製造元 | NVIDIA |
---|---|
種別 | System on Module (SoM) |
OS | Linux |
CPU | ARM |
NVIDIA Jetsonは、NVIDIAが提供している、画像認識や大規模言語モデルなどのディープラーニングを使用することを目的とした組み込み用のコンピューティングボードである[1]。System on Module (SoM) として、CPU、内蔵GPU、内蔵NPU(ディープラーニング・アクセラレータ)、メモリ、ストレージなどが搭載されている。
本項では、Jetsonと同じく内蔵GPU方式のNVIDIA Project DIGITSもまとめて記載する。
同じ組み込み用でも自動運転車用の車載システムはNVIDIA DRIVEとして提供している。[2]
Jetsonの性能としては、ノートパソコンの内蔵GPU・内蔵NPU相当である。例えば、Jetson OrinはAmpereマイクロアーキテクチャであり、これはGeForce RTX 30 シリーズにあたるが、Jetson OrinはCUDAコア数が512~2048コアなのに対して[3]、ディスクリートGPUのGeForce RTX 30 シリーズ Laptop GPUは2048~7424コアとなり[4]、より高性能である。商品に組み込むわけではなく、高い信頼性が不要な場合は、Jetsonの代わりに、NVIDIAのディスクリートGPUを搭載したノートパソコンやミニPCが比較対象となる。高い信頼性が必要な場合、Jetsonを搭載した産業用PCがあるが、これも、NVIDIAのグラフィックボードを搭載した産業用PCが比較対象となる。
Jetson TK1, TX1, TX2 は、ARMアーキテクチャの中央処理装置 (CPU) を統合した Nvidia の Tegra プロセッサ (またはSoC) を搭載した低消費電力システムである。
NVIDIAはNPUの事をDLA(ディープラーニング・アクセラレータ)と呼んでいる。[5]
Jetsonファミリーは以下のデバイスが発売された。
Nvidia Jetson TK1 開発者キットは、T124バリアントのTegra K1 SoCを搭載し、Ubuntu Linuxを実行する開発者キットとして、2014年4月下旬に出荷された。価格は$192。[6] Jetson Nanoの発売によって生産終了した。
以下のデバイスが発売された。
Nvidia Jetson TX1 開発者キットは、2015年11月に発表された、モデルT210のTegra X1が搭載された開発用のシングルボードコンピュータである。価格は$599。[9][10]
Nvidia Jetson Nano 開発者キットは、2019年3月中旬に発表された。価格は$99[11]。低価格な入門機で、70x45mmの大きさは Jetson ファミリの中で最小である。[12] 意図された市場は、低価格ということもあり、趣味的なロボット工学のための製品である。[13][14] 最終的な仕様では、フルTegra X1システムが意図されるものの、電力が最適化され、最小の特徴だけを持ったバージョンのようなボードであることが明らかになった。
より詳細に比較すると、CPUコア (4x A57@1.43 GHz) とGPUコア (Maxwell世代の128コア@921MHz) の半分だけが存在し、接続可能なRAMの半分だけが接続されている (4GB LPDDR4@64bit + 1.6 GHz = 25.6 GB/s)。その一方、利用可能または使用可能なインターフェイスはベースボードの設計によって決定され、アプリケーション事例のためのエンドユーザ固有の設計と実装の決定の対象となる。[15]
公開されている Nvidia Jetson Nano のオペレーションモードは以下の通り。
モード | 0 | 1 |
---|---|---|
GPU (MHz) | 921 | 640 |
Cortex-A57 (MHz) | 4x 1428 | 2x 918 2x 停止 |
TDP (W) | 10 | 5 |
以下のデバイスが発売された。GPU性能は電力が最大の設定の場合。[16]
製品名 | GPU性能 密行列 FP16 TFLOPS |
メモリ GB |
ストレージ GB |
電力 W |
---|---|---|---|---|
Jetson TX2 NX | 1.33 | 4 | 16 | 7.5, 15 |
Jetson TX2 4GB | 1.33 | 4 | 16 | 7.5, 15 |
Jetson TX2i | 1.26 | 8 | 32 | 10, 20 |
Jetson TX2 | 1.33 | 8 | 32 | 7.5, 15 |
Nvidia Jetson TX2ボードは、マイクロアーキテクチャGP10B (またはSoCタイプT186と非常に類似した) のTegra X2を搭載している。[17] このボードと関連する開発者キットは、小型カメラドローンでの使用など、低消費電力シナリオ向けのコンパクトなカード設計で2017年3月に発表された。価格は$599[18]。形状はシングルボードコンピュータ。
