Universal Flash Storage (UFS) とはデジタルカメラ、携帯電話、家電向けのフラッシュストレージ規格である[1][2]。UFSの目的としては、フラッシュメモリストレージのデータ転送速度と信頼性の向上に加え、市場の混乱の抑制と、カードの種類毎にアダプタを変える必要をなくすことである[3]。
提案されるUFSフラッシュメモリ規格は、ノキア、ソニー・エリクソン、テキサス・インスツルメンツ、STマイクロエレクトロニクス、サムスン電子、マイクロン、SKハイニックスなどの家電業界の有力企業によりサポートされている[4]。UFSはeMMCやSDカードを置き換える物として位置付けられている。UFS用の電気的インタフェースにはM-PHY(英語版)が使われている[5]。M-PHYはMIPIアライアンス(英語版)が開発した高速シリアルインタフェースであり、1レーンあたり2.5Gbit/sを目標としているが、5.8Gbit/sまで拡張可能である[6][7]。UFSは全二重シリアルLVDSインタフェースを実装するが、このシリアルインタフェースはeMMCの8レーンパラレルインタフェースよりも高い帯域幅での適合が優れている。UFSはeMMCとは異なりSCSIアーキテクチャモデル(英語版)をベースとしているため、SCSIタグ付きコマンドキューイング(英語版)をサポートする[8][9]。
UFS規格はJEDEC半導体技術協会が開発しており、そこから利用可能である。2013年9月、JEDECはJESD220B UFS 2.0(2012年6月に発表されたUFS v1.1を更新したもの)を発表した。JESD220B Universal Flash Storage v2.0によりUFS v1.1と比較して、パフォーマンスの向上のためのリンク帯域幅の増加、セキュリティ機能の拡張、追加の省電力機能がもたらされた。
LinuxカーネルはUFSをサポートする[10]。
2018年1月30日、JEDECはUFS規格のバージョン3.0を発表した。バージョン3.0ではMIPI M-PHY v4.1およびUniProSM v1.8を使用して、より高い11.6Gbit/sデータレート(1450MB/s)を実現している。MWC 2018で、サムスン電子は組み込みUFS (eUFS) v3.0およびuMCPソリューションを発表した[11][12][13]。
2020年1月31日、JEDECはUFS規格のバージョン3.1を発表した。基本的な仕様はバージョン3.0と同一だが、パフォーマンスの改善、電力効率の改善、コストカット等のマイナーチェンジが行われた[14]。
2022年5月3日、サムスン電子はMIPI M-PHY v5.0とUniPro v2.0を使用し、データレートが11.6Gbit/sから23.2Gbit/sへと倍増したバージョン4.0規格の高性能組み込み式フラッシュメモリを開発し、JEDECにより承認された[15]。
2016年3月30日、JEDECはUFS Card Extension Standardのバージョン1.0を発表した[16]。
2016年3月、JEDECはUFS Host Controller Interface Standardのバージョン2.1を発表した[17]。
2016年7月7日、初のUFSカードがサムスン電子により発表され、容量は32、64、128、256GBであった[18][19]。このカードはUFS 1.0 Card Extension Standardをベースとしている。容量が256GBのバージョンの性能は、シーケンシャルアクセスが読み取り最大530MB/sで書き込みが最大170MB/sまでで、ランダムアクセスは読み取り40,000IOPSで書き込み35,000IOPSである。
2016年11月17日、クアルコムはUFS 2.1をサポートするSnapdragon 835 SoCを発表した。Snapdragon 835はSD Card Version 3.0とUSB 3.1 Type-Cもサポートする。
UFS Card Extension規格のバージョン3.0は2018年1月30日に発表された。マイナーアップデートと編集上の変更が含まれる。
外見はMicroSDカードに似ているが互換性は一切無い。また、転送方式を大きく変えているため同スペックのSDカードと比較して消費電力が低くなっているのも特徴である[20]。韓国にて2018年12月に発売[21]。日本国内での発売時期は未定[22]。
UFS
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1.0
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1.1
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2.0
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2.1
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3.0[23][24]
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3.1
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4.0
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リリース日
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2011-02-24[25]
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2012-06-25[26]
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2013-09-18[27]
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2016-04-04[28]
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2018-01-30[29]
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2020-01-31[30]
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2022-08-17[31]
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1レーンあたりの帯域幅
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300 MB/s
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600 MB/s
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1450 MB/s
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2900 MB/s
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最大レーン数
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1
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2
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最大総帯域幅
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300 MB/s
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1200 MB/s
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2900 MB/s
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5800 MB/s
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M-PHYのバージョン
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3.0
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4.1
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5.0
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UniProのバージョン
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1.6
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1.8
