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シーズン | 2016 |
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優勝 | 大分トリニータ |
昇格 | 大分トリニータ |
試合数 | 240 |
ゴール数 | 592 (1試合平均2.47) |
得点王 | 藤本憲明 (鹿児島・15得点) |
最大差勝利ホーム試合 | |
G大23 6-1 鹿児島 (第22節・9月18日) 盛岡 5-0 相模原 (第23節・10月16日) | |
最大差勝利アウェー試合 | |
鳥取 0-4 G大23 (第12節・6月12日) 琉球 1-5 F東23 (第17節・7月16日) 相模原 0-4 鹿児島 (第26節・10月23日) | |
最多得点試合 | |
大分 4-3 藤枝 (第17節・7月16日) YS横浜 3-4 富山 (第22節・9月18日) 藤枝 2-5 鳥取 (第22節・9月18日) G大23 6-1 鹿児島 (第22節・9月18日) | |
最多連勝記録 | |
10 - 栃木 (第10節-第19節) | |
最多連続負け無し記録 | |
17 - 栃木 (第6節-第22節) | |
最多連続勝ち無し記録 | |
14 - YS横浜 (第16節-第29節) | |
最多連敗記録 | |
7 - YS横浜 (第21節-第27節) | |
最多観客動員 | |
11,065人 - 大分 vs YS横浜 (第29節・11月13日) | |
最少観客動員 | |
486人 - 盛岡 vs 琉球 (第5節・4月17日) | |
平均観客動員 | 2,937人 |
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この項目では、2016年シーズンのJ3リーグについて述べる。
J3リーグとして3年目のシーズン。
明治安田生命保険相互会社をタイトルパートナー(冠スポンサー)として、「2016明治安田生命J3リーグ」の名称で行う(4年契約の2年目[1]、J3リーグ単独だった2014年シーズンを合わせて3年連続)。
前季まで編成されJ3に参戦していたJリーグ・アンダー22選抜 (J-22) は、2015年11月19日に開催された日本サッカー協会の理事会において2015年シーズンをもって活動を終了することを決定した[2] 一方で、J1・J2に参戦するクラブが各クラブの原則23歳以下の所属選手で結成した「U-23チーム」(セカンドチーム)が参戦することが2015年11月17日付でJリーグから発表された[3]。
「U-23チーム」は3チーム参戦[注 1]することになり、試合数やレギュレーションに大きな変化があった。
2015年12月15日に概要(予定)が発表となった[4]。J1・J2より半月遅い3月13日に開幕、11月20日閉幕で行われた。
参加チーム数の増加(後述)に伴い、それまでの「3回戦総当たり(原則ホーム・アンド・アウェー+ホームorアウェー)」から「2回戦総当たり(ホーム・アンド・アウェー)」に変更され、各クラブの年間試合数は前年の36試合から30試合に減少した。また、全試合アウェーゲームだった前年までのJ-22と異なり、「U-23チーム」もホームゲームを戦うことから、各クラブのホームゲームの試合数も20試合から15試合に減少した[4]。
第20節(8月6日・7日)と第21節(9月10日・11日)の間に約5週間の中断期間が設けられており、この間にほとんどの地域での第96回天皇杯県予選[注 2] と天皇杯1回戦・2回戦が行われた。
2016年シーズンのJ3には以下のクラブ・チームが参加[5]。
昨シーズンから引き続き参戦する10クラブに、J2から降格した大分トリニータ・栃木SC、日本フットボールリーグ (JFL) から入会した鹿児島ユナイテッドFC[6] を加えた13クラブと、「U-23チーム」を結成したFC東京・ガンバ大阪・セレッソ大阪の3チームを加えた合計16チームで戦った。
チーム名 | 監督 | 所在 都道府県 |
ホームスタジアム | 前年成績 | ライセンス |
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グルージャ盛岡 | 神川明彦[7] | 岩手県 | 盛岡南公園球技場[注 3] | J3 11位 | J3 |
ブラウブリッツ秋田 | 間瀬秀一[9] | 秋田県 | あきぎんスタジアム | J3 | 8位J3 |
福島ユナイテッドFC | 栗原圭介[10] | 福島県 | とうほう・みんなのスタジアム | J3 | 7位J3 |
栃木SC | 横山雄次[11] | 栃木県 | 栃木県グリーンスタジアム | J2 22位 | J1 |
