JR東日本719系電車 | |
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0番台H-31編成(2008年10月18日 長町駅) | |
基本情報 | |
運用者 | 東日本旅客鉄道 |
製造所 |
東急車輛製造(0番台) 日本車輌製造(5000番台) |
製造年 | 1989年 - 1991年 |
製造数 | 54編成108両 |
運用開始 |
1990年(0番台) 1991年11月5日(5000番台) |
運用終了 |
2020年3月13日(0番台) 2023年12月24日(700番台) |
主要諸元 | |
編成 | 2両編成(1M1T) |
軌間 |
1,067mm(0番台) 1,435mm[1](5000番台) |
電気方式 | 交流20,000V(50Hz) |
最高運転速度 | 110 km/h[2] |
起動加速度 | 2.0 km/h/s |
車両定員 |
0番台:クモハ719形 134(座席62)人・クハ718形 131(座席59人) 5000番台:クモハ719形 138(座席62)人・クハ718形 135(座席59人) |
編成重量 |
73.5 t(0番台) 72.0 t(5000番台) |
全長 | 20,000 mm |
全幅 | 2,966 mm |
車体幅 | 2,950 mm |
全高 |
4,086 mm(空調機高さ) 4,190 mm(0番台パンタグラフ折りたたみ) 4,250 mm(5000番台パンタグラフ折りたたみ) |
車体高 | 3,670 mm |
床面高さ | 1,180 mm |
車体 | ステンレス鋼[5] |
台車 |
軸箱守(ウイングばね)方式ボルスタ付台車 DT32・TR69(0番台) ロールゴム軸箱方式ボルスタレス台車 DT60・TR245(5000番台)[3] |
主電動機 | 整流子電動機(他励方式) MT61 |
主電動機出力 | 130kW |
駆動方式 | 中空軸平行カルダン駆動方式 |
歯車比 | 85:14(6.07) |
編成出力 | 130kW × 4 = 600kW |
制御方式 | サイリスタ位相制御[2](サイリスタレオナード制御) |
制動装置 |
回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ[2] 抑速ブレーキ・耐雪ブレーキ付[2] |
保安装置 |
0番台:ATS-Ps 5000番台:ATS-P[4] |
719系電車(719けいでんしゃ)は、1989年(平成元年)に登場した、東日本旅客鉄道(JR東日本)の交流近郊形電車。
1980年代後半のJR東日本仙台支社管内普通列車には、主に451・453・455・457系急行形電車が充当されていたが、以下の問題があった。
以上の問題を改善する目的から開発されたのが本系列である。
その後、山形新幹線運転開始による奥羽本線福島 - 山形間の普通列車用として、一部仕様変更をした5000番台が導入された。
211系を基本とした半自動機能付き片側3扉のステンレス車体であるが[5]、側面窓配置は211系と異なり扉間窓は大型3枚[6]、戸袋窓は乗務員室と前位扉間と制御車トイレ隣にのみ設置[6]。また室内からの展望に配慮して、前面貫通扉と運転室助士席側の窓を下方に拡大した[6]。パンタグラフ設置部は、仙山線の狭小トンネル区間に対応するため低屋根構造としている[5]。
クモハ719形 (Mc) + クハ718形 (Tc') の2両編成を基本とし、最大8両編成まで併結が可能である[5]。分割・併合を容易にするために自動解結装置ならびに電気連結器を装備するほか[5]、E721系と併結し相互に救援が可能である。
JR九州の713系電車で実績のあるサイリスタ連続位相制御を採用し、4基の直流主電動機を直列で制御する[7][注 1]。本方式は直流電気車に見られる抵抗制御とは異なり、衝動のない滑らかな加速が可能で電力の損失も小さい利点がある。また、電圧の制御幅が広いことから、電動機の端子電圧を高く取ることができ、1個あたり130キロワットの定格出力を得ている。
本系列では主回路電機子の2分割サイリスタブリッジ[7]と界磁制御用サイリスタブリッジを個別に配置する他励方式(分巻方式)を採用した。 通常の電車に用いられる直流電動機は、電機子と界磁を直列に配置する直巻整流子電動機が用いられるが、本系列では電機子と分巻界磁を個別に連続制御し、回生ブレーキの使用を可能とする構成である。ただし、起動から力行に至る特性では直巻方式が有利であるため直巻電動機と同様の特性を持つように界磁側を制御する(直巻制御)。
制御用に16ビットマイクロコンピュータを搭載しており、力行時は直巻制御するほか界磁独立制御により35%弱め界磁 ・回生ブレーキ・抑速ブレーキの制御を行う。
主回路の整流装置はダイオードを併用しない全サイリスタとしており、回生ブレーキ使用時にはモーターが発する直流を交流に変換するインバータとして動作する。
座席配置はセミクロスシートだが、クロスシート部分は集団見合い型の配置である[6]。シートピッチは4人掛けの区画が1,490mm、2人掛けの区画が845mm。集団見合い型の固定式座席にすることで、転換式の標準寸法(910mm)よりもシートピッチを詰めて配置した。
