1981年のJSL

1981年JSL(第17回日本サッカーリーグ1部および第10回日本サッカーリーグ2部)は、1部が1981年昭和56年)4月5日から11月22日まで、2部が4月5日から11月15日まで行われた。

優勝は、1部がフジタ工業クラブサッカー部、2部が日本鋼管サッカー部であった。

ヤンマーディーゼル所属の釜本邦茂がリーグ通算200得点を達成した。11月11日神戸中央球技場で行われた本田技研戦の前半34分、楚輪博のアシストから強烈な左足シュートを決めて得点。入部から15年目の快挙となった。

JSL1部

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日本サッカーリーグ(JSL)1部
シーズン 1981(第17回)
優勝 フジタ工業
降格 新日本製鐵JSL2部
ヤマハ発動機JSL2部
試合数 90
ゴール数 214 (1試合平均2.38)
1試合平均
ゴール数
2.38[1]
得点王 吉田弘(古河電工)
合計観客動員 163,080人
平均観客動員 1,812人[1]
1980
1982

この年から中村勤が監督となったフジタが、「負けないサッカー」のスローガン通りに18試合で7失点という堅守で優勝した[2]。無失点試合は15試合におよび、これは最後まで破られることのないJSL記録となった[2]。フジタは守備の要だった今井敬三が前シーズンを最後に引退したが、野村貢がその穴を埋めた[2]。攻撃陣では大卒新人の手塚聡、前年に加入したホルヘ平野エミリオ村上のペルーコンビが機能した[2]

フジタと読売クラブによる優勝争いは、11月22日に名古屋瑞穂競技場で開催された最終節の直接対決まで持ち越された[2]。フジタは勝ち点差2で読売を上回るため、引き分け以上の結果ならフジタが優勝、読売はたとえ1点差であっても勝ちさえすれば総得点により逆転優勝が決まる状況だった[2]。後半40分にフジタの野村貢がペナルティエリア内でボールを手ではたき落としたが、主審の中道静晴は故意のハンドとはみなさなかった[2]。後半44分にはジョージ与那城がシュートを決めたが、直前のプレーにオフサイドがあったとしてゴールを認められなかった[2]。試合は0-0で終わり[2]、フジタが3度目の優勝を決めた。

大会概要

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参加クラブ

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このシーズンから東洋工業サッカー部がマツダスポーツクラブ東洋工業サッカー部に名称を変更した。

チーム名 所在
都道府県
前年成績
ヤンマーディーゼルサッカー部 大阪府 JSL1部 01位優勝
フジタ工業クラブサッカー部 東京都 JSL1部02位
古河電気工業サッカー部 神奈川県 JSL1部03位
三菱重工業サッカー部 東京都 JSL1部04位
日立製作所サッカー部 JSL1部05位
読売サッカークラブ JSL1部06位
マツダスポーツクラブ東洋工業サッカー部 広島県 JSL1部07位
新日本製鐵サッカー部 福岡県 JSL1部08位
ヤマハ発動機サッカー部 静岡県 JSL1部09位
本田技研工業サッカー部 JSL2部 01位優勝

成績

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年間順位

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順位 クラブ 勝点 勝利 引分 敗戦 得点 失点 得失差
1位 フジタ工業 27 11 5 2 24 7 +17
2位 読売クラブ 25 8 9 1 32 16 +16
3位 三菱重工 24 10 4 4 24 16 +8
4位 ヤンマー 22 7 8 3 21 15 +6
5位 古河電工 21 7 7 4 28 23 +5
6位 本田技研工業 14 5 4 9 23 28 -5
7位 日立製作所 13 5 3 10 22 27 -5
8位 マツダ 13 4 5 9 15 27 -12
9位 新日本製鐵 11 3 5 10 14 27 -13
10位 ヤマハ発動機 10 2 6 10 11 28 -17
優勝
JSL2部との入替戦
自動降格

得点ランキング

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順位 選手名 所属クラブ 得点数
1 日本の旗 吉田弘 古河電工 14
2 日本の旗 釜本邦茂 ヤンマー 11
3 ブラジルの旗 ジョージ与那城 読売クラブ 10
4 日本の旗 榎木幸二郎 本田技研 8
日本の旗 碓井博行 日立製作所
6 日本の旗 永井良和 古河電工 6
7 日本の旗 手塚聡 フジタ工業 5
日本の旗 上田栄治
日本の旗 尾崎加寿夫 三菱重工
日本の旗 横山正文 新日鐵