Y.S.C.C.横浜 | 樋口靖洋[12] | 神奈川県 | ニッパツ三ツ沢球技場 | J3 13位 | J3 |
SC相模原 | 薩川了洋[13] | 相模原ギオンスタジアム | J3 | 4位J3 | |
AC長野パルセイロ | 三浦文丈[14] | 長野県 | 南長野運動公園総合運動場総合球技場 | J3 | 3位J2 |
カターレ富山 | 三浦泰年[15] | 富山県 | 富山県総合運動公園陸上競技場 | J3 | 5位J1 |
藤枝MYFC | 大石篤人[16] | 静岡県 | 藤枝総合運動公園サッカー場 | J3 10位 | J3 |
ガイナーレ鳥取 | 柱谷哲二[17] | 鳥取県 | とりぎんバードスタジアム | J3 | 6位J3 |
大分トリニータ | 片野坂知宏[18] | 大分県 | 大分銀行ドーム | J2 21位 | J1 |
鹿児島ユナイテッドFC | 浅野哲也[19] | 鹿児島県 | 鹿児島県立鴨池陸上競技場 | JFL 4位 | J3 |
FC琉球 | 金鍾成[20] | 沖縄県 | 沖縄県総合運動公園陸上競技場 | J3 | 9位J3 |
FC東京U-23 | 安間貴義 | 東京都 | (味の素フィールド西が丘) | - | - |
ガンバ大阪U-23 | 實好礼忠[21] | 大阪府 | (市立吹田サッカースタジアム) | - | - |
セレッソ大阪U-23 | 大熊裕司[22] | (キンチョウスタジアム) | - | - |
特記なき場合、監督代行はトップチームのヘッドコーチが務めている。
チーム名 | 前監督 | 退任日 | 監督代行 | 新監督 | 就任日 | 備考 |
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FC東京U-23 | 安間貴義 | 7月26日[25] | - | 中村忠 | 7月26日[25] | FC東京U-18コーチからの昇格 |
SC相模原 | 薩川了洋 | 8月18日[26] | - | 安永聡太郎 | 8月20日[27] | 外部からの招聘 |
チーム名 | メーカー | 胸 | 背中上部 | 背中下部 | 袖 | パンツ |
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グルージャ盛岡 | svolme | パルコホーム | 岩手日報 | RISE | 岩手県北バス 岩手県北観光 |
チョコ南部 PREMIUM |
ブラウブリッツ秋田 | ATHLETA | TDK | 細谷病院 | - | - | あきたこまち JA全農あきた |
福島ユナイテッドFC | hunmel | TOHO BANK |
Prospect | - | 福島民報 | 福島トヨタ |
栃木SC | ATHLETA | 50th TKC | カワチ薬品 | Grnady | ALSOK | - |
Y.S.C.C.横浜 | svolme | KASPERSKY lab | RENO-TEC | - | 横浜ワールドポーターズ | 食品館あおば |
SC相模原 | gol. | ギオン | 住宅情報館 | KYB | アクセスチケット | J:COM |
AC長野パルセイロ | PENALTY | HOKUTO | 長野都市ガス | 松田・南信 | Densen | 信濃毎日 |
カターレ富山 | GOLDWin | YKK AP | 北陸電力 | 北日本新聞 | izak | - |
藤枝MYFC | gol. | 福工房 | J.PLAYERS[注 4] | 蔵衛門[注 4] | - | - |
ガイナーレ鳥取 | hunmel | 鳥取ガス | 因幡の白うさぎ | Eco Ring | 白バラ牛乳 | - |
大分トリニータ | PUMA | ダイハツ九州 | ジェイリース | 大分合同新聞 | OITA BANK | みどり牛乳 |
鹿児島ユナイテッドFC | mitre | さつま島美人 | 明治維新150年カウントダウン | 愛と、電力。 ナンワエナジー |
UME[注 5] | - |
FC琉球 | mitre | - | - | JTA | 酒豪秘伝 | 琉球銀行 |
FC東京U-23 | UMBRO | MITSUI & CO. | - | - | OSSO ITALY | TOKYO GAS |
ガンバ大阪U-23 | UMBRO | Panasonic | ROHTO | - | - | TOYO TIRES[注 6] |
セレッソ大阪U-23 | PUMA | YANMAR | Nipponham | ナカバヤシ | たこ焼道楽 わなか | - |
J-22の廃止(撤退)とU-23チームの参戦に併せて、レギュレーションの一部見直しが行われている[4][28]。
