FACES PLACES (アルバム)

『FACES PLACES』
globeスタジオ・アルバム
リリース
録音 RECORD PLANT
LARRABEE NORTH
LARRABEE WEST
RUMBO RECORDING
TRACK RECORD IND.
STUDIO 56
tetsuya komuro sequence 1105st
BERNIE GRANDMAN MASTERING(マスタリング)
ジャンル J-POP
グランジ
オルタナティヴ
時間
レーベル avex globe
プロデュース 小室哲哉
チャート最高順位
  • 週間1位(2週連続、オリコン
  • 1997年度年間3位(オリコン)
  • オリコン歴代アルバムランキング16位
ゴールドディスク
  • 3ミリオン(日本レコード協会[1]
  • 第12回日本ゴールドディスク大賞
    ベスト・ポップ・アルバム・オブ・ザ・イヤー(邦楽)
  • globe アルバム 年表
    globe
    (1996年)
    FACES PLACES
    (1997年)
    Love again
    (1998年)
    EANコード
    EAN 4988064700028
    (AVCG-70002)
    EAN 4988064720033
    (MD、AVYG-72003)
    EAN 4542114506956
    (2012年盤、AQCD-50695)
    『FACES PLACES』収録のシングル
    1. Is this love
      リリース: 1996年8月28日
    2. Can't Stop Fallin' in Love
      リリース: 1996年10月30日
    3. FACE
      リリース: 1997年1月15日
    4. FACES PLACES
      リリース: 1997年3月5日
    5. Anytime smokin' cigarette
      リリース: 1997年4月9日
    テンプレートを表示

    FACES PLACES』(フェイセス・プレイセス)は、globeの2枚目のフルアルバム。1997年3月12日にavex globeより発売された。

    同年5月21日にはMD盤もリリースされた。

    解説

    [編集]

    ミリオンセラーシングル「Can't Stop Fallin' in Love」「FACE」の2曲を含む、6枚目の「Is this love」から後にシングルカットされた10枚目の「Anytime smokin' cigarette」までのシングル5曲を収録。

    タイトルの「FACES PLACES」は、当時ロサンゼルスに在住していた小室が現地のスーパーマーケットで見かけた雑誌のイシュー(定期刊行誌の号)に由来しており、小室曰く「いろんなところに行ってみようぜ」という意味を持つ[2]

    初週で164万枚を売り上げ、オリコン初登場1位を記録し、翌週も1位を獲得した。累積売上は323.9万枚で日本の歴代アルバム売上16位、オリジナルアルバムに限ると歴代10位の売上を誇る。

    音楽性

    [編集]

    カート・コバーンが亡くなった時に、本作の原点となるメロディのみのデモテープをロンドンで制作。ニルヴァーナの作風に非常に傾倒しながら制作したという[3]

    アルバム全体のテーマは「ニルヴァーナの終結」「グランジの崩壊」「ギターのハネる表現・特有のグルーヴ感・スウィング奏法を表現し切ること」という落ち着かない雰囲気作りを志向した[4][5]

    歌詞全体のコンセプトは「1,2分の間に何が起こったのか、その瞬間何を考えていたのかを深く掘り下げて切り取る」ように心がけた[6]

    録音

    [編集]

    シングルで先行発売された楽曲以外は、1997年1月1日以降に改めてデモテープを練り直し、ロサンゼルスの2つのスタジオで本格的なレコーディングに突入した[7]。全てドラムマシンを起動しながらギターで即興の弾き語りという形で小室哲哉の仮歌を録った後、マーク・パンサーにコード進行を教えながらベースを弾き語り、KEIKOもエフェクトをかけずに生で歌う形で改めてglobeの楽曲としての音源を制作した[4][8][7]

    この段階で荒々しさを気に入った小室がそのままOKテイクにしようとしたが、流石に周囲からNGを出されたため[4]、「デモテープに録った味を殺さずに荒さを消して、CDとして発売できるまでのクオリティへ高めるレコーディング作業を行う」と同時に「『globe@4_domes』のリハーサルを同時進行で進める」という強行スケジュールで制作され、小室も後に「今までのレコーディングで、一番難しくて大変だった」と振り返った[9][7]

