K-300P

K-300P
K-300P(手前)
種類 地対艦ミサイル /地対地ミサイル
原開発国 ロシアの旗 ロシア
運用史
配備期間 2015年-現役
配備先 ロシア, ベトナム, シリア
関連戦争・紛争 シリア内戦
開発史
製造業者 NPO Mashinostroenia
製造期間 2010年-
諸元
重量 3,000 kg
全長 8.9 m
直径 0.7 m

弾頭 250 kg 半徹甲 HE
信管 遅延信管

エンジン ラムジェットエンジン
推力 4 トン
翼幅 1.7 m
推進剤 ケロシン
最大高度 14,000 m
誘導方式 アクティブ/パッシブレーダー誘導
発射
プラットフォーム
TEL(沿岸発射)
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K-300P バスチオン-P は、ロシアが開発した沿岸防衛用地対艦ミサイルシステムである。 愛称はロシア語で「要塞」のこと。NATOコードネームでは SS-C-5 ストゥージ(Stooge:密告者)と呼ばれる。GRAUインデックス3K55(3К55)

概要

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K-300Pは、空母打撃群・輸送船団・揚陸艦艇等の水上艦を沿岸から攻撃することを目的とし、ベラルーシTekhnosoyuzproekt社と共同で開発された。

典型的なユニット編成は、指揮・射撃管制車両(KAMAZ 43101 6×6トラック)1~2両、支援車両1両、ランチャー車両(MZKT-7930 8×8)4両、弾薬運搬・再装填車両4両である。

コテリヌイ島において発射を行うK-300P

ランチャー車両は3名の乗員によって運用される。1両につき2発のミサイルが搭載されており、指揮・射撃管制車両からは最大で25km離れて布陣できる。ミサイルは5分以内に発射準備状態にでき、搭載している2発は2〜5秒間隔で発射することが可能である。 布陣後は通常編成ユニットで3〜5日間、戦闘支援車両を伴う場合は最大30日間、発射即応状態とすることができる [2][3]

使用するミサイルはP-800である。発射時は固体燃料ロケットブースターを使用してランチャーから垂直に射出された後、ミサイル先端に装着されたスラスターユニットにより目標に指向する。その後スラスターユニットの分離が行われ、固体ロケットで超音速まで加速し、その後、ラムジェットに切り替える。固体ロケットの推進剤を燃焼させた後の空間が、ラムジェットエンジンとして使われ、マッハ2.5で巡航し目標へ飛翔する。

射程は飛行プロファイルによって変化する。射程は、高度2万メートルの高空をマッハ2.5で飛行し、目標の手前で降下、低空で突入した場合で約300キロメートル、低空のみを飛行した場合で120キロメートルとされるが、速度はマッハ1.6に低下する上に空力加熱によって探知される可能性が上がる。

巡航時はGLONASSを使用し、 終末誘導はアクティブレーダーホーミングである。 通常、3発1組で運用され、その場合には「リーダー機」である1発のみがレーダーを作動させ他のミサイルに指示を下す。これはソ連・ロシアの対艦ミサイル共通の特徴である。またレーダー警戒装置が搭載され、必要に応じて回避運動も行う。対艦攻撃が主任務であるが、この他に地上攻撃も可能とされている。

最大飛行高度14,000m、シースキミング高度5mで、 シーステート 7の気象条件でも運用可能である [2][3]

セルゲイ・ショイグ国防相はウラジーミル・プーチン大統領と国防省の代表者との会談で「K-300Pは、海上で350キロメートル、陸上で約450キロメートルの距離で海と地上の標的を破壊することができる」と述べた[4]

配備と運用

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2011年3月2日、ロシアは千島列島にK-300Pを展開すると発表し [5]、 展開は2016年までに実施された [6]

2015年3月15日、ロシアはクリミアにK-300Pを展開した [7] [8] 。サイロ発射型は、2020年までにObject 100(元々旧ソ連時代に整備された対艦ミサイル部隊)に配備される[9]

2015年、ロシア北部艦隊司令官 ウラジミール・コロレフは、ロシア北方艦隊の沿岸部隊が、既存のS-400に加え、K-300Pを受け取ると述べた [10] [11] [12]

2016年11月15日、ロシアはシリアへのK-300P配備を発表し、シリアでのロシア軍の介入の一環として、地上標的に向けて発射した[13] 。ミサイルは修正された誘導ソフトウェアにより、指定目標に命中した [14] [15]

派生型

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K-300P 
TEL型
K-300S 
ミサイルサイロ型
Bastion E

運用国

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K-300P運用国(青色)

関連項目

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ロシアの自走式地対艦ミサイルシステム


出典

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  1. ^ https://sputniknews.com/military/201611151047466677-russia-syria-bastion-missiles/
  2. ^ a b Bastion-P Costal defense missile system - Military-Today.com
  3. ^ a b 3K55 Bastion - Weaponsystems.net
  4. ^ “This is How Russia Could Use Bastion Systems Against Ground Targets in Syria” (英語). Sputnik. (2016年11月15日). https://sputniknews.com/military/201611151047466677-russia-syria-bastion-missiles/ 
  5. ^ Russia to deploy Bastion coastal missile systems at Kurils”. Rusnavy.com (2011年2月3日). 2013年9月3日閲覧。
  6. ^ Russia Deploys Bal, Bastion Coastal Missile Systems to Kurils”. Sputnik.com (2016年11月22日). 2016年11月23日閲覧。
  7. ^ Smith-Spark (2015年3月16日). “Russia was ready to put nuclear forces on alert over Crimea, Putin says”. CNN. 2015年3月16日閲覧。 “In the documentary, Putin said Russia's Bastion high-precision coastal missile defense systems had been deployed to Crimea to protect the territory -- 'in such a way that they were seen perfectly well from outer space.'”
  8. ^ Russia deployed Bastion coastal missile systems on Crimean peninsula”. spiegel.de (2015年3月15日). 2015年3月15日閲覧。
  9. ^ В Крыму восстановлена боеготовность шахтного берегового ракетного комплекса "Утес"
  10. ^ Sputnik. “Russia to Deploy Anti-Ship Bastion Missile Complexes in Arctic in 2015” (英語). sputniknews.com. 2019年7月19日閲覧。
  11. ^ Bora (2015年6月1日). “Russian Military To Deploy Bastion Anti-Ship Missile Complexes In Arctic In 2015”. International Business Times. 2019年7月19日閲覧。
  12. ^ Henderson (2019年7月18日). “Cold Ambition: The New Geopolitical Faultline” (英語). The California Review. 2019年7月19日閲覧。
  13. ^ https://www.middleeastobserver.org/2016/11/15/putin-orders-bombing-aircraft-carrier-syria-hours-after-call-with-trump/
  14. ^ Russia reveals Bastion-P deployment, land attack role in Syria”. Jane's Information Group (16 November 2016). 16 November 2016閲覧。
  15. ^ Bastion coastal defense missile system proves land attack capability in Syria - Armyrecognition.com, 25 November 2016
  16. ^ http://thediplomat.com/2016/08/vietnam-deploys-precision-guided-rocket-artillery-in-south-china-sea/

外部リンク

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