J2から降格した大分・栃木と、前年・前々年と昇格圏まであと一歩及ばなかった長野を加えた3チームに、新たに参戦したFC東京・G大阪・C大阪のU-23チームがリーグの軸となると思われたが、リーグ序盤は金鍾成新監督の下、MF田中恵太を中心とした攻撃サッカーで開幕5試合を4勝1敗とスタートダッシュに成功した琉球[29]、間瀬秀一の下で安定した守備力で開幕11戦負け無し(6勝5分け)の秋田[30]、さらにはJFLからの参入1年目ながらも第12節で首位に立った鹿児島[31] らが絡む展開となる。
その後、実績のあるFWのジャーン・モーゼルと大石治寿を獲得して降格に伴う主力流出を補い戦力維持に務めた栃木が徐々に地力を発揮。序盤こそ2桁順位に沈むが、第15節で首位に立つと、第10節から始まった連勝をリーグ記録を大きく上回る10にまで伸ばし独走する展開となり[32]、優勝・自動昇格は時間の問題かとも思われた。
しかし栃木は第20節から4勝4分け1敗で一時の勢いに陰りが見えると、新監督に迎えた片野坂知宏の下で、序盤は主力の大量流出に伴う戦力ダウンに苦しむもMF姫野宥弥・FW後藤優介・FW吉平翼ら地元出身・ユース出身の若手が台頭し、一つずつ順位を上げてきた大分がじわりと迫る展開となる。勝ち点3差で迎えた第29節、勝てば優勝が決まる可能性があった栃木はホームで長野と対戦するが、後半アディショナルタイムに長野DF夛田凌輔にゴールを決められ0-1で6試合振りの敗戦。一方、大分はホームでYS横浜と対戦し、FW三平和司の2ゴールなどで3-0で勝利し4連勝。この結果、勝ち点で並び得失点差で上回る大分が最終節直前で栃木から首位を奪い、優勝・自動昇格の行方は前年同様最終節まで決まらないという展開となった[33]。
迎えた第30節、アウェー・いわぎんスタジアムに乗り込んで盛岡と対戦した栃木だったが、前半20分に盛岡FW谷口堅三がペナルティエリア内での混戦から押し込んで盛岡が先制。一方、アウェー・とりぎんバードスタジアムで鳥取と対戦した大分は、前半29分にFW三平和司が左サイドからのクロスに合わせて大分が先制し、前半は大分1点リード・栃木1点ビハインドの状況で折り返す[34]。後半に入ると、とりスタでは大分がキックオフからの連続攻撃で最後はFW三平が押し込んで早々に2点目を挙げる一方、いわスタでは48分と60分に栃木FW大石治寿が連続ゴールを挙げて栃木が逆転に成功する。しかしとりスタの大分は55分に鳥取FWフェルナンジーニョに1点差に迫られるゴールを挙げられるも、57分にDF岩田智輝、63分にDF鈴木義宜が立て続けにゴールを挙げて鳥取を突き放す。その後いわスタでは68分に盛岡DF畑本時央に同点ゴールを決められ、栃木はそこから再度リードを奪えず2-2で試合終了。とりスタでは73分に途中出場の鳥取MF山本蓮にゴールを決められるが、終始試合をコントロールした大分が4-2で勝利。大分が逃げ切って1年でのJ2復帰を果たした[34]。リーグ中盤から首位を走り続けた栃木だったが、土壇場で大分に逆転を許し、入れ替え戦に回ることになった。
また、今季から参入したセカンドチームはFC東京U-23のMF久保建英のJリーグ史上最年少出場などのトピックもあったが、チームとしてはいずれも中位で終わった。しかし育成年代のリーグ戦での試合出場経験は選手個人に好影響を与え、G大阪U-23の市丸瑞希、初瀬亮、堂安律とC大阪U-23の岸本武流、舩木翔がAFC U-19選手権2016初優勝・10年振りの2017 FIFA U-20ワールドカップ出場権獲得に大きく貢献した[35]。
なお大分は、J3各クラブのホームゲームが前年比4もしくは5試合少なくなったにもかかわらず、前年長野が記録した総観客数94,665人(20試合、1試合平均4,733人)を上回り、J3リーグ史上初めて年間10万人を超える116,563人(15試合、平均7,771人)の観客動員を記録した。
順 | チーム | 試 | 勝 | 分 | 敗 | 得 | 失 | 差 | 点 | 昇格または降格 |
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1 | 大分トリニータ (C, P) | 30 | 19 | 4 | 7 | 50 | 24 | +26 | 61 | J2昇格 |
2 | 栃木SC | 30 | 17 | 8 | 5 | 38 | 20 | +18 | 59 | J2・J3入れ替え戦出場 |
3 | AC長野パルセイロ | 30 | 15 | 7 | 8 | 33 | 22 | +11 | 52 | |
4 | ブラウブリッツ秋田 | 30 | 14 | 8 | 8 | 37 | 26 | +11 | 50 | |