    リリース履歴

    [編集]
    No. 日付 レーベル 規格 規格品番 最高順位 備考
    1 1997年3月12日 avex globe CD AVCG-70002 1位
    1997年5月21日 MD AVYG-72003
    2 2012年3月21日 avex infinity CD AQCD-50695 「マスターピース・シリーズ」。期間限定生産廉価盤、紙ジャケット仕様[10]
    • 上記の他に、2016年12月21日に96kHz/24bitのハイレゾリューションオーディオとして鈴木浩二の手によりリマスタリングされ、配信リリースされた[11]

    収録曲

    [編集]
    CD
    全作曲・編曲: 小室哲哉。
    #タイトル作詞作曲・編曲時間
    1.overdose-小室哲哉
    2.DEGENERATE小室哲哉・MARC小室哲哉
    3.FACES PLACES小室哲哉・MARC小室哲哉
    4.Is this love小室哲哉・MARC小室哲哉
    5.So far away from home (Beautiful Journey)MARC小室哲哉
    6.a temporary girl小室哲哉・MARC小室哲哉
    7.Because I LOVE the NIGHT小室哲哉・MARC小室哲哉
    8.Anytime smokin' cigarette小室哲哉・MARC小室哲哉
    9.Watch the movie?小室哲哉
    10.a picture on my mind小室哲哉・MARC小室哲哉
    11.FACE小室哲哉・MARC小室哲哉
    12.Can't Stop Fallin' in Love小室哲哉・MARC小室哲哉
    13.can't stop PIANO SOLO小室哲哉
    14.FACES PLACES(REMIX)小室哲哉小室哲哉
    合計時間:

    曲解説

    [編集]
    1. overdose
      インストゥルメンタル。
    2. DEGENERATE
      レイブナンバー[12]
      「ライブのオープニングに時間をかけるのと同じ感覚で、本編が始まるまでに気分を高めて、本楽曲の最後まで駆け抜けて欲しい」という思いで制作した[12]
    3. FACES PLACES
      9枚目のシングル及び表題曲。
    4. Is this love
      6枚目のシングル。ニュー・アレンジで収録。
    5. So far away from home (Beautiful Journey)
      ピアノを前面に押し出したレゲエ風のナンバー[12]
      アレンジの方向性は「大学の友人同士のパートナーが作ったカレッジソング」を志向した[12]
      歌詞はマークの「誰とでも仲良くなれる、ポジティブな雰囲気」を尊重し、「ロードムービー」「バックパッカー」の雰囲気を演出する様にした[12]
    6. a temporary girl
      歌詞は「10代前半の複雑な恋愛事情」をテーマにした[13]
      シタール風の音色に関して、小室は「わかりやすいシンセサイザーでも、ギターサウンドでも出せない不思議な虚無感を表現できた」と振り返っている[13]
    7. Because I LOVE the NIGHT
      カネボウ「マイルドコートシャンプー」CMソング。
      ギターのリフ・パーカッションを前面に押し出している[13]
      「KEIKOに音楽を楽しんでもらいたいし、楽してほしい」という気持ちで制作に取り掛かった[13]
    8. Anytime smokin' cigarette
      後に10枚目のシングルとしてカットされた。
    9. Watch the movie?
      インストゥルメンタル。
      当時の制作現場のテクノロジーを調べるために制作した[13]
      Music Production Controllerで「FACE」を切り取ってサンプリングする形で制作した[13]
    10. a picture on my mind
      プリクラをメインテーマにし、それを通すことで「女子高生が群れをなしていても、一人になった時の心の奥底から湧きあがる焦燥感」を描こうとした[13]
      プリクラは「時代に応じて進化していく」と感じ、「小さなボックス」と表現した[13]
    11. FACE
      8枚目のシングル。ニュー・アレンジで収録。
    12. Can't Stop Fallin' in Love
      7枚目のシングル。ニュー・アレンジで収録。
    13. can't stop PIANO SOLO
      インストゥルメンタル。
      「歌詞のインパクトが大きすぎる。メロディにもっと耳を傾けて欲しい」という小室の意向から、ピアノアレンジとなった[13]
    14. FACES PLACES (REMIX)
      EDDIE DELENAによるリミックス。シングルに収録されているDR. DISTORTO'S MIXと同一である。

    クレジット

    [編集]

    レコーディングメンバー

    [編集]

    全曲

    • 小室哲哉 : All Keyboards, Programming


    曲毎(以上のメンバー以外にクレジットがない場合は省略)
    DEGENERATE

    FACES PLACES

    Is this love

    • 松尾和博 : Guitars
    • 佐野健二 : Bass
    • 小野かほり : Percussion, Drum Kit

    So far away from home(Beautiful Journey)

