『L.A.コンフィデンシャル』(エルエーコンフィデンシャル、L.A. Confidential)は、1990年に発刊されたジェイムズ・エルロイの『L.A.四部作』の第3部である小説、またそれを原作とした1997年公開のアメリカ映画。
1950年代のロス市警(L.A.P.D.)。マフィアのボス逮捕による暗黒街の混乱、酔った警官がメキシコ系移民の容疑者に暴行した「血のクリスマス」事件など、騒然としたロスの世相を背景に、カフェで元刑事を含む6人が惨殺された「ナイトアウルの虐殺」事件を捜査するロス市警の3人の警官が、捜査を進めるうちに警察内部の腐敗に直面する人間模様を描いている。映画版は一癖も二癖もある刑事を演じたラッセル・クロウ(ハリウッド初出演作)、ガイ・ピアースの出世作となった。
舞台は、1950年代のロサンゼルス。マフィアの幹部ミッキー・コーエンの逮捕をきっかけに、血みどろの抗争が繰り広げられていた。
ある日、街のコーヒーショップで客が皆殺しにされる猟奇殺人事件がおきる。被害者の一人は刑事だった。その刑事の相棒だったバドは新入りのエド、ベテラン刑事のジャックと共に事件の捜査に当たる。やがて、犯人と見られる三人組はエドに射殺され、事件は解決したかに思われたが...。
L.A.コンフィデンシャル | |
---|---|
L.A. Confidential | |
監督 | カーティス・ハンソン |
脚本 |
カーティス・ハンソン ブライアン・ヘルゲランド |
原作 | ジェイムズ・エルロイ |
製作 |
カーティス・ハンソン アーノン・ミルチャン マイケル・ネイサンソン ブライアン・ヘルゲランド |
製作総指揮 |
ダン・コルスラッド デヴィッド・L・ウォルパー |
出演者 |
ケヴィン・スペイシー ラッセル・クロウ ガイ・ピアース ジェームズ・クロムウェル キム・ベイシンガー デヴィッド・ストラザーン |
音楽 | ジェリー・ゴールドスミス |
撮影 | ダンテ・スピノッティ |
編集 | ピーター・ホーネス |
製作会社 | リージェンシー・エンタープライズ |
配給 |
ワーナー・ブラザース 日本ヘラルド映画 |
公開 |
1997年9月19日 1998年7月18日 |
上映時間 | 138分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
興行収入 |
$64,616,940[1] $126,216,940 |
配給収入 | 10億円[2] |
ワーナー・ブラザース製作で映画化され、カーティス・ハンソンが監督・製作・脚色を兼任した。
役名 | 俳優 | 日本語吹替 | ||
---|---|---|---|---|
ソフト版 | フジテレビ版 | |||
ジャック・ヴィンセンス | ケヴィン・スペイシー | 田中秀幸 | 江原正士 | |
バド・ホワイト | ラッセル・クロウ | 菅生隆之 | 山野井仁 | |
エド・エクスリー | ガイ・ピアース | 宮本充 | 藤原啓治 | |
ダドリー・スミス | ジェームズ・クロムウェル | 有川博 | 中村正 | |
リン・ブラッケン | キム・ベイシンガー | 高島雅羅 | 金野恵子 | |
シド・ハッジェンス | ダニー・デヴィート | 永井一郎 | 青野武 | |
ディック・ステンズランド | グレアム・ベッケル | 菅原正志 | 塩屋浩三 | |
ピアース・モアハウス・パチェット | デヴィッド・ストラザーン | 小島敏彦 | 小川真司 | |
エリス・ローウ地方検事 | ロン・リフキン | 山野史人 | 石森達幸 | |
市警察本部長 | ジョン・マホーン | 大木民夫 | 富田耕生 | |
ジョニー・ストンパナート | パオロ・セガンティ | 菅原正志 | 中田和宏 | |
スーザンの母親 | グウェンダ・ディーコン | 斉藤昌 | 片岡富枝 | |
スーザン・レファーツ | アンバー・スミス | 榎本智恵子 | ||
リーランド・“バズ”・ミークス | ダレル・サンディーン | 仲野裕 | 大山高男 | |
マット・レイノルズ | サイモン・ベイカー | 遠近孝一 | 坂口賢一 | |
ブレット・チェイス | マット・マッコイ | 秋元羊介 | 千田光男 | |
ミッキー・コーエン | ポール・ギルフォイル | |||
ラナ・ターナー | ブレンダ・バーキ | |||
暴力を振るう夫 | アラン・グラフ | 島香裕 | 茶風林 | |
カレン | シンバ・スミス | 鈴鹿千春 | ||
酒屋店主 | ウィル・ザーン | 星野充昭 | ||
法医学者 | ジーン・ウォーランド | 塚田正昭 | 田原アルノ | |
検死官 | マイケル・チーフォ | 星野充昭 | 西村知道 | |
メキシコ人 | トーマス・ロサレス・Jr | 辻親八 | ||
フィリップ | ロバート・ハリソン | 菅原正志 | 北川勝博 | |
ブロイニング | トーマス・アラナ | 千田光男 | ||
カーライル | マイケル・マクリアリー | 秋元羊介 | 星野充昭 | |
レイ・コリンズ | ジェレマイア・バーケット | 吉田孝 | ||
ルイス・フォンテイン | サリム・グラント | 遠近孝一 | 加瀬康之 | |
タイ・ジョーンズ | カー・ワシントン | 坂口賢一 | ||
その他 | 秋間登 沢海陽子 色川京子 金子由之 伊藤栄次 室園丈裕 大黒和広 遠藤純一 湯屋敦子 村井かずさ |
|||
演出 | 清水勝則 | 伊達康将 | ||
翻訳 | 日笠千晶 | 中村久世 | ||
調整 | 栗林秀年 | |||
制作 | ザック・プロモーション | 東北新社 |
※20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパンより2017年11月22日発売の『L.A.コンフィデンシャル 製作20周年記念版BD』にはソフト版に加え、フジテレビ版の日本語吹替が収録。また入江悠と岩崎太整による本作の検証と、公開当時のキネマ旬報に掲載されたハンソンのインタビュー、フジテレビ版吹替でジャック・ビンセンズ役の江原正士と演出を担当した伊達康将の対談が収められたキネマ旬報責任監修のコンプリートブックが封入されている[4]。2021年4月21日にはウォルト・ディズニー・ジャパンより、引き続きフジテレビ版吹替など20周年記念版BDと同仕様のディスクが廉価版として再販された。
第64回ニューヨーク映画批評家協会賞ならびに第23回ロサンゼルス映画批評家協会賞で作品賞を受賞。第70回アカデミー賞においても9部門にノミネートされ、作品賞の最有力候補と目されていたが、同年末に公開された『タイタニック』が史上最多タイ記録となる11部門を受賞し、本作の受賞は助演女優賞と脚色賞の2部門に止まった。