5 | 鹿児島ユナイテッドFC | 30 | 15 | 5 | 10 | 39 | 29 | +10 | 50 | |
6 | カターレ富山 | 30 | 13 | 10 | 7 | 37 | 29 | +8 | 49 | |
7 | 藤枝MYFC | 30 | 14 | 3 | 13 | 48 | 42 | +6 | 45 | |
8 | FC琉球 | 30 | 12 | 8 | 10 | 46 | 46 | 0 | 44 | |
9 | ガンバ大阪U-23 | 30 | 10 | 8 | 12 | 42 | 41 | +1 | 38 | |
10 | FC東京U-23 | 30 | 9 | 9 | 12 | 32 | 31 | +1 | 36 | |
11 | SC相模原 | 30 | 9 | 8 | 13 | 29 | 46 | −17 | 35 | |
12 | セレッソ大阪U-23 | 30 | 8 | 8 | 14 | 38 | 47 | −9 | 32 | |
13 | グルージャ盛岡 | 30 | 6 | 12 | 12 | 43 | 47 | −4 | 30 | |
14 | 福島ユナイテッドFC | 30 | 7 | 9 | 14 | 35 | 44 | −9 | 30 | |
15 | ガイナーレ鳥取 | 30 | 8 | 6 | 16 | 30 | 47 | −17 | 30 | |
16 | Y.S.C.C.横浜 | 30 | 5 | 5 | 20 | 15 | 51 | −36 | 20 |
順位 | 選手 | 所属 | 得点 |
---|---|---|---|
得点王 | 藤本憲明 | 鹿児島ユナイテッドFC | 15 |
2 | 後藤優介 | 大分トリニータ | 14 |
3 | 田中恵太 | FC琉球 | 13 |
4 | 枝本雄一郎 | 藤枝MYFC | 12 |
T5 | 大石治寿 | 栃木SC | 11 |
ユ・インス | FC東京U-23 | ||
T7 | 三平和司 | 大分トリニータ | 10 |
堂安律 | ガンバ大阪U-23 | ||
T9 | 牛之濵拓 | グルージャ盛岡 | 9 |
樋口寛規 | 福島ユナイテッドFC |
最終更新は2016年11月20日の試合終了時
出典: J.League Data Site
順 | チーム | 合計 | 最多 | 最小 | 平均 | 推移 |
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1 | 大分トリニータ | 116,563 | 11,065 | 5,408 | 7,771 | +3.1%† |
2 | AC長野パルセイロ | 75,274 | 10,377 | 3,905 | 5,018 | +6.0% |
3 | 栃木SC | 73,756 | 8,586 | 2,864 | 4,917 | −4.8%† |
4 | SC相模原 | 65,161 | 7,582 | 2,912 | 4,344 | +31.9% |
5 | 鹿児島ユナイテッドFC | 54,979 | 4,975 | 2,024 | 3,665 | +39.6%‡ |
6 | カターレ富山 | 54,113 | 5,081 | 2,691 | 3,608 | +27.9% |
7 | FC東京U-23 | 41,957 | 7,653 | 1,375 | 2,797 | |
8 | ガンバ大阪U-23 | 36,021 | 8,038 | 1,066 | 2,401 | |
9 | ブラウブリッツ秋田 | 31,684 | 4,791 | 1,129 | 2,112 | +23.2% |
10 | ガイナーレ鳥取 | 28,471 | 3,450 | 1,321 | 1,898 | −1.7% |
11 | 福島ユナイテッドFC | 25,172 | 3,052 | 1,045 | 1,678 | +30.1% |
12 | FC琉球 | 23,418 | 4,565 | 948 | 1,561 | +4.2% |
13 | 藤枝MYFC | 22,965 | 2,257 | 904 | 1,531 | +38.8% |
14 | セレッソ大阪U-23 | 22,326 | 4,915 | 713 | 1,488 | |
15 | グルージャ盛岡 | 17,816 | 2,888 | 486 | 1,188 | −4.1% |
16 | Y.S.C.C.横浜 | 15,277 | 1,614 | 568 | 1,018 | +10.7% |
リーグ合計 | 704,953 | 11,065 | 486 | 2,937 | +21.9% |
最終更新:2016年11月20日
出典: J. League Data
註記:
† 前シーズンはJ2。‡ 前シーズンはJFL。