車内は淡いクリーム色の化粧板、あずき色の座席モケット、薄茶色の床材(5000番台車はクリーム色)という暖色系カラースキームを採用。また、従来仙台地区で運用されていた417系や717系0・100番台と同様に乗降口脇にガラス製風防が設置される。
仙台支社(現・東北本部)管内(東北本線・利府線・仙山線・磐越西線・常磐線)用に全車東急車輛製造が新製した番台区分。仙台車両センターに2両編成42本計84両が配置され、H-1 - H-42の編成番号が付与された[注 2]。
本番台区分は以下の特徴を持ち落成した。
また運用開始後に以下の機器追加搭載・変更を施工した。
当初より0番台の全編成がワンマン運転に非対応であり、ワンマン運転対応の701系電車が仙台地区に導入されると本系列は2編成を連結した4両以上での運用が基本となったため、2007年以降の定期ダイヤでは2両編成での運転は磐越西線でわずかに行われる程度であった。また4両以上での運転が基本とされたこともあり連結させた中間の運転台の機能を停止させて実質的な4両固定とした編成も存在した。
本形式はオールステンレス車のため車体の劣化は少ないものの、乗降時におけるステップに段差があり、バリアフリーに対処できないこと、制御機に採用されているサイリスタ連続位相制御は採用例が少なく、国鉄時代製造の台車や機器の老朽化によって保守部品の調達が困難になったことから、2016年度より、本系列の代替を目的としてE721系1000番台が投入された[JR東 1]。2019年10月1日時点では、仙台車両センターにH17・H19・H20・H41の4本、秋田車両センター(現・秋田総合車両センター南秋田センター)にH10・H13の2本の計12両が配置されていた[8][9]。2020年3月14日ダイヤ改正で定期運用から離脱し、秋田車両センターの2本は2020年3月14日付[10]、仙台車両センターのH17・H41は同年5月9日付、H20は同年5月15日付、H19は同年6月1日付で[11]、それぞれ廃車され、0番台は全て運用離脱し廃車となった。H40のみ廃車後も解体されず、それまで使用されていた417系K4編成に代わって仙台レールセンターの訓練車に転用された。
奥羽本線標準軌区間(福島 - 新庄 通称:山形線)普通列車用でJRグループ初の在来線標準軌車両としての番台区分[1]。1991年に日本車輌製造で2両編成12本計24両を新製。山形車両センター(現:山形新幹線車両センター)に配置され編成番号Y-1 - Y-12が付与された。
0番台に対して以下の相違点がある。
2002年以降はパンタグラフをシングルアーム式に換装ならびにスカートが排雪性能を強化した形状に変更されたほか、Y-1 - Y-6編成はワンマン運転対応改造を施工。運賃箱・運賃表示器・整理券発行器・自動放送装置・ドアチャイムなどの関連機器が搭載され、運転席・助士席直後の座席を撤去した。
コンセプトを「走るカフェ」としたレストラン列車「フルーティアふくしま[注 4]」へ充当させるため0番台H-27編成に郡山総合車両センターで2014年に施工した改造による番台区分である[12][JR東 2]。2015年に実施された福島デスティネーションキャンペーンに合わせて、同年4月25日より運転を開始した。
改造後も引き続き仙台車両センターに配置されるが、編成番号はS-27に変更された。またカフェカウンター車となるクシ718形制御全室食堂車の形式記号「クシ」は日本国有鉄道(国鉄)を通じても初となる形式記号である。
2024年現在以下の線区で運用される。
過去の運用
編成 番号 |
クモハ 719 (Mc) |
クハ 718 (T'c) |
製造 | 落成日 | 落成 配置 |
現行処遇・ 配置 |
除籍日 | 転属歴 | 最終 配置 |
備考 |
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H1 | 1 | 1 | 東急 | 1989年12月25日[21] | 仙台 | 廃車 | 2018年[22] | 4月14日仙台 | ||
H2 | 2 | 2 | 2017年[23] | 8月25日|||||||
H3 | 3 | 3 | 2018年[22] | 5月15日|||||||
H4 | 4 | 4 | 1990年[21] | 1月19日2019年[24] | 7月27日||||||
H5 | 5 | 5 | 2017年11月29日[23] | |||||||
H6 | 6 | 6 | 2018年[22] | 7月12日|||||||
H7 | 7 | 7 | 1990年[21] | 2月 8日2018年[22] | 7月 7日||||||
H8 | 8 | 8 | 2018年[22] | 6月23日|||||||
H9 | 9 | 9 | 2019年[24] | 6月 4日|||||||
H10 | 10 | 10 | 1990年[25] | 4月27日2020年[24] | 3月14日[転属 1] | 秋田 | ||||
