MAZ-537 | |
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MAZ-537 戦車運搬車型 | |
種類 | 軍用車両/戦車運搬車 |
原開発国 | ソビエト連邦 |
運用史 | |
配備期間 | 1960年代~ |
開発史 | |
開発者 | ミンスク自動車工場 (MAZ/Маз) |
製造業者 |
ミンスク自動車工場 (MAZ/Маз) KZKT |
製造期間 |
1959年~1965年(MAZ) 1963年~1990年(KZKT) |
諸元 | |
重量 | 21,600 kg[1] |
全長 | 9.13 m[1] |
全幅 | 2.88 m[1] |
全高 | 2.89 m[1] |
要員数 | 1 + 3名[1] |
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エンジン |
D12A-525 V12ディーゼル 排気量 38.9L、出力525hp[1] |
行動距離 | 650 km[1] |
速度 | 55~60 km/h[1] |
MAZ-537 (ロシア語: МАЗ-537) は、1960年代にソビエト連邦のミンスク自動車工場[2]で開発された8×8輪駆動の大型軍用トラクタートラックである。
ソビエト連邦や友好国で主力戦車や装甲戦闘車両などを輸送する戦車運搬車として運用されていた。
MAZ-537の製造は1959年に開始され、1960年代になって実戦配備された。開発のベースとなったのは同じく8×8輪駆動のMAZ-535重砲兵トラクタートラックである。1960年代前半に製造拠点がミンスク自動車工場 (MAZ/Маз)からKZKTに変更され、1990年頃まで生産された。
MAZ-543は出力525馬力のD12A-525 38.9Lディーゼルエンジンを搭載し、ChMZAP-9990やChMZAP-5247Gなどのセミトレーラーを牽引した状態で初期型は約50トン、後期型では約65トン程度の積載容量を持ち、西側製と比較して比較的軽量なソ連製主力戦車や重装甲装軌式装甲車を搭載可能であった。また最も多く使用されたMAZ-537Gは巻き上げ能力15トンのウィンチを装備していた[1]。
MAZ-537のキャビン(運転席)は前方に張り出すような構造で、キャビンの後部にエンジンが搭載される構造となっている。MAZ-537の設計をベースにしてほぼ同時期に開発されたMAZ-543も同じD12A-525ディーゼルエンジンを搭載しているが、こちらは左右のキャビンがエンジンを挟むような構造をとっていた。
基本型はトラクタートラック型であるが、派生車種としてカーゴトラック型のMAZ-537A、車体後部に大型クレーンを搭載したMAZ-537K、回収車両型のKET-T[3]、修理部隊用のMTP-A4[3]などが開発された。
1980年代以降、戦車運搬車型のMAZ-537は後継車種のKZKT-7428に更新が進められた[1]。KZKT-7428は外見は近代的なものに変更されているが、中身の設計はMAZ-537の発展改良型といえる車種であった。
2013年にはKZKT-7428の後継としてKAMAZ製のKamAZ-65225が登場したが、この車両は民間型キャブオーバートラックのデザインをベースにしていたためオフロード走行性に問題があった。2015年に公開された最新型のKamAZ-78504はこの問題に対応するため、MAZ-537やKZKT-7428の設計を踏襲したデザインレイアウトに戻されている[1]。
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