2の12乗根(2の12じょうこん) は、代数的無理数である。音楽理論において非常に重要であり、十二平均律における半音の周波数比を表す。歴史的にこの数はシモン・ステヴィンによって1580年(草稿、1610年に書き直し)に調律との関連で初めて提唱された[1]。
有効数字20桁の2の12乗根は1.0594630943592952646[2][3][4]である。正則連分数展開[5]によるディオファントス近似は1, 17⁄16, 18⁄17, 89⁄84, 196⁄185, 1461⁄1379, 1657⁄1564, 3118⁄2943, 7893⁄7450, 18904⁄17843 ... [6][7]である。
音程は周波数の比であるため、平均律の半音階はオクターブ(2:1の周波数比)を12等分する。
この値を中央ハ(C)の上のイ(A)音(440 Hzの周波数を持ち、A4と呼ばれる)から始まる半音階の音に連続的に適用することで、以下の音高列が得られる。
音 | 周波数 (Hz) |
乗数 | 係数 (8桁まで) |
近似比 |
---|---|---|---|---|
A | 440.000000 | 20⁄12 | 1.00000000 | 1 |
A♯/B♭ | 466.163762 | 21⁄12 | 1.05946309 | ≈ 16⁄15 |
B | 493.883301 | 22⁄12 | 1.12246205 | ≈ 9⁄8 |
C | 523.251131 | 23⁄12 | 1.18920712 | ≈ 6⁄5 |
C♯/D♭ | 554.365262 | 24⁄12 | 1.25992105 | ≈ 5⁄4 |
D | 587.329536 | 25⁄12 | 1.33483985 | ≈ 4⁄3 |
D♯/E♭ | 622.253967 | 26⁄12 | 1.41421356 | ≈ 7⁄5 |
E | 659.255114 | 27⁄12 | 1.49830708 | ≈ 3⁄2 |
F | 698.456463 | 28⁄12 | 1.58740105 | ≈ 8⁄5 |
F♯/G♭ | 739.988845 | 29⁄12 | 1.68179283 | ≈ 5⁄3 |
G | 783.990872 | 210⁄12 | 1.78179744 | ≈ 9⁄5 |
G♯/A♭ | 830.609395 | 211⁄12 | 1.88774863 | ≈ 15⁄8 |
A | 880.000000 | 212⁄12 | 2.00000000 | 2 |
最後のA(A5: 880 Hz)は低い方のA(A4: 440 Hz)の厳密に2倍の周波数を持つ。つまり1オクターブ高い。
1636年にフランスの数学者マラン・メルセンヌによって計算された。