V型16気筒(ブイがたじゅうろくきとう)とは、レシプロエンジン等のシリンダー配列形式のひとつ。16のシリンダーがV型に開かれ配置される。V16と略されることもある。
もともとはディーゼルエンジン向けに開発されたもので、船舶・航空機・鉄道車両などに採用されていた。
初めて乗用車向けのV型16気筒エンジンを開発したのはキャデラックである。7.4リッターの排気量で、最大出力は160馬力という性能だった。1930年に発表され、翌年に発売された「シリーズ452A」に搭載されている。
1934年には、フェルディナント・ポルシェがアウトウニオンのレーシングカー用に、バンク角45度の過給器付きエンジンを設計している。 かつてはフォーミュラ1カーのエンジンに採用されていたこともあった。
シリンダーブロックが巨大になるなど極端に実用性に欠けるため、市販車での搭載例は極めて少ない。
IHI原動機が海上保安庁の巡視艇向けに高速ディーゼルエンジンである16V20FX(出力4000kW)を生産している。