    • 松尾和博 : Guitars
    • 木村建 : Guitars
    • 佐野健二 : Bass
    • 小野かほり : Percussion, Drum Kit

    a temporary girl

    • 松尾和博 : Guitars
    • 木村建 : Guitars
    • 佐野健二 : Bass
    • 小野かほり : Percussion, Drum Kit

    Because I LOVE the NIGHT

    • 小室哲哉 : Guitars, Blues Harp
    • 松尾和博 : Guitars
    • 木村建 : Guitars
    • 佐野健二 : Bass
    • 小野かほり : Percussion, Drum Kit

    Anytime smokin' cigarette

    • 小室哲哉 : Guitars, Blues Harp
    • 松尾和博 : Guitars
    • 木村建 : Guitars
    • 佐野健二 : Bass
    • 小野かほり : Percussion, Drum Kit

    Watch the movie?

    • 小室哲哉 : Guitars
    • 松尾和博 : Guitars
    • 木村建 : Guitars
    • 佐野健二 : Bass
    • 小野かほり : Percussion, Drum Kit

    a picture on my mind

    • 小室哲哉 : Blues Harp, Grocken
    • 松尾和博 : Guitars
    • 木村建 : Guitars
    • 佐野健二 : Bass
    • 小野かほり : Percussion, Drum Kit

    FACE

    • 松尾和博 : Guitars
    • 木村建 : Guitars
    • 佐野健二 : Bass
    • 小野かほり : Percussion, Drum Kit

    Can't Stop Fallin' in Love

    • 松尾和博 : Guitars
    • 佐野健二 : Bass

    FACES PLACES(REMIX)

    • Remixed : EDDIE DELENA
    • Additional Production : ROBERT ARTTIBIER, GARY ADANTE

    スタッフ

    [編集]
    • Produced : 小室哲哉
    • Mixed : EDDIE DELENA
    • Mix Programming : ANDREW SCHEPS
    • Synthesizer Programming : GARY THOMAS WRIGHT, 村上章久
    • Mastered : CHRIS BELLMAN
    • Recorded : 若公俊広, GARY THOMAS WRIGHT, ERIC WESTFALL, TERRI WONG
    • Vocal Directed : 小室哲哉, 佐野健二
    • A&R : 柳和実, ごとうけんご
    • Executive Produced : 松浦勝人
    • General Produced : 林真司, 大下勝朗
    • Art Direction, Designed : Tycoon Graphics

    脚注

    [編集]

    参考文献

    [編集]

    出典

    [編集]
    1. ^ 月次認定作品 認定年月:1997年5月度 一般社団法人日本レコード協会 THE RECORD 1997年7月号 2022年7月2日閲覧
    2. ^ 武田昭彦 編『別冊ステレオサウンド 小室哲哉 読音1』ステレオサウンド、2024年7月3日、61頁。ISBN 978-4-88073-517-7 
    3. ^ マガジンハウス刊『GINZA』2017年4月号113Pより。
    4. ^ a b c ソニー・マガジンズ刊『PATi PATi』1997年4月号「globe "FACES PLACES" SPECIAL LONG INTERVIEW IB L.A.」44P-45Pより。
    5. ^ ぴあ』1999年12月6日号22Pより。
    6. ^ 角川書店刊『月刊カドカワ』1997年5月号110Pより。
    7. ^ a b c ダイヤモンド社刊『FM STATION』1997年4月20日号「INTERVIEW→globe みんなに伝えるためのキーワードは“オルタナティブ” 自然体の私たちをライブでも素直に受け止めてほしい」16P-17Pより。
    8. ^ オリコン・エンタテインメント刊『オリコン・ウィーク The Ichiban』1997年3月3日号136Pより。
    9. ^ beatfreak 111 issue」より。
    10. ^ エイベックス初となる復刻版シリーズ“マスターピース・シリーズ”が発売! - CDジャーナルより。
    11. ^ globe 20周年イヤーを記念したハイレゾリリース&期間限定フラッシュプライス! e-onkyo music NEWS 2016年12月22日閲覧
    12. ^ a b c d e ぴあ 2015, p. 78.
    13. ^ a b c d e f g h i ぴあ 2015, p. 79.