螭吻(ちふん)(拼音:Chīwěn)は、中国古代建築の部品で、竜生九子の一つ。
姿は「獣に似ている」とだけ書かれ、古来はハイタカの尾を持つとされたようだが、唐代には魚の姿になった。鯨に似ているともされるが、確定したイメージは無い。『螭』の字は『竜の子』、『竜のメス』、『伝説上の猛獣の一種。虎に似て鱗がある。』、『蛟』(みずち)という意味がある。『鴟』にはトビやミミズク、酒器の意がある[1]。
後漢以降、大棟の両端を強く反り上げる建築様式が見られ、3世紀から5世紀頃に鴟尾となったと考えられている。唐代末には鴟尾は魚や鯨の形となった模様である。なぜなら伝承では螭吻は遠くを望む事を好み、何かを咥える事が好きだとされることから、建物の屋上の屋根の大棟の隅を咥え、動かないようにと剣で突き刺されて屋根に固定される造形物が流行したのである。
水を大量に口に含んでいるともされ、日本における鯱の原型だといわれている。