Tin(II) bromide | |
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別称 tin dibromide, stannous bromide | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 10031-24-0 |
PubChem | 66224 |
ChemSpider | 59609 |
UNII | 55F23H2K96 |
EC番号 | 233-087-0 |
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特性 | |
化学式 | SnBr2 |
モル質量 | 278.518 g/mol |
外観 | 黄色粉末 |
密度 | 5.12 g/cm3, solid |
融点 |
215 °C, 488 K, 419 °F |
沸点 |
639 °C, 912 K, 1182 °F |
構造 | |
結晶構造 | PbCl2と関連 |
危険性 | |
EU分類 | not listed |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
臭化スズ(II)(Tin(II) bromide)は、スズと臭素からなる化学式SnBr2の化合物である。スズの酸化状態は、+2である。この酸化状態のスズ化合物の安定性は、不活性電子対効果のためである[1]。
気相の臭化スズ(II)は、気相の塩化スズ(II)と似た非線形の屈曲型である。Br-Sn-Br角は95°、Sn-Br結合の長さは255 pmである[2]。気相では、二量化しているという証拠がある[3]。固相の構造は、塩化スズ(II)や塩化鉛(II)と似て、スズ原子がおおよそ三方両錐形分子構造で、5つの臭素原子と隣り合っている[4]。
金属スズと臭化水素を反応させてH2O/HBrで蒸留し、冷却することで得られる[5]。
しかし、酸素の存在下では、臭化スズ(IV)ができる。
アセトン、ピリジン、ジメチルスルホキシド等の供与性溶媒に溶け、三角錐型の付加物を生成する[5]。
2SnBr2・H2O、3SnBr2・H2O、6SnBr2・5H2O等の多くの水和物が知られており、固相では、スズ原子に歪んだ三角錐型の6つの臭素原子が配位しており、1つか2つの面は臭素原子または水分子で覆われている[1]。臭化水素に溶けると、錐型のSnBr3-イオンが形成する[1]。また、塩化スズ(II)と同様、還元剤である。 様々な臭化アルキルの酸化付加反応が生じ、三臭化アルキルスズが生じる[6]。例えば、
また、臭化スズ(II)はルイス酸として働き、供与基分子との付加物を作る。例えば、トリメチルアミンと反応して、NMe3・SnBr2や2NMe3・SnBr2を形成する[7]。
また、供与基と受容基の両方として働くこともある。例えば、錯体F3B・SnBr2・NMe3中では、三フッ化臭素に対して供与基、トリメチルアミンに対して受容基として働く[8]。