この記事は広告・宣伝活動のような記述内容になっています。 (2019年4月) |
THE TOKYO TOWERS | |
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施設情報 | |
所在地 | 東京都中央区勝どき六丁目3-1(シータワー)/3-2(ミッドタワー) |
座標 | 北緯35度39分20.1秒 東経139度46分26.7秒 / 北緯35.655583度 東経139.774083度座標: 北緯35度39分20.1秒 東経139度46分26.7秒 / 北緯35.655583度 東経139.774083度 |
状態 | 完成 |
建設期間 | 2005年(平成17年)1月 - 2008年(平成20年)1月 |
用途 | 主に共同住宅 |
地上高 | |
最頂部 | なし |
屋上 | 192.29 m |
各種諸元 | |
階数 | 地下2階、地上58階、塔屋1階 |
延床面積 | 383,345.47 m² |
エレベーター数 | 42基(乗用33基、非常用 4基、その他 5基) |
関連企業 | |
設計 | 日建設計、日建ハウジングシステム、住友商事一級建築士事務所 |
施工 | 前田・大成建設共同企業体(前田建設工業・大成建設) |
THE TOKYO TOWERS(ザ・トーキョー・タワーズ)は、東京都中央区勝どきにある2棟の超高層マンションを中心とする複合施設であり、首都圏で初めての再開発会社施工となった勝どき六丁目地区第一種市街地再開発事業によって2008年(平成20年)1月に完成した。地上58階建ての住居棟は竣工時、分譲マンションとして日本国内最高階層であった。
高さ193.5メートルの2棟は、敷地東京湾側(南側)をシータワー、築地方面側(北側)をミッドタワーと称し、プールやフィットネスジム、ゴルフレンジなどのスポーツ施設を集めた低層棟シーサイドアネックスは、居住者専用の共用施設となっている[1]。これら居住者用スポーツ施設のほか、再開発事業の一環として公共施設、医療機関や保育施設、スーパーマーケットなどの生活利便施設が併せて整備された。
ミッドタワー賃貸住戸部を含む総戸数2,794戸は、一団地として国内最大の戸数である大規模マンション。延床面積は38万3345.47平方メートルに達し、これは東京都庁舎や六本木ヒルズ森タワーを上まわる。
埋立地にありながら基礎構造は事業地の安定した地盤から直接基礎構造を採用し、高層棟は地下16メートルの支持地盤に約70メートル角、高さ約4メートルのコンクリート基礎(マットスラブ)をのせる直接基礎によって支持される。支持地盤は、東京都庁舎などの超高層ビルが建つ西新宿地域と同様の上総層群である。
1階の柱84本のうち最も軸力のかかる12本に、打設時(2005年(平成17年))世界最高強度である1平方ミリあたり130Nの超高強度コンクリートを用い、さらに1階の柱すべてを鋼板巻き柱とし火災時の爆裂防止と建物の耐震性を向上させた。1平方ミリあたり36N以上の強度を持つ高強度コンクリートは23階まで用い、プレキャストコンクリート(PCa)の全面的採用で高い品質を確保する。SD590、SD685といった高強度鉄筋もあわせて採用する。
地震対策として制震(制振)構造を採用し、各高層棟の3階から48階にかけて配置された計576本の制振間柱が地震エネルギーを吸収し躯体の損傷を抑える。制振間柱はJFEの極軟鋼ダンパー JFE-LY225等を用い、同製品は超高層建築を想定した検証の結果、想定される最大規模の地震に対しても累積塑性変形性能で約6.6 倍と十分な余力を持ち、また疲労寿命も長く、固有周期の長い超高層建物などへの影響が懸念される長周期地震動に対しても高いエネルギー吸収性能を示す[2][3]。
