SAPICA | |
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通称 | サピカ |
使用エリア | SAPICAエリア |
導入 | 2009年 |
規格 | |
運用 | 札幌総合情報センター株式会社 |
通貨 | 日本円 (最高チャージ金額20,000円) |
プリペイド機能 | あり |
有効期限 | 最終利用日から10年 |
自動チャージ | あり |
取扱事業者 | |
販売場所 | |
追加機能 |
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ウェブサイト | https://www.sapica.jp/ |
SAPICA(サピカ)は、札幌市交通局が2009年1月30日から札幌市営地下鉄に導入した、札幌総合情報センター株式会社が発行するICカード乗車券である。2008年12月5日に同社の登録商標となっている[注 1]。名称は「サッと取り出して、ピッと利用できるSapporo(さっぽろ)のICカード」から名付けられている。発行枚数は約190万枚(2022年3月末現在)[1]。
札幌市は、2008年度のサービス開始を目途に市営交通で利用できるICカード(仮称:STカード[注 2])の導入を2006年から検討していたが[2]、2007年11月8日に同市及びジェイ・アール北海道バス、じょうてつ、北海道中央バスのバス事業者3社が共同して「札幌ICカード協議会」を設立し、バスとの共通化を含めたICカード事業を進めることとなった。また、新たに導入するICカードの名称を決定する際の参考とするため、札幌ICカード協議会が選定した8つの名称候補について、2007年11月15日から11月26日までの間で市民意向調査による投票を実施した[3]。
2008年3月27日、札幌ICカード協議会は市民意向調査を参考にICカードの名称を「SAPICA」と決定し、ロゴ及びデザインを発表した。併せて札幌市交通局は2009年1月から札幌市営地下鉄にSAPICAを導入すると発表した[4]。同年11月27日、札幌ICカード協議会は2009年1月30日から札幌市営地下鉄全線でサービスを開始すると発表した[5]。
札幌市の第三セクターであり、S.M.A.P.カードの実験時にも運用を担当した札幌総合情報センター株式会社を発行元とし、同社が発売やチャージ・再発行などを取り扱い、札幌ICカード協議会の加盟各事業者はSAPICAをIC乗車券類として取り扱うという形態をとっている。
発行枚数は2011年3月に20万枚を超えたが、券種によりSAPICAより高いプレミアムをつけている共通ウィズユーカードや、昼間割引カード(昼割)、ドニチカキップなど磁気券の割引施策が充実している事もあって利用率は伸び悩んでいたが、2014年に入り、共通ウィズユーカードの廃止(2014年5月31日販売終了)・バス会社各社がバスカードを廃止してSAPICAに移行していることもあり、発行枚数は順調に伸びている。札幌市交通局ではSAPICA専用の改札機を設けたり、所有者限定のイベントなどを開催するなど普及対策を行っているほか、札幌市でも環境局が主体となってLED照明を札幌市内で購入・設置した世帯にSAPICAを交付する施策を実施している[6]。
ICカード裏面の右下に記載の番号は「SP」から始まる。
FeliCaを使用したKitacaやSuica、ICOCA、PASMOなどと同じサイバネ規格を採用しているが、ICカードとリーダ・ライタの通信時に使われるFeliCaシステムコード及び暗号鍵にSAPICA独自のものを使用している[7]。これはSuicaと相互利用および片利用可能とするためには東日本旅客鉄道に対してライセンス料を支払い、暗号鍵の割り当てを受ける必要があるためである。
FeliCa仕様のICカードは、リーダ・ライタとの通信時にシステムコードが一致するカードのみレスポンスを返す仕様となっている[8]。そのため、Suicaと同一のシステムコードを採用するカードは、自動改札機へSuica系ICカードとしてレスポンスを返しているため、暗号鍵が一致すれば同一仕様のICカードとして認識される。SAPICAはシステムコードに独自コードを採用しており、システムコード不一致でレスポンスを返さないため、Suica系カードの2枚重ね(SuicaとPASMOなど)で起こる同時タッチエラーはSAPICAとSuica系ICカードでは発生しないようになっていた。
Kitaca・Suica等での利用を可能にするため、2013年4月11日より順次改札機をKitaca・Suica等にも対応させる改修工事を実施。改修後は2枚重ねで利用できなくなった[9]。
SAPICAは、以下の4種類を発行している。
チャージ上限は最高20,000円。共通ウィズユーカードや、別のICカードからはチャージできない。