アシストランキング

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順位 選手名 所属クラブ アシスト数
1 日本の旗 永井良和 古河電工 7
日本の旗 楚輪博 ヤンマー
3 ブラジルの旗 カルバリオ フジタ工業 6
ブラジルの旗 ジョージ与那城 読売クラブ
日本の旗 大友正人
6 日本の旗 戸塚哲也 5
日本の旗 伊藤直司 本田技研
8 日本の旗 高原郁夫 三菱重工 4
日本の旗 堀井美晴 ヤンマー
日本の旗 菅野将晃 古河電工
日本の旗 錫木康夫 新日鐵
日本の旗 野村大介 日立製作所
日本の旗 碓井博行

表彰

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選手名 所属クラブ 受賞回数
得点王 日本の旗 吉田弘 古河電工
アシスト王 日本の旗 永井良和 3
日本の旗 楚輪博 ヤンマー
得点王 ゴールデンボール賞 日本の旗 吉田弘 古河電工
アシスト王 シルバーボール賞 日本の旗 永井良和 3
新人王 日本の旗 池内豊 フジタ工業 _
200得点 日本の旗 釜本邦茂 ヤンマー _
年間優秀11人賞 日本の旗 田口光久 三菱重工 6
日本の旗 野村貢 フジタ工業
日本の旗 古前田充 5
日本の旗 加藤久 読売クラブ
日本の旗 落合弘 三菱重工 10
ブラジルの旗 ジョージ与那城 読売クラブ 3
日本の旗 楚輪博 ヤンマー
日本の旗 戸塚哲也 読売クラブ
日本の旗 吉田弘 古河電工
ブラジルの旗 カルバリオ フジタ工業 5
日本の旗 釜本邦茂 ヤンマー 14

JSL2部

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日本サッカーリーグ(JSL)2部
シーズン 1981(第10回)
優勝 日本鋼管
昇格 日本鋼管JSL1部
日産自動車JSL1部
降格 名古屋クラブ東海リーグ
試合数 90
ゴール数 306 (1試合平均3.4)
得点王 大石和孝(東芝)
1980
1982

JSL2部大会概要

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参加クラブ

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チーム名 所在
都道府県
前年成績
日産自動車サッカー部 神奈川県 JSL1部010位
富士通サッカー部 JSL2部02位
東芝サッカー部 JSL2部03位
日本鋼管サッカー部 JSL2部04位
トヨタ自動車工業サッカー部 静岡県 JSL2部05位
田辺製薬サッカー部 大阪府 JSL2部06位
帝人サッカー部 愛媛県 JSL2部07位
住友金属工業蹴球団 茨城県 JSL2部08位
甲府サッカークラブ 山梨県 JSL2部09位
名古屋サッカークラブ 愛知県 東海02位

JSL2部成績

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JSL2部年間順位

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順位 クラブ 勝点 勝利 引分 敗戦 得点 失点 得失差
1 日本鋼管 26 11 4 3 42 22 +20
2 日産自動車 26 11 4 3 31 16 +15
3 東芝 25 12 1 5 46 21 +25
4 田辺製薬 22 9 4 5 35 11 +24
5 富士通 21 10 1 7 31 27 +4
6 トヨタ自工 16 6 4 8 33 30 +3
7 住友金属 15 7 1 10 32 31 +1
8 帝人 14 5 4 9 22 34 -12
9 甲府クラブ 10 4 2 12 18 42 -24
10 名古屋クラブ 5 2 1 15 16 72 -56
自動昇格
JSL1部との入替戦
JSL2部との入替戦
自動降格

JSL2部表彰

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選手名 所属クラブ 備考
得点王 大石和孝 東芝 18得点
アシスト王 福田明史 住友金属 8アシスト

JSL1部・2部入替戦

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参加クラブ

JSL1部 第1戦 第2戦 JSL2部
新日本製鐵 0-3 1-2 日産自動車
昇格
降格
  • ヤマハ発動機はJSL2部へ自動降格。
  • 日本鋼管(JSL2部優勝)はJSL1部へ自動昇格。
  • 日産自動車はJSL1部昇格。
  • 新日本製鐵はJSL創設から在籍17年で初の2部降格。

JSL2部・地域リーグ入替戦

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[4]参加クラブ

JSL2部 第1戦 第2戦 地域リーグ
甲府クラブ 1-0 1-0 電電近畿
  • 甲府クラブはJSL2部残留。
  • 名古屋クラブは地域リーグへ自動降格。
  • 埼玉県教員サッカークラブ(地域リーグ優勝)はJSL2部へ自動昇格。

出典

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  1. ^ a b 「観客動員数/総得点数」『日本サッカーリーグ全史』 259頁。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l 「1981 第17回大会」『日本サッカーリーグ全史』 154-155頁。
  3. ^ 「歴代ベスト11」「歴代表彰選手」『日本サッカーリーグ全史』262-263頁。
  4. ^ a b 『日本サッカーリーグ全史』 218頁。
  5. ^ 『日本サッカーリーグ全史』 217頁。

参考文献

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  • 『日本サッカーリーグ全史』日本サッカーリーグ、1993

関連項目

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