躯体は1辺を68メートルとする正方形のRC造の中央に大きな吹き抜けをとり、その中心にS造による柱状構造物(エレベーターホール)を形成し、RC造の外周部に接着させたS造柱とをダンパーで連結する。異なる固有周期を持つS造とRC造をダンパーで連結する構造は、長周期地震動で懸念される建物の共振の抑制に有効とされ、万全な長周期地震動対策を必須とした東京スカイツリーの柱状制震構造も同じ考えである。
架構はアウトフレーム逆梁構造を基本としながら、建物のすべてのコーナー部には中間逆梁によるガラスカーテンウォールを併用する、シャープな印象の外観と、高い居住性を同時に生かす構造体である。住戸計画はフレキシビリティを重視し、住戸を横断する梁は扁平梁としてスケルトン・インフィル(SI)対応とするためのスラブ段差を梁成内で吸収し、室内への梁の露出を抑えた多様な住戸プランを実現している。
都心立地を有効活用するための「空間の多層的利用」を特徴とする。直接基礎がもたらす広大な地下空間を、住戸部とエレベーターで直結する駐車場やトランクルームなどで有効利用し、低層部には地域貢献施設などを集約する。地上3階層にメインエントランスへのアプローチを兼ねた人工地盤(空中庭園)を広く確保し都心部に緑地を創出する。周辺地域との連続性も重視し、多層化された敷地内には各所に車椅子に対応したスロープとエレベーターを設け、バリアフリーにもつとめる。
基本設計ならびに再開発事業推進コンサルタントを世界最大級の組織系建築設計事務所である日建設計が担当し、東京都の環境影響評価なども同社による。同社山梨知彦を中心としたミースの手がけた建築物をほうふつさせるガラスを多用したソリッドな意匠の基本設計に、建築設計を担当した大手建設設計事務所である山下設計 船越康弘によるライトをほうふつさせるスクラッチタイルを多用し陰影を重視する外観デザインが融合する。朝やけを受けて浮かびあがるヨットの帆をイメージしたタワー外壁の大きな曲線で誘導される、錆浅葱色など日本古来の伝統色を用いる自然色彩によるグラデーションとフィンは、遠くからも目を引く、新しい都市景観を創出する。
人工地盤層でメインの外空間であるアクアステージは、直径約40メートルのガラスによるオーバルリングの内径部に水盤を有した放射状スケルション構造をとり、構造計算は斎藤公男教授(日本建築学会会長)が技術指導する。
デザイナーは日本のみならず海外でも活躍する以下の30歳代デザイナーが選出され、コンサルティングから最終デザインまで手がけた。施工においてもデザイナーの意向が十分に反映され、竣工時に「パンフレットのパース絵とほとんど変わらないような出来栄え」と評された[4]。
高層棟の建築では、クライミングクレーンとして国内最大級のJCC-V600S(石川島運搬機械)5基、OTA-600N(小川製作所)2基、OTA-450N(同)1基の計8基が導入された。低層棟の建築では、資材をつり上げたままクレーンがレール上を水平に移動できる走行式クライミングクレーンがこの現場のために開発され、日本初導入となった。
資材を荷揚げする仮設エレベータもこの現場のために新たに開発し、上下ふたつのカゴを持つ高速ダブルデッキエレベータが世界で初めて導入された(ミッドタワーのみ)。昇降速度は工事用ながら分速100メートルに達し、異なる階高に対応できる高さ自動調整機能も備えた。
建築物の総合的環境性能評価をおこなうCASBEE評価認証で、東京都内の集合住宅として唯一のランクA認証を取得する(2009年(平成21年)9月)[5]。住宅性能評価では維持管理対策の専用配管と共用配管、劣化対策のすべてで最高の等級「3」を取得する。
地球環境に配慮した次世代型オール電化住宅であり、自然冷媒ヒートポンプ式給湯器(エコキュート)、エアコンと連動するヒートポンプ式温水床暖房(ホッとく~る)などエネルギー効率の高い設備を標準採用する。オール電化採用による建物全体のCO2削減効果は約2,400t-CO2/年と想定され、東京ドーム約153個分に相当する面積の森林を保全するのと同じ効果が期待される[6]。その他、断熱効果をもつ複層ガラスや、保温効果の高い浴槽(魔法びん浴槽)を標準採用する。