カード残額の利用履歴はSAPICA対応自動券売機で表示・印字できる。また、導入当初は、記名SAPICAやSAPICA定期券はSAPICA公式サイトでも確認できたが、情報セキュリティ保護の観点から2012年3月にサービスを休止し、そのまま2012年10月に終了した[10]。
以下の路線で、乗車券および定期券としての利用が可能(高速バスの一部は定期券利用不可)。共同運行・共通乗車券取扱路線は自社運行便のみ利用可能。
2013年6月22日より札幌市電・バスへのSAPICA導入とあわせて、Kitaca・Suicaおよび相互利用可能な他のICカード乗車券(TOICA・ICOCA・SUGOCA・PASMO・manaca[注 3]・PiTaPa・nimoca[注 3]・はやかけん[注 3])でも地下鉄・市電・バスで片利用扱いを開始した(電子マネーは対象外)。しかし広島地区のPASPYなどと同様、交通系ICカード全国相互利用サービスに参加していないため、片利用であり、SAPICAを他のICカードのエリア(JR北海道など)で利用することは引き続きできない。
なお、SAPICAをJR北海道で利用可能にするための協議は継続して行われているが、SAPICAとKitaca・Suica等との完全相互利用化及び電子マネー機能の完全相互利用、およびこれに伴う交通系ICカード全国相互利用サービスへの参加については具体化していない。札幌市ではICカードによる割引サービスのほか、将来的に図書の貸し出しといった公共サービス機能の導入を検討している。相互利用時の割引サービスの有無については、ICOCA(原則割引なし)とPiTaPa(導入各社ごとに多数の割引がある)の相互利用などで同様の事例があり、公共サービス機能についてもFeliCaのマルチアプリケーション機能の一つとして利用可能なため、システム側の改修により対応させることは可能である。
なおJR東日本・JR西日本などでは、SAPICAエリアを「札幌Suicaエリア」という名称で案内している[17][18]。
オートチャージを設定した記名SAPICAやSAPICA定期券を使用した場合、カード残額が設定した金額(1,000円から5,000円までの1,000円単位)を下回っていると、事前に登録したクレジットカードから設定された金額(1,000円から3,000円までの1,000円単位)が自動的にチャージされる。オートチャージが行われるタイミングは地下鉄が自動改札機での入場時、市電・バスは降車時に運賃引き去りと同時に行われる。
オートチャージサービスの利用限度額は1日あたり3,000円、1ヶ月あたり30,000円で、これらを超えての利用はできない。
登録できるクレジットカードは、JCB、VISA、MasterCard、American Express及びその提携カード(地元カード会社のニッセンレンエスコートなど)で登録ができる。また1枚のクレジットカードで家族5人までの登録が可能である(いずれも、高校生を除く18歳以上に限る)。
SAPICAでは、従来の共通ウィズユーカードに付与されていたプレミアム(1,000円から5,000円までは10%、10,000円は15%)がなくなり、その代替として「SAPICAポイント」が導入された。ポイントの付与、および利用は以下の通り。
2011年3月18日に電子マネーサービスが開始された[22]。また、SAPICAへ電子マネー機能を付加することにあたり、2010年3月に北洋銀行と提携した[15]。
電子マネーが利用可能な店舗・施設は主に札幌市内を中心として拡大しており、札幌市役所や各区役所のほか札幌市円山動物園の入園料にも利用可能。地下鉄駅構内の売店及び清涼飲料水の自動販売機にも一部対応したほか、自動証明写真機にも対応している。このほか、札幌市以外でも利用可能な店舗が増えており、交通系IC乗車券としての利用はできないものの電子マネーのみ利用可能なところもある。2018年4月にはサッポロドラッグストアーの北海道外(東京都・京都府・福岡県・沖縄県。このうち東京都と京都府は2020年までに撤退。)も含めた全店舗でSAPICAを利用できるようになった。これが道外の店舗でSAPICAが利用できる初の事例となっている。
上記の通り電子マネー利用ではセイコーマート・サツドラグループを除きSAPICAポイントは付与されないが、さっぽろ地下街で電子マネーを利用した場合は「さっぽろ地下街POINT CLUB」のポイントが付与される。
札幌市が2011年10月17日より導入した地域ポイント制度。札幌市民が指定のボランティア活動やイベントなどに参加、来場するとSAPICAカードにポイントが付与され、ドニチカキップや市指定ごみ袋などと交換できる。SAPICAポイント、SAPICA電子マネーとの互換性はない。利用者の伸び悩みなどから2018年1月で終了。[23]
記名サピカには2014年8月20日から札幌市中央図書館など札幌市内約40カ所の図書館の貸出券機能が加わる[11]。