である[1]。一方で、抗コリン作用を持つ薬やサリチル酸を含む薬(アスピリンなど)や三環系抗うつ薬は、腸の蠕動を抑制するために腸に送られるのが妨げられるため、胃洗浄を実施する場合がある[4]。