パフォーマンスモードのセットを記述したマトリックスは、それに沿ってメディアによって提供された。[19] さらに、頑丈で産業用のユースケースに適していると言われたTX2iバリアントが言及された。[20]
公開されている Nvidia Jetson TX2 のパフォーマンスモードは以下の通り。
モード | Max Clocks (Denver2 + A57) |
Max-P (Denver2 + A57) |
Max-P (Denver2のみ) |
Max-P (A57のみ) |
Max-Q (A57のみ) |
---|---|---|---|---|---|
GPU (MHz) | 1302 | 1122 | 854 | ||
Denver2 (MHz) | 2000 | 1400 | 2000 | N/A | N/A |
Cortex-A57 (MHz) | 2000+ | 1400 | N/A | 2000 | 1200 |
TDP (W) | might vary | 15 | 15 | 15 | 7.5 |
以下のデバイスが発売された。DLAはディープラーニング・アクセラレータの略。GPU性能およびDLA性能は電力が最大の設定の場合。[21][22]
製品名 | GPU性能 密行列 INT8 TOPS |
DLA性能 密行列 INT8 TOPS |
メモリ GB |
ストレージ GB |
電力 W |
---|---|---|---|---|---|
Jetson Xavier NX | 13 | 8 | 8 | 16 | 10, 15, 20 |
Jetson Xavier NX 16GB | 13 | 8 | 16 | 16 | 10, 15, 20 |
Jetson AGX Xavier | 22 | 10 | 32 | 32 | 10, 15, 30 |
Jetson AGX Xavier Industrial | 20 | 10 | 32 | 32 | 20, 40 |
Jetson AGX Xavier 64GB | 22 | 10 | 64 | 64 | 10, 15, 30 |
開発者キットとしては以下のものが発売された。
以下のデバイスが発売された。DLAはディープラーニング・アクセラレータの略。GPU性能およびDLA性能は電力が最大の設定の場合。[3]
製品名 | GPU性能 密行列 INT8 TOPS |
DLA性能 密行列 INT8 TOPS |
メモリ GB |
ストレージ GB |
電力 W |
---|---|---|---|---|---|
Jetson Orin Nano 4GB | 17 | N/A | 4 | N/A | 7, 10, 25 |
Jetson Orin Nano 8GB | 33 | N/A | 8 | N/A | 7, 15, 25 |
Jetson Orin NX 8GB | 38 | 20 | 8 | N/A | 10, 15, 25, 40 |
Jetson Orin NX 16GB | 38 | 40 | 16 | N/A | 10, 15, 25, 40 |
Jetson AGX Orin 32GB | 54 | 46 | 32 | 64 | 15, 40 |
Jetson AGX Orin Industrial | 78 | 46 | 64 | 64 | 15, 75 |
Jetson AGX Orin 64GB | 85 | 52.5 | 64 | 64 | 15, 60 |
開発者キットとしては以下のものが発売された。
JetsonではなくProject DIGITSとして以下のデバイスが発売された。形状はミニPC。価格は$3000。2025年1月発表。[28]
製品名 | GPU性能 密行列 INT8 TOPS |
メモリ GB |
ストレージ TB |
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Project DIGITS | 250 | 128 | 4 |
Jetsonボードシリーズでは、様々なOSやソフトウェアが動作する可能性がある。
JetPackは、Nvidia社のJetsonボードシリーズ用のソフトウェア開発キット (SDK) である。Linux for Tegra (L4T) オペレーティングシステムやその他のツールが含まれている。Nvidiaの公式ダウンロードページには、JetPack 3.2のエントリーがあると記載されている。[1]
RedHawk Linuxは、Jetsonプラットフォームで利用可能な高性能RTOSであり、関連する NightStar リアルタイム開発ツール、CUDA/GPU の機能強化、ハードウェア・イン・ザ・ループおよびマン・イン・ザ・ループ・シミュレーション用のフレームワークが含まれている。[29]
QNXオペレーティングシステムは、広く発表されていないが、Jetson プラットフォームでも利用可能である。特定のNvidia Jetsonボードに特定のQNXパッケージをインストールした成功例が報告されている。Nvidia の Vibrante Linux ディストリビューションをベースにしていると思われる qnx-V3Q-23.16.01 パッケージが Jetson TK1 Proボード上で動作することが報告されている。[30]