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メーカー | ランドネットディディ |
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種別 | ゲーム機周辺機器 |
世代 | 第5世代 |
発売日 | 1999年12月11日 |
対応メディア | ZIP |
対応ストレージ | 磁気ディスク |
オンラインサービス | ランドネット |
売上台数 | 1万5,000台(出荷台数は10万台) |
64DD(ロクヨンディーディー)は、任天堂とアルプス電気の共同開発によるゲーム機NINTENDO64の周辺機器。本体の下に取り付けて使用する磁気ディスクドライブである。
任天堂のゲームソフト開発者の中に、外から新しいゲームのキャラクターデータやコースデータ等のプログラムを追加・変更してゲームを動的に変化させたいという希望があり、「ロムカセットに見られるデータ容量の制限を克服した上で、CD-ROMでは実現できない大容量の書き換え領域を活用することにより、ユーザーに新しい遊びを提供する周辺機器」として開発が始まった。そのためにかつてのファミコンディスクシステムのようにディスクライターを店頭に設置する予定だった。
NINTENDO64発表当初から情報を公開しており、1996年11月22日 - 24日まで開催された[1]任天堂スペースワールドでソフトが出展される[2][3]など、ユーザーの間では長らく発売が待たれていた。スクウェアは、任天堂とジャストシステムとで合弁会社を設立し、64DD向けソフト開発を行っており、通信ネットワーク事業も運用する予定だった[4]が、スクウェアが64DDから撤退するなど、ソフト開発の遅れやNINTENDO64自体の普及が進まなかったことなどにより発売の延期が繰り返されていた。
その後、ドリームキャストやPlayStation 2といった第6世代ゲーム機に今後の注目が移っていた1999年初夏に、任天堂とリクルートが合弁会社「株式会社ランドネットディディ」を通じて提供するネットワークサービス、ランドネット[注 1]専用の通信端末としての発売が決定する[5]。
ランドネットディディを設立する事になる香山哲[注 2]が関わる前までは、任天堂から発売される予定だったが、ランドネットディディが64DDの販売に関する権利を買い取った上、64DD向けゲームソフトの販売権も有していた[5]ため、ハード・ソフトとも任天堂やソフトメーカーが小売店等で販売する事ができず、流通経路が制約された。また、香山はランドネットディディ、マリーガル・マネジメント時代に任天堂に不義理をしており、任天堂の怒りを買うことになる[6][注 3]。
当初64DD用として開発されていたソフトのほとんどが64DDの商用化の遅れにより計画変更され64カセットでの発売となったこと、更にはNINTENDO64の次世代機となるドルフィン[注 4]の開発着手が1999年春に公表されていた事で、将来性を疑問視されたことも普及を鈍らせた。また、発表時には北米での展開も示唆されていたものの、最終的に日本国外では発売されなかった。
本体のカセット差込口を塞がない設計となっており、カセット型の周辺機器やカセットソフトをディスクで拡張するといった遊びに対応している。実際にカセットで発売されたソフトの一部(『ゼルダの伝説 時のオカリナ』、『マリオパーティ』など)には、64DDを用いてステージなどを追加する予定があった。その名残か、本体に64DDを接続してこれらのソフトを起動すると、64DDの拡張パックについてのメッセージが表示され、64DDにディスクを挿入したまま起動すると「ディスクが間違っています。」という旨のエラーメッセージが表示される(そもそも64DDに対応していないソフトを起動した場合、エラーメッセージは表示されない)。
また、本体上面には更なる付属機器を追加出来るようにコードを通すS字の溝があるが、使用する必然性のある周辺機器が発売されることは無かった。発表当時のイラストによると、モデムとして実際に発売されたカートリッジ型のものではなくコントローラーポートにつなぐケーブル接続型のものが検討されていたため、それを後ろ側へ逃がすための溝であったとみられる。