共用設備は省電力製品を積極採用する。また、駐車場や駐輪場の設置率は地域標準にとどめ、新たな選択肢としてカーシェアリングサービスや共有レンタル自転車を導入することで、従来はこれらの設備に充てられた土地を緑地に転換した。緑化は人工地盤の空中庭園以外にも、低層部の壁面緑化、低層棟の屋上緑化に取り組む。
セキュリティ設備として、FeliCaによるICカードキーをかざすだけの非接続型キーシステムを採用する。ICカードはEdyによる決済機能と動的制御可能な共用施設解錠機能も備え、予約が必要な共用施設等も基本的にネット経由による予約と決済に対応する。
携帯電話への対応は、携帯電話がICカード代わりとなるおサイフケータイ用鍵アプリケーションの提供、外出先で戸締まりの確認や施錠が可能な遠隔ロック機能の提供などがある。また、高層建築物で課題となる携帯電話不感知対策として、NTTドコモの負担によりFOMA用屋内基地局設備(IMCS)が設置され、高層階においても安定した通話が可能とする。
ネットワーク設備は棟内も光配線とし、分譲住戸では全戸に4芯の光ファイバーケーブルを敷設する。これらはJ:COMの費用負担で設置され、同社が各戸1Gbpsのインターネット接続とCATV、IP電話ならびに緊急地震速報サービスなどを提供する(一部有償)。勝どきは同社の管轄エリア外であるが、グループ企業であるジェイコム東京を電気通信役務利用放送事業者として登録し、NTT東日本から光ファイバーを借りて最寄りのCATV局と接続し通常のケーブルテレビ提供地域以外からの伝送でサービス提供を実現する。この仕組は2010年(平成22年)1月時点でTHE TOKYO TOWERSが唯一の事例である。
施設は公共施設に加え、主に分譲住戸住民向けとする各種施設を備えている。ミッドタワー賃貸住戸では一部施設を共有利用できる他、賃貸部専用の施設がある。
分譲住戸販売時に、電通が中心となり、THE TOKYO TOWERSへのブリッジキャンペーンである I LOVE NEW TOKYO キャンペーン が展開された。イメージキャラクターに米国の俳優リチャード・ギアを起用し、広告費として不動産広告史上空前の30億円が投じられた。このキャンペーンにおけるギアのフィーは、チベットの民主化を支援する基金である The Gere Foundation に寄付された。
都心回帰の傾向に加えて、地価高騰の兆しや金利先高観を背景に2005年(平成17年)7月の発売から約4カ月間で約9割が「記録的と言えるスピード」で成約し、翌年10月に完売した。特に2005年(平成17年)8月には単月で1,101戸を販売し、同月の首都圏におけるマンション供給数の約20パーセントを THE TOKYO TOWERS 1物件が占めた[7]。
事業主であるオリックス不動産が、THE TOKYO TOWERSを中心にデザイン性の高い代表物件を「都市・街の象徴=ランドマーク」として紹介した映像「ORIX LANDMARKS」は、2008年(平成20年)度ニューヨークフェスティバル国際広告賞にて銅賞(Bronze World Medal)を受賞した。
総戸数2,794戸のうちミッドタワーの3階から30階までの813戸を高級賃貸住宅として設定。エントランスは賃貸住戸用と分譲住戸用とで分けられ、共有施設も低層棟をのぞいて賃貸住戸専用施設として設ける。
賃貸住戸部は当初都市再生機構の持ち分とされていたが、2005年(平成17年)12月に同機構が事業譲渡先を公募し、アリコジャパン(現メットライフ)ならびにオリックスが構成員となる投資ファンドへの売却が決定された。
現在は、賃貸住戸部はインベスコ・グローバル・リアルエステート・アジアパシフィック・インク、東急不動産リート・マネジメント、メットライフが有している。
THE TOKYO TOWERS の事業は、ミサワホームが構想していたミサワシティプロジェクトを前身とし、ミサワホームの経営状態悪化から2004年(平成16年)1月に住友商事への譲渡が決定されたものである。