開発元 | AMD |
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最新版 |
3.0
/ 2015年8月25日 |
最新評価版 |
3.0 Beta
/ 2014年12月9日 |
対応OS | Microsoft Windows、Linux |
種別 | ソフトウェア開発キット |
公式サイト | APP SDK - A Complete Development Platform - AMD |
AMD Accelerated Parallel Processing (AMD APP : エーエムディー・エーピーピー) とは、AMDによる、同社製CPU/GPU/APU向けの並列コンピューティング基盤テクノロジーである。AMD APP環境向けのソフトウェア開発キットとして、AMD APP SDKが公開されている。
同テクノロジーおよび開発キットの初期の名称はATI StreamおよびATI Stream SDKであり[1]、ATIがAMDに買収された後、ATIブランドが存続している間は使われ続けていたが、その後ATIブランドの消滅・統合[2]とともにAMD Stream/AMD APPおよびAMD APP SDKに名称変更されている。
AMD Stream (ATI Stream) SDKはスタンフォード大学で開発されたBrook言語をベースとして構築されたBrook+と、ランタイムを含む抽象化レイヤーとしてハードウェアの制御を行なうATI Compute Abstraction Layer (CAL) [3]によって構成されたGPGPU対応ソフトウェア開発用プラットフォームである。AMD Stream (ATI Stream) はGPGPUの実行基盤テクノロジーを指し、競合となるNVIDIAのCUDAに近い意味合いを持つ[4]。ATI Streamのリリース当初はAMD FireStreamシリーズ専用の開発・実行環境だったが、のちにAMD RadeonでもAMD Catalyst 8.12以降のドライバーを導入することでGPGPUソフトウェアを開発・実行できるようになった[5]。
なお2015年現在のAMD APPは、AMD社が注力・推進しているヘテロジニアス環境(HSA)の標準API規格であるOpenCLを中核とする開発・実行環境にシフトしている。AMD APPプラットフォームにおけるOpenCLは、同社製のAMD RadeonやAMD FireProといったGPUのほか、AMD FXシリーズのようなCPU、およびAMD AシリーズのようなAPUを総括的にサポートする[6]。
AMD APP SDKは、バージョン3.0時点でOpenCL 2.0[7]、およびSPIR 1.2に対応している[8] [9]。
なお、AMD OpenCL 2.0ドライバーはGCN第1世代以降のAMDグラフィックス製品と互換性がある[10]。
AMD APPに関連して、AMDはGPGPU対応のライブラリをいくつか開発・公開している。
OpenCLベースのBLAS/FFTライブラリ(clBLAS/clFFT)[11]。かつてAccelerated Parallel Processing Math Libraries (APPML) としてバイナリのみが公開されていたが、clMathはGitHubで公開されている。Microsoft Windows、Linux、Mac OS Xに対応している[12][13]。
STL互換のC++並列アルゴリズムライブラリ[14]。GitHubで公開されている[15]。二分探索、ソート、リダクション、スキャンなどのアルゴリズムが実装されている。OpenCL版とC++ AMP版が存在するが、バージョン1.3時点でWindows (Visual C++) とLinux (GCC) のみに対応しており、またAMDハードウェアのみをサポートしている。