PVP装甲車(小型防護車)、2009年 | |
基礎データ | |
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全長 | 4.60 m、PVP HD 4.80 m |
全幅 | 2.28 m、PVP HD 2.54 m |
全高 | 2.17 m、PVP HD 2.26 m |
重量 |
4.4トン PVP HD 5.5トン |
乗員数 | 2+2+1 passengers, maximum 2+3+2 |
装甲・武装 | |
装甲 |
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主武装 | 7.62 mmないし12.7 mm機関銃 |
備考 | バリエーション:PVP(3ドア)、ガビアル(5ドア)、PVP HD(5ドア + ボディ延長) |
機動力 | |
速度 | 120 km/h(100 km/hに制限) |
エンジン |
イヴェコ製ターボ・ディーゼル(ユーロ3対応)、直列4気筒(2.8L) 160 PS |
懸架・駆動 | 4x4ないし4x2、ZF 4 HP 220 S自動変速機 |
行動距離 | 800 km |
出力重量比 | 34 PS / トン |
PVP装甲車(仏: Petit Véhicule Protégé、小型防護車)はフランスの装甲された連絡および警備用車両。戦争での任務を担えるように設計されており、哨戒、護衛、警備、調査、連絡、領域管理といった任務で兵員および物資の輸送を行い、指揮所として機能することができる。エアボーンおよびヘリボーン運用が可能で、フランス陸軍の戦場での連絡車両をプジョー・P4を置き換えた。
ユーゴスラビアでの以前の戦訓などから、連絡指令車両の小型の歩兵携行火器、IED、狙撃手などに対する防護性能の著しい不足を浮き彫りにした。
このことから、2001年にプジョー・P4に代わるPVP計画の開始が決定され、2004年9月にオーヴェルランに発注された[note 1]。一般への最初の公開は2002年にパリで開かれた防衛・安全保障展示会のユーロサトリだった。
PVPの製造はフランス国内の2か所に分かれて行われた:2005年から2012年までの間、車体およびシャシーの製造はサン=ジェルマン=ラヴァル(ロワール県)で行われ[1]、組み立てはマロール=ザン=ユーロポア(エソンヌ県)で行われた。
PVPは車室に対してはSTANAG 4569レベル2の、エンジンに対してはレベル1を備えており、これはVBL装甲車(軽装甲車両)同等の防弾性能となっている。
PVPにはABS、ESC、エアコン、オートマチックトランスミッション、車室内から制御できるタイヤ空気圧調整機構を備えている。車両の窓の厚さは6.6 cmあり、装甲板は複数の素材(セラミック、金属)を組み合わせてある[2]。
モデル | 車両重量 | 車室容積 | 搭載量 | 乗員 | 装甲 |
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PVP | 5トン以上 | 4.5m3 | 800kg | 2 + 3 + 2 | STANAG 4569レベル2以上 |
PVP/HD | 7トン | 6.5m3 | 2t | 2 + 3 + 2 | STANAG 4569レベル3 |
PVP/XL | 12トン以上 | 8-11m3 | 3t | 3 + 3 + 4 | STANAG 4569レベル3 |
2009年に最初の輸出先として総額200万ユーロで発注された15両の車両および陸軍と警察で装備する100両のオプション。オプションはまだ有効[3]。
2004年9月にフランス国防省が933両を発注した。2008年から2012年にかけて納入されるこの契約の総額は1億5,000万ユーロとなった。その後、政府の経済回復計画の一部として、2009年および2010年の年間納入数を200両から300両に引き上げた。
2011年9月8日に、新たに200両を2012年納入する発注が行われた[4]。
総計1133両のうちの993両目のPVPは2012年6月上旬に納入することが求められた[5]。1000両目のPVPは2012年9月27日のオテル・デ・ザンヴァリッドでの式典の最中にフランス陸軍に納入された。2012年10月、追加の100両の発注がキャンセルされ、計画の総計は1333両となった[6]。しかしながら、2012年12月に50両がDGAから発注され、発注されたPVPの総数は1183両となった。
2012年12月31日までに963両のPVPがフランス軍で供用された。その同日時点で、PVPの稼働率は
軽微な、しかし頻繁に繰り返される機構部品(ペダル、ステアリングロッド、ジンバル、配管…)の設計上の不具合
と交換部品の不足から50%にとどまった。フランス陸軍参謀総長は2013年末までに稼働率を75%に引き上げることを目標に定めた[7]。
目標は達成されず、1183両の稼働率は2014年の52%から、2015年には41%へと低下した。2016年の稼働状態整備の単価は2,144ユーロを要した[8]。2016年12月31日時点でPVPの稼働率は31%しかなく、陸軍の全車種のなかで最低を記録した[9]。
2019年12月31日時点で、平均車齢が10年となる1151両のPVPの稼働率は54%であり、稼働状態整備単価は5054ユーロとなった[10]。
2019年に12両のPVP装甲車を受領(さらに4両の納品待ち)
ルーマニアは憲兵隊で使用するために、2012年下半期に15両のPVPを発注した3番目の輸出顧客である[11][12]。
国家憲兵隊で使用するために、2017年12月に13両のPVPを発注した[13]。
2010年に同国から6両の発注がなされ、納品された[14]。これらの車両はフランスのPVPと似ているが、前席2座席と射手用の折りたたみ座席に加えて、後部に向かい合う4座席を収納できるように屋根が高くなっている[15]。
ラインメタル ランドシステムがドイツ連邦軍向けにパナール/オーヴェルランと共同開発したPVP派生車種の「Gavial」の試験を行った。5ドアを備えCH-53に搭載可能だった、最終的にはドイツ連邦軍には採用されなかった。
2012年春、インドは正式な入札の前段階として、軽装甲車に関する2つのRFI(情報提供依頼書)を発行した。インド陸軍の要求は、合計で 2,800台の軽装甲車(2,000 + 800)の納入であり、様々なバージョン(保護連絡、パトロール、輸送、砲兵観測、兵器システムキャリア)が用意される予定である[16]。最終的にPVPは入札で落選した。