FourCC (フォーシーシー) とは、データフォーマットを一意に識別するための4バイトの並びである(four-character code の意)。
Mac OS の OSType が起源であり、これをAmiga/エレクトロニック・アーツの Interchange File Format が採用し、その派生フォーマットに広まっていった。後に、QuickTimeやDirectShow/Direct3D/DirectDrawで圧縮形式や色空間を識別するのに再利用された。
4バイトの識別子は、人間が読んで理解できる文字を使うことができ、32ビットの整数を1つ格納するのと同じ領域しか要しない(ただし、エンディアン問題は存在する)。
1985年、エレクトロニック・アーツは Interchange File Format (IFF) というメタフォーマットを提案し、最初は Amiga 向けに利用した。IFFに基づいたファイルは、「チャンク」の並びで構成され、各チャンクには任意のデータが格納されており、各チャンクの先頭に4バイトのIDが付与されていた。IFF仕様には、FourCC の起源がアップルであることが明確に記述されている。
IFF は広く採用され、例えばAppleの AIFF やマイクロソフトの RIFF(AVI や WAV のベース)がある。アップルは、このようなコードを OSType と呼んだ。マイクロソフトや Windows 開発者は FourCC と呼んだ。マイクロソフトは DirectX(特に DirectShow と Direct3D)で使うデータフォーマットの識別にも FourCC を利用した。
よく知られている例として、AVIファイルでのビデオコーデックの識別子がある。例えば、CVID、IV32、DIVX、XVID、H264、AVC1、WMV3といった識別子がある。音声コーデックについては、AVIファイルやWAVファイルは2バイトの識別子を使っており、文字列ではなく16進数で表記される(例えば、MP3のIDは 0055)。QuickTimeファイルでは、その2バイト識別子の前に 'ms' という文字が付与され、FourCC の形式になっている。RealMediaファイルでもFourCCを使っているが、具体的な識別子は AVI や QuickTime とは異なる。
4バイトの識別子を使っている他の主なファイルフォーマットとしては、MIDI、PNG、3DS、ICCプロファイルフォーマット、Quake III Arena のマップフォーマットなどがある。
Windows bitmapやDirectDraw (DirectDraw Surface) ではYUV色空間をサポートする際の識別子としてFourCCが使われる[1][2]。