"Roses are red"(ローゼス・アー・レッド、薔薇は赤く)は、英語で書かれた詩であり、また、この詩に触発されて作られた詩の集まりである。ラウド・フォークソング・インデックスの19798番に収録されている[1]。この詩は一般に、愛を伝える常套句として使用される。
この詩の、現代における最も一般的な形は以下の通りである。
- Roses are red,
- Violets are blue,
- Sugar is sweet,
- And so are you.
日本語訳
- 薔薇は赤く
- 菫は青く
- 砂糖は甘く
- そして貴方も
詩の起源は、少なくともエドマンド・スペンサーが書いた1590年の叙事詩『妖精の女王』(第3巻第6編第6節)の次の詩までたどることができる[2]。
- It was upon a Sommers shynie day,
- When Titan faire his beames did display,
- In a fresh fountaine, farre from all mens vew,
- She bath'd her brest, the boyling heat t'allay;
- She bath'd with roses red, and violets blue,
- And all the sweetest flowres, that in the forrest grew.
日本語訳
- それは夏の眩しい日のこと、
- 巨人が熱くその輝きを見せた頃、
- 清らかな泉の中で、万人の目から遠く離れ、
- 彼女は胸に水を浴びた、茹だるような暑さを鎮めるため。
- 浴びる彼女を囲むのは、赤い薔薇、青い菫、
- そして、森の中に育った全ての甘い香りの花。
現代の形にかなり近い童謡を、ジョゼフ・リットソン(英語版)による1784年のイギリスの童歌集であるGammer Gurton's Garlandに見ることができる。
- The rose is red, the violet's blue,
- The honey's sweet, and so are you.
- Thou are my love and I am thine;
- I drew thee to my Valentine:
- The lot was cast and then I drew,
- And Fortune said it shou'd be you.[3]
ヴィクトル・ユーゴーはスペンサーに精通していたと思われるが、1862年に小説『レ・ミゼラブル』を出版したとき、英語の童謡は知らなかったかもしれない。ユーゴーは小説家というだけでなく詩人でもあり、彼の小説の中には多くの歌が載せられている。レ・ミゼラブルの登場人物であるファンティーヌによって歌われた詩には、以下の一節がある。(1862年の英語訳)
- We will buy very pretty things
- A-walking through the faubourgs.
- Violets are blue, roses are red,
- Violets are blue, I love my loves.
最後の2行の元のフランス語による文章は以下の通りである。
- Les bleuets sont bleus, les roses sont roses,
- Les bleuets sont bleus, j'aime mes amours.
(Les Misérables, Fantine, Book Seven, Chapter Six)[4]