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2.0
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UFS Card
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1.0
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1.1
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3.0[32]
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リリース日
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2016-03-30[33]
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2018-01-30[29]
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2020-12-08
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1レーンあたりの帯域幅
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600 MB/s
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1200 MB/s
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最大レーン数
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1
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最大総帯域幅
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600 MB/s
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1200 MB/s
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M-PHYのバージョン
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3.0
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4.1
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UniProのバージョン
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1.6
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1.8
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- ^ “Nokia, Others Back Mobile Memory Standard”. PC World. 9 February 2008時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年10月4日閲覧。
- ^ JEDEC Announces Publication of Universal Flash Storage (UFS) Standard
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- ^ Modine, Austin (14 September 2007). “Flash memory makers propose common card”. The Channel. http://www.channelregister.co.uk/2007/09/14/flash_memory_makers_propose_ufs/ 19 September 2012閲覧。
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- ^ http://www.mipi.org/
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- ^ http://global.samsungtomorrow.com/emmc-to-ufs-how-nand-memory-for-mobile-products-is-evolving/
- ^ http://www.design-reuse.com/articles/30845/universal-flash-storage-mobilize-your-data.html
- ^ https://www.kernel.org/doc/Documentation/scsi/ufs.txt
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- ^ “Samsung Starts Producing First 512-Gigabyte Universal Flash Storage for Next-Generation Mobile Devices | Samsung Semiconductor Global Website” (英語). www.samsung.com. 2018年10月4日閲覧。
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- ^ Universal Flash Storage - Host Controller Interface (UFS-HCI), Version 2.1
- ^ “Samsung Introduces World’s First Universal Flash Storage (UFS) Removable Memory Card Line-up, Offering up to 256-Gigabyte (GB) Capacity”. news.samsung.com. 2016年7月7日閲覧。
- ^ Shilov, Anton. “Samsung Rolls Out Its First UFS Cards: SSD Performance in Card Form-Factor”. 2016年7月7日閲覧。
- ^ “Samsung UFS Card”. Samsung. 2018年10月13日閲覧。
- ^ “G마켓 - 공식파트너 UFS 카드 256GB MB-FA256G/APC 외장메모리(韓国語サイト)”. Gmarket. 2019年2月22日閲覧。
- ^ “Samsungが新規格のNF1対応SSDなどを披露”. ASCII. 2018年10月13日閲覧。
- ^ Cho, HeeChang (August 2016). “Next Generation of Mobile Storage: UFS and UFS Card”. Jedec. 2018年10月4日閲覧。
- ^ Chen, Horace (July 2017). “UFS 3.0 Controller Design Considerations”. Jedec. 2017年11月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年10月4日閲覧。
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- ^ a b “JEDEC Publishes Universal Flash Storage (UFS & UFSHCI) Version 3.0 and UFS Card Extension Version 1.1 | JEDEC” (英語). www.jedec.org. 2018年1月31日閲覧。
- ^ Shilov, Anton. “Faster, Cheaper, Power Efficient UFS Storage: UFS 3.1 Spec Published”. www.anandtech.com. 2020年2月1日閲覧。
- ^ “JEDEC Updates Universal Flash Storage (UFS) and Supporting Memory Interface Standard” (英語). www.jedec.org. 2023年1月10日閲覧。
- ^ “JEDEC Advances Universal Flash Storage (UFS) Removable Card Standard 3.0” (英語). www.jedec.org. 2023年1月10日閲覧。
- ^ “JEDEC Publishes Universal Flash Storage (UFS) Removable Card Standard | JEDEC” (英語). www.jedec.org. 2017年10月30日閲覧。