Megha-Tropiques | |
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Megha-TropiquesのCG | |
所属 | ISRO 、CNES |
主製造業者 | ISRO |
公式ページ | Megha-Tropiques |
国際標識番号 | 2011-058A |
カタログ番号 | 37838 |
状態 | 運用終了 |
目的 | 気象研究 |
観測対象 | 熱帯の降雨および水蒸気 |
設計寿命 | 3年以上 |
打上げ場所 | サティシュ・ダワン宇宙センター |
打上げ機 | PSLV-CA |
打上げ日時 | 2011年10月12日 |
消滅日時 | 2023年3月27日 |
物理的特長 | |
質量 | 打ち上げ時1000kg、ドライ866kg |
発生電力 | 1325W(寿命末期) |
主な推進器 | ヒドラジンスラスタ(11N)×4 |
姿勢制御方式 | 3軸姿勢制御 |
軌道要素 | |
周回対象 | 地球 |
高度 (h) | 867km(打ち上げ時) |
軌道傾斜角 (i) | 20.0度 |
軌道周期 (P) | 101.93分 |
観測機器 | |
MADRAS | 大気・降雨マイクロ波分析装置 |
SAPHIR | マイクロ波水蒸気サウンダ |
ScaRaB | 走査型放射収支計 |
ROSA | 電波掩蔽センサー |
Megha-Tropiques(メーガ・トロピク)はフランス国立宇宙研究センター(CNES)とインド宇宙研究機関(ISRO)が共同で開発し、2011年に打ち上げた地球観測衛星。熱帯における水蒸気と降雨の動向を専門に観測する。衛星名はその国際協力に相応しくサンスクリット語の雲(मेघ、アルファベット音写Megha)と、フランス語の熱帯(Tropiques)の組み合わせである。
Megha-Tropiquesは、グローバルな大気と水の対流モデルや、地球温暖化を研究する上で重要な構成要素となる熱帯地方の水循環を把握することを目的とし、熱帯におけるモンスーンなどの気象予報精度向上にも寄与することが期待されている。インド側とフランス側の間で幾度かの構想の変遷を含む交渉が行われ、2004年11月12日に交わされた覚書により、両者の役割分担が正式決定した。衛星本体はインドのIRS衛星シリーズのプラットフォームを元に製作され、4つの搭載機器のうちMADRASはISROとCNESの共同開発、SAPHIRおよびScaRaBはCNESの提供となった。衛星の寿命は打ち上げ後3年が見込まれた。
2011年10月12日、Megha-TropiquesはPSLVロケットに搭載され、他の3基のマイクロ衛星と共にサティシュ・ダワン宇宙センターより打ち上げられた[1]。赤道を中心とした熱帯の低緯度(0~30度)を観測するため、軌道傾斜角20度、高度867kmの軌道を取っており1日に地球を14周する。管制と観測データの受信はバンガロールのテレメトリー追跡コマンドネットワーク(ISTRAC)にて行われた。
Megha-Tropiquesはアメリカ航空宇宙局(NASA)と日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)などが進める全球降水観測計画(GPM:Global Precipitation Measurement)に、コンステレーション衛星の一つとして当初から参加が予定されており[2]、2013年1月に搭載観測機器のうちMADRAS放射計が故障により機能を停止したものの[3]、SAPHIRサウンダによる降水量観測は熱帯地方(低緯度)におけるGPMの観測精度向上に貢献した[4]。
当初の計画を延長し10年以上に亘って観測が続けられたが、2022年3月に衛星の姿勢制御に問題が生じてデータ受信が困難となったため同年4月に観測ミッションを終了した[5]。任務を終えた衛星を処分するため残ったスラスタ燃料を使って軌道の引き下げが行われ、2023年3月7日に行われた最後の噴射によってMegha-Tropiquesは太平洋上で大気圏に再突入し消滅した[6]。