かつてのファミリーコンピュータ用のディスクシステム、セガのメガドライブ用のメガCD、スーパーファミコン用のサテラビューと同様の本体下部設置型の周辺機器であるが、専用のACアダプタ又は単2電池6本が必要だったディスクシステム、専用のACアダプタが必要だったセガのメガCD、専用のACアダプタと電源中継ボックスが必要だったサテラビューと比べて、NINTENDO64本体から追加機器を使わずに電源を供給できる[注 6]という部分が進歩点。両面読み込みに対応し手動でディスクを裏返す必要もなくなったため、ディスクと差込口の形状も裏表非対称となり、表を上向きにする差し込み方以外は物理的にできなくなっている。
型番 | 名称 | 備考 |
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NUS-007 | メモリー 拡張パック |
旧称は「ハイレゾパック」。 4.5MBの増設メモリで、本体上部手前の36Pinメモリー拡張コネクタに接続する。 本体のメモリも4.5MBであるため、メモリー拡張パックを使うことで容量を一気に倍加できる。 本体に同梱。 |
NUS-010 | 64DD | 詳細は「仕様」を参照。 |
NUS-011 | 64DDディスク | 64DDのゲームプログラムを格納した専用メディア。 データ容量は約64MBだが、その内約38MBは追記用の領域になっている。 仕組みとしてはZipに近い磁気ディスクとなっている。 「ダイナミックデータディスク」(DDD)という呼称もあった。 |
NUS-017 | マウス | ボール式の2ボタンマウス。 コントローラポートに接続して使用する。 対応ソフトは『マリオアーティストシリーズ』と『デザエモン3D』。 『マリオアーティスト ペイントスタジオ』に同梱。 |
NUS-021 | マイク | 単一指向性のモノラルマイク。 キャプチャーカセットに接続して使用する。 NINTENDO64音声認識システム[注 7]に使用されていたものと同一である。 『マリオアーティスト タレントスタジオ』に同梱。 |
NUS-026 | マイクカバー | 球状の黄色いスポンジで、マイクのセンサー部分にかぶせ、息や風の音を軽減する。 NINTENDO64音声認識システム[注 7]に使用されていたものと同一である。 マイクに同梱。 |
NUS-028 | キャプチャーカセット | RCAジャック(映像、音声L、音声R)とマイク用ミニジャックがついたカセットで、映像や音声を取り込むことができる。 プラグインパワー方式[11][12][出典無効]で電源を供給している為、専用マイク等のコンデンサマイク以外は絶対にミニジャックに接続してはいけない。 『マリオアーティスト タレントスタジオ』に同梱。 |
NUS-029 | モデム | 本体のカセット挿入口に接続して使用する専用モデム。 通信速度は28.8kbps。 本体に同梱。 |
HVC-053 | モジュラーケーブル | モデムに接続する長さ4mの電話線。 元々はファミリーコンピュータの周辺機器「通信アダプタセット」に付属していた物で、ニンテンドーゲームキューブのモデムアダプタにも付属している。 本体に同梱。 |
RND-001 | キーボード | 専用キーボード。 対応ソフトは『ランドネットディスク』のみ。 |
不明 | 64GBケーブル | N64のコントローラ端子とつなぎ、ゲームボーイカラーを画面付きコントローラとして使用するためのケーブル。『DT』や『ダービースタリオンDD』で使用する予定だったが、発売する事なくランドネットのサービスが終了してしまった。 |
64DD専用ソフトには以下の10タイトルが存在する。この内、『ランドネットディスク』と『マリオアーティスト コミュニケーションキット』の通信機能はランドネットのサービスが終了した現在は使用することができない。
これらのソフトは会費以外の代金を別途支払う必要は無く、ランドネット入会後に順次配布された。
これらのソフトはランドネットのショッピングサービス[注 9]にて販売が行われた。
発売中止になったソフトはNINTENDO64や他機種で発売されたものもあれば、ソフトは企画されたものの発売中止になったものもある。
磁気ディスクの大容量を活かし、ムービーシーンを多用した『ファイナルファンタジーVII』や、書き換え領域を活用した『ドラゴンクエストVII』等のゲームが製作される予定だった。