ハインケル He 114 (Heinkel He 114 )は、1930年代 のドイツ海軍 の艦船で使用するためにハインケル 社で製造された複葉 の水上機 型偵察機 である。本機は同社製のHe 60 を代替する機種であったが、ドイツ軍の標準的な着弾観測機としてアラド Ar 196 に取って代わられるまで短い期間しかこの任務には使用されなかった。
He 114の胴体とフロート は従来通りであり新規性は皆無であったが、主翼の配置は非常に特異なものであった。上側の主翼はパラソル配置の単葉機のように胴体から支柱(cabane strut )で支えられ、下側の主翼は上側とほぼ同じ翼弦 を持ってはいたが翼幅 が遥かに短かった。
He 114は大きな成功を収めることなく、大量生産もされず、ドイツ空軍 に就役した期間は短かった。He 60が水上では取り扱いやすく空中では鈍重であった一方でHe 114は水上での操作性はお粗末であり空中での性能はHe 60に勝る点はほぼ無かった。
12機がスウェーデン へ(そこではS 12 と命名)、24機がルーマニア へ輸出された。ルーマニアでは最後の8機が1960年 5月1日まで現役であった。
2012年 6月27日にPascale RoibuとIulian Rusuという 2人のダイバー がルーマニアのコンスタンツァ ママイア 近郊のシウトギル湖(Siutghiol Lake)で1機のHe 114を発見した。最近になってこの2人はHe 114の発見場所の近くで別のブローム・ウント・フォス BV 138 の残骸を発見した。
He 114A-0
656 kW (880 hp)のBMW 132 Dcエンジンを搭載した前量産型、10機生産
He 114A-1
656 kW (880 hp)のBMW 132Dc エンジンを搭載した練習機 型、33機生産
He 114A-2
主量産型の艦載型
He 114B-1
スウェーデン 向け輸出仕様のHe 114A-2、12機生産
He 114B-2
ルーマニア 向け輸出仕様のHe 114A-2、6機生産
He 114B-3
ルーマニア向け輸出仕様、12機生産
He 114C-1
ドイツ空軍 向けの偵察機 型、14機生産
He 114C-2
非武装の艦載型(ドイツ海軍 の仮装巡洋艦 )、4機生産
ドイツ国
ルーマニア
スペイン
スウェーデン
出典: Warplanes of the Luftwaffe. [ 1]
諸元
乗員: 2
全長: 11.65 m (38 ft 2+ 1 ⁄2 in)
全高: 5.23 m (17 ft 2 in)
翼幅 : 13.60 m(44 ft 7+ 1 ⁄2 in)
翼面積: 42.3 m2 (455 ft2 )
空虚重量 : 2,300 kg (5,070 lb)
運用時重量: 3,670 kg (8,091 lb)
有効搭載量: kg (lb)
最大離陸重量 : kg (lb)
動力: BMW 132 K 空冷 星型エンジン 、716 kW (960 hp) × 1
性能
超過禁止速度: km/h (kt)
最大速度: 335 km/h (181 kt) 208 mph
失速 速度: km/h (kt)
フェリー飛行時航続距離: km (海里)
航続距離: 920 km (497 nmi) 571 mi
実用上昇限度: 4,900 m (16,075 ft)
上昇率: 5.5 m/s[ 2] (1082 ft/min)
離陸滑走距離: m (ft)
着陸滑走距離: m (ft)
翼面荷重 : 86.8 kg/m2 (17.8 lb/ft2 )
馬力荷重 (プロペラ): 0.20 kW/kg (0.12 lb/hp)
武装
固定武装: 1 × 7.92 mm (.312 in) MG 17 機関銃 (観測員の回転銃座)
爆弾 : 2 × 50 kg (110 lb)
^ Donald 1994, p.107.
^ Smith and Kay 1972, p.268.
Donald, David, ed. Warplanes of the Luftwaffe. London: Aerospace, 1994. ISBN 1-874023-56-5 .
Smith J. R. and Kay, Anthony. German Aircraft of the Second World War . London: Putnam & Company Ltd., 1972. ISBN 0-370-00024-2 .