株式会社CRI・ミドルウェア(シーアールアイ・ミドルウェア、英: CRI Middleware Co., Ltd.[2])は、ミドルウェアの研究開発・販売を行う日本の企業。コンピュータエンターテインメント協会正会員。
社名のCRIは、この会社の母体となった株式会社CSK総合研究所(シーエスケイそうごうけんきゅうじょ、以下旧CRI)の英語表記"CSK Research Institute"に由来する。
ハードを問わず複数機種対応のミドルウェアを開発・発売しており、2024年3月現在の同社ウェア採用ソフトは8220本以上に及ぶ。
採用事例の主流となっているのは動画、音声データの効率圧縮ツールおよびその展開ソフト(ライブラリ)である。同社の開発したソリューションは"CRIWARE"と総称されており、採用ゲームの起動ロゴなどで確認することができる。
- CRI Sofdec
- ムービー再生用ソフトウェアデコーダ。
- 再生できるファイルフォーマットは、独自のSofdecファイル(拡張子:SFD)という専用のファイル。
- ゲームで使用されるため、以下の様な特殊機能を利用できる。
- αムービー(ムービーの一部を半透明、透明にできる)
- Zムービー(ピクセル単位で奥行き情報を付加できる)
- シームレス連結(ムービー同士を継ぎ目無く再生することができる)
- CRI Sofdec2
- CRI Sofdecの後継製品
- VP9コーデックに対応[3]
- CRI ADX
- 音声再生用デコーダ。
- 再生できるコーデックは、独自のコーデック(拡張子:ADX・ACX・AHX・AIX・AFS)
- CRI ADX2
- CRI ADXの後継製品
- スマートフォンに対応した[4]
- そのほか
- ファイルマジックPRO
- CRI Audio
- 救声主
- C-TST
- CRI-HVC
- CRI Movie Encode
- CRI Clipper
- CLOUDIA
旧CRIは、CSKグループの一員で、マルチメディア技術の研究・開発やゲームコンテンツの開発を行っていた。CSKとは別会社であったが、「CSK総合研究所=CSKの(社内)研究部門」という誤解や、CSK自体が他に一般消費者向けビジネスを行っていなかったことから、旧CRIを指して「CSK」と呼ぶ誤用が一般消費者の一部に見られた。
- 1983年(昭和58年)10月 - 株式会社CSK総合研究所設立。
- 2000年(平成12年)2月16日 - 同じCSKグループのセガがバーチャファイターで知られる当時の第2ソフトウェア研究開発部 (通称AM2・AM2研)を旧CRIへ営業譲渡。セガの他のソフト開発部門は同年4月に分社化されたが、AM2のみ諸般の事情で先行分離された。旧CRIでは既存部門を「CRI事業部」、AM2を「AM2事業部」とする体制がスタート。
- 2001年(平成13年)8月1日 - 旧CRIは社名を株式会社SEGA-AM2に変更。同時に株式会社CRI・ミドルウェアを設立し、ミドルウェアの研究開発・販売事業を移管。セガの家庭用ハードウェア撤退に伴い、ミドルウェアのマルチプラットフォーム化を推進するため、CSKおよびセガグループから独立した。
- 2004年(平成16年)7月1日 - セガがSEGA-AM2(後のセガ・インタラクティブ第二研究開発本部)を含めたソフト開発子会社を吸収合併。
このような経緯を辿った結果、マルチメディア技術の研究・開発はCRI・ミドルウェアに、ゲームコンテンツの開発はセガにそれぞれ継承されている。
- 2001年(平成13年)8月 - 株式会社CSK総合研究所の100%子会社として、株式会社シーアールアイ・ミドルウェアを設立。
- 2004年(平成16年)5月 - エンプロイー・バイアウト(EBO)により、親会社から資本独立。
- 2005年(平成17年)1月 - 株式会社CRI・ミドルウェアに商号変更。
- 2006年(平成18年)
- ミドルウェア製品を総称するブランドとして"CRIWARE"を立ち上げ[5]。
- 米国法人として"CRI Middleware, Inc."を設立[6]。
- 2014年(平成26年)11月27日 - 東京証券取引所マザーズに株式を上場[7]。
- 2016年(平成28年)6月22日 - セガゲームスとの間で、アクロアーツ事業をセガゲームスからCRI・ミドルウェアへ移管することで合意[8]。
- 2019年(令和元年)10月 - 有限会社ツーファイブの全株式を取得し子会社化[9]。
- 2022年(令和4年)4月 - 東京証券取引所グロース市場に移行。
総じて主にFM TOWNS用などの初期のソフトは高性能なハードの性能を活かしきれない未熟なプログラム技術の為に評判のよいものではなかったが、次第に実力をつけ、再現性の高い移植作や熱狂的なファンを獲得する作品を開発するに至った。
- エアロダンシングシリーズ
- エアロダンシング featuring Blue Impulse(1999年3月4日、アクロバットフライトシミュレーション、ドリームキャスト)
- エアロダンシング 轟隊長のひみつディスク(2000年1月20日、上記のファンディスク、ドリームキャスト)
- エアロダンシング F(2000年2月24日、戦闘機フライトシミュレーション、ドリームキャスト)
- エアロダンシング F(2000年11月16日、上記のWindows版)
- エアロダンシング F 轟つばさの初飛行(2000年11月16日、上記のファンディスク、ドリームキャスト)
- エアロダンシング i(2001年2月15日、戦闘機フライトシミュレーション、ドリームキャスト)
- エアロダンシング i(2001年6月22日、上記のWindows版)
- エアロダンシング i 次回作まで待てませ~ん(2001年8月28日、上記のファンディスク、ドリームキャスト)
[10]
- ^ a b c d e f g h i j k 株式会社CRI・ミドルウェア『第23期(2022年10月1日 - 2023年9月30日)有価証券報告書』(レポート)2023年12月22日。
- ^ 株式会社CRI・ミドルウェア 定款 第1章第1条
- ^ “ムービーミドルウェア「CRI Sofdec2」が、高いデータ圧縮性能を有するビデオコーデック「VP9」に対応。まずはスマートフォン向けから”. Automaton (2018年6月26日). 2018年8月20日閲覧。
- ^ “CRIWAREがNetEase「萌王EX」、Yostar「アズールレーン」に採用―12月7~8日は上海のゲーム業界フォーラムに出展”. Gamer (2017年12月6日). 2018年4月3日閲覧。
- ^ 『CRI・ミドルウェア、自社のミドルウェア製品を総称する新ブランド「CRIWARE®」(シーアールアイウェア)を立ち上げへ』(プレスリリース)株式会社CRI・ミドルウェア、2006年8月1日。http://www.cri-mw.co.jp/newsrelease/2006/2nt4hm00000017gk.html。2013年5月16日閲覧。
- ^ “沿革”. 株式会社CRI・ミドルウェア. 2013年5月16日閲覧。
- ^ 新規上場企業の横顔:CRI・ミドルウェア(11月27日マザーズ上場)(ロイター)
- ^ セガゲームスとCRI、グラフィックスミドルウェア「アクロアーツ」の事業移管で合意CRIWARE で音声・映像・グラフィックス技術をトータルにサポートセガゲームス・CRI・ミドルウェア 2016年6月22日
- ^ 『ゲームサウンドの制作を行うツーファイブ社の株式取得(完全子会社化)に関するお知らせ』(プレスリリース)CRI・ミドルウェア、2019年9月30日。https://www.cri-mw.co.jp/newsrelease/2019/e78k1e0000011f5f.html。2023年12月23日閲覧。
- ^ 商品情報CRI 商品情報
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