H11 | 11 | 11 | 1990年[25] | 4月26日2018年[22] | 4月 6日仙台 | 磐越西線運用車(あかべえ塗装) | ||||
H12 | 12 | 12 | 1990年[25] | 4月27日2019年[24] | 6月 4日||||||
H13 | 13 | 13 | 1990年[25] | 4月26日2020年[24] | 3月14日[転属 1] | 秋田 | ||||
H14 | 14 | 14 | 1990年[25] | 4月27日2018年[22] | 4月13日仙台 | 磐越西線運用車(あかべえ塗装) | ||||
H15 | 15 | 15 | 1990年[25] | 5月24日2019年[24] | 7月27日||||||
H16 | 16 | 16 | 2019年[24] | 8月10日|||||||
H17 | 17 | 17 | 1990年[25] | 5月25日2020年[27] | 5月 9日||||||
H18 | 18 | 18 | 2017年[23] | 8月25日|||||||
H19 | 19 | 19 | 2020年[27] | 6月 1日|||||||
H20 | 20 | 20 | 1990年[25] | 7月13日2020年[27] | 5月15日||||||
H21 | 21 | 21 | 2016年11月[28] | 5日|||||||
H22 | 22 | 22 | 2019年[24] | 8月10日|||||||
H23 | 23 | 23 | 1990年[25] | 7月27日2017年[28] | 3月 1日||||||
H24 | 24 | 24 | 2016年12月20日[28] | |||||||
H25 | 25 | 25 | 2018年[22] | 6月22日|||||||
H26 | 26 | 26 | 1990年[25] | 8月13日2017年[23] | 8月25日||||||
H27 | 27 | 27 | 観光列車化 | フルーティアふくしま(S27)へ改造 | ||||||
H28 | 28 | 28 | 廃車 | 2017年11月21日[23] | 仙台 | |||||
H29 | 29 | 29 | 1990年[25] | 8月24日2017年[28] | 3月 1日||||||
H30 | 30 | 30 | 2019年[24] | 4月18日|||||||
H31 | 31 | 31 | 2019年[24] | 4月20日|||||||
H32 | 32 | 32 | 1991年[29] | 7月29日2016年12月27日[28] | ||||||
H33 | 33 | 33 | ||||||||
H34 | 34 | 34 | 1991年[29] | 7月30日2017年[23] | 8月25日||||||
H35 | 35 | 35 | 2017年11月23日[23] | |||||||
H36 | 36 | 36 | 1991年[29] | 7月31日2019年[24] | 5月15日||||||
H37 | 37 | 37 | 1991年[29] | 8月21日2017年11月30日[23] | ||||||
H38 | 38 | 38 | 2018年[22] | 5月12日|||||||
H39 | 39 | 39 | 1991年[29] | 8月22日2018年[22] | 4月 7日||||||
H40 | 40 | 40 | 1991年[29] | 8月30日2019年[22] | 3月14日仙台総合訓練センター訓練車へ転用 | |||||
H41 | 41 | 41 | 2020年[27] | 5月 9日|||||||
H42 | 42 | 42 | 1991年[29] | 8月31日2018年[23] | 1月31日
編成 番号 |
クモハ 719 (Mc) |
クハ 718 (Tc) |
製造 | 落成日 | 落成 配置 |
現行処遇・ 配置 |
除籍日 | 転属歴 | 最終 配置 |
備考 |
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Y1 | 5001 | 5001 | 日車 | 1991年[29] | 9月 4日山形 | 山形 | ワンマン対応 | |||
Y2 | 5002 | 5002 | 1991年[29] | 9月 5日|||||||
Y3 | 5003 | 5003 | 1991年10月13日[29] | |||||||
Y4 | 5004 | 5004 | ||||||||
Y5 | 5005 | 5005 | ||||||||
Y6 | 5006 | 5006 | 1991年10月14日[29] | |||||||
Y7 | 5007 | 5007 | ||||||||
Y8 | 5008 | 5008 | ||||||||
Y9 | 5009 | 5009 | 1991年10月22日[29] | |||||||
Y10 | 5010 | 5010 | ||||||||
Y11 | 5011 | 5011 | ||||||||
Y12 | 5012 | 5012 |