Aetobatus flagellum

Aetobatus flagellum
保全状況評価[1]
ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
: 軟骨魚綱 Chondrichthyes
: トビエイ目 Myliobatiformes
: マダラトビエイ科 Aetobatidae
: マダラトビエイ属 Aetobatus
: A. flagellum
学名
Aetobatus flagellum
(Bloch & J. G. Schneider, 1801)[2]
シノニム
  • Raja flagellum Bloch & Schneider, 1801
英名
Longheaded eagle ray

Aetobatus flagellumは、マダラトビエイ属に属するエイの一種。鼻褶は切れ込んでおり、歯は上下揃っており、下顎にはV字型の歯がある[3]。インド西太平洋の熱帯から温帯海域に分布する。甲殻類、頭足類、棘皮動物、小型の硬骨魚を食べる底魚。珍しい種であり、IUCNによって絶滅危惧種とされている[1]

分類

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かつて本種にはナルトビエイという和名が与えられていたが、2013年の研究により日本から中国ベトナムに分布する個体群がAetobatus narutobieiとして分離され、こちらの種がナルトビエイと呼ばれることとなった[4]

分布・生息地

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ペルシャ湾からインドスリランカバングラデシュを経てミャンマーまでのインド洋沿岸と、ボルネオ島からジャワ海を中心としたマレーシアインドネシア沿岸に分布する。フィリピンに分布する可能性もある[1]。沿岸の浅場に生息し、汽水域に入ることも多い[5]

形態

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背面は一様に緑褐色で、斑点などの模様はない。腹面は白色で、縁に沿って緑褐色の斑点がある。眼は青黒色[3]。マダラトビエイ属では小型であり、体盤幅は雄で23 - 54 cm、雌で24 - 58 cm。最大でも90 cm程度[3]。尾は非常に長く、体盤幅の1.22 - 2.81倍[6]。ナルトビエイによく似るが、本種はより小型であり鰭条の数も少ない[4]

吻先には頭鰭があり、頭部から離れている。は頭部背側にあり、噴水孔は眼の後方にある。胸鰭は頭部から離れており、後方にある。体盤は比較的大きい菱形で、胸鰭は鋭角三角形で、後端は丸い。背鰭は胸鰭の間にあり、尾鰭は無い。

生態

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水深0-40メートルの底付近を遊泳し[1]甲殻類頭足類棘皮動物貝類などの底生無脊椎動物、小魚を捕食していると考えられる[5]を使って底に穴を掘り、獲物を探す。歯によって獲物の殻などを砕き、中身を捕食する。他のトビエイ類同様に無胎盤性の胎生であり、卵黄を使い切った胚は母体が分泌する子宮乳によって成長する[5]。出生時は体盤幅23センチメートル程度[4]。雄は体盤幅50センチメートル、雌は75センチメートル程度で性成熟する[1]。繁殖力は低く、産仔数は1 - 4で、4 - 6年で性成熟する。

人との関係

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本種の漁獲量データは無いが、分布域の全域でエイの漁獲量が減少傾向にあるため、本種も個体数を減らしていると考えられる[1]トロール網などで混獲された場合廃棄されるか、地元の魚市場で販売される[3]。河口域に生息するため、化学物質金属の流出など、人間活動の影響を受けやすい。河口では浚渫埋め立てなどの工事も行われる為、生息地の破壊も起こっている。

脚注

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  1. ^ a b c d e f Sherman, C.S., Bin Ali, A., Bineesh, K.K., Derrick, D., Dharmadi, Fahmi, Fernando, D., Haque, A.B., Maung, A., Seyha, L., Tanay, D., Utzurrum, J.A.T., VanderWright, W.J., Vo, V.Q. & Yuneni, R.R. (2021). Aetobatus flagellum. IUCN Red List of Threatened Species 2021: e.T169243577A124440562. doi:10.2305/IUCN.UK.2021-1.RLTS.T169243577A124440562.en. https://www.iucnredlist.org/species/169243577/124440562 2023年3月31日閲覧。. 
  2. ^ "Aetobatus flagellum (Bloch & Schneider, 1801)". World Register of Marine Species. 2023年3月31日閲覧
  3. ^ a b c d White, William T.; Moore, Alec B.M. (2013). “Redescription of Aetobatus flagellum (Bloch & Schneider, 1801), an endangered eagle ray (Myliobatoidea: Myliobatidae) from the Indo-West Pacific”. Zootaxa 3752 (1): 199–213. doi:10.11646/zootaxa.3752.1.12. PMID 25229115. 
  4. ^ a b c White, William T., Keisuke Furumitsu, and Atsuko Yamaguchi (2013). “A New Species of Eagle Ray Aetobatus narutobiei from the Northwest Pacific: An Example of the Critical Role Taxonomy Plays in Fisheries and Ecological Sciences” (英語). PLOS ONE 8 (12): e83785. doi:10.1371/journal.pone.0083785. ISSN 1932-6203. PMC 3877081. PMID 24391827. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3877081/. 
  5. ^ a b c Aetobatus flagellum, Longheaded eagle ray : fisheries”. www.fishbase.se. 2023年3月31日閲覧。
  6. ^ Oh, Jina; Kim, Sung; Kim, Choong-Gon; Soh, Ho Young; Jeong, Dawa; Lee, Youn-Ho (2006-03-01). “The First Record of Long Headed Eagle Ray,Aetobatus flagellum (Pisces: Myliobatidae) from Korea” (英語). Ocean Science Journal 41 (1): 53–57. doi:10.1007/BF03022405. ISSN 1738-5261. 

関連項目

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