この文書は私論です。一部のウィキペディアンが助言や意見を記したものです。広く共有されている考え方もあれば、少数意見の見解もあります。内容の是非については慎重に検討してください。 |
この文書の要旨: 検証可能性の向上は重要ですが、可読性の観点からは質の低い脚注を多く付け加えるよりは、良質な出典を用い脚注の数は少数にとどめるべきです。 |
ウィキペディアは検証可能性を重視します。つまり、反証されうる情報や出典からの直接の引用に関しては、ウィキペディア外部の検証可能な出典を付けなければなりません。
脚注の付記は検証可能性の向上に役に立ちます。しかし逆に、あまりに多くの注釈を付けると読者の混乱を招き、記事の見た目が悪くなります。また、あまりに多過ぎる注釈は編集の支障になります。他の出典で述べられていることを単に繰り返しているだけの記述は、そのページの読みやすさを損ないます。
例えば“山田太郎は日本の学者[1][2][3][4][5]であり……”といったような過剰な出典は、非常に読み難いです。
「脚注過剰」を引き起こす原因の一つは、タグ爆撃を発端とする編集合戦です。著しいケースでは、対立する編集者に対して自分の論点を補強したりする目的で、一つの単語に対して15以上の脚注が付くこともあります。
しかし、過剰な脚注はそのページの読みやすさを損ないます。すべてのウィキペディアのページは読まれるためにあります。読み辛いページは、読者に対して検証に足る情報を与えられず、むしろ、記事の検証可能性を損ないます。もし脚注が無かったら、検証可能性を担保することはできません。しかし、大抵の場合、注釈は1文につき1つで十分です。オンラインの情報源のリンク切れへの対処や、ある事柄が幅広く支持されていることを示す目的のためであっても、2つか3つの注釈で充分なのです。それ以上の注釈は、記事の読みやすさを考え避けるべきです。
過剰な脚注は、記事の読みやすさを損なうだけではなく、他のウィキペディア編集者に対して特筆性に関する疑問を持たせる原因ともなります。経験の少ない編集者がウィキペディアの特筆性の基準に満たない記事を載せようとするとき、出典の量で他の編集者を圧倒しようとすることがあるためです。このような記述は、ウィキペディア上での経験を積んだ編集者に対して、より注意深い検証を必要とするというメッセージとなり得ます。
ある記事を良質な記事や秀逸な記事へ推薦しようとしている編集者が、基本的な事実に対して注釈をつけることがあるかもしれません。例えば、“…空は青い[1]…” といったように。 このような脚注の付与は、その編集者自身の観点からは良いことのように思われるかもしれません。しかし、ウィキペディアにおける常識を適用するならば、空が青いということに対して出典を付ける必要はありません。
記事に複数回繰り返し出てくる出典は、出典から言及される度にインライン引用を示す要はありません。もしあなたが一つの記事で象は哺乳動物であるという事実を複数の場所で言及する場合は、最初の物に出典を引用で示せば十分で、"哺乳動物"という単語が現れる度に引用をコピーして示す必要はありません。
冗長な引用でテキストを乱雑にしないでください:
象は大きな[1]陸生の[2]哺乳動物[3] ... 象の歯[4]は他のほとんどの[4]哺乳動物と大きく異なる[3][4]。ほとんどの哺乳動物とは異なり[3]、乳歯が成長した後で大人の永久歯に生え代わるが[4]、象は生涯を通じて歯が更新され続ける[4]。
- 1. Expert, Alice. (2010) 象の大きさ - 巨大。
- 2. Smith, Bob. (2009) 陸生動物, 第2章: 象。
- 3. Christenson, Chris. (2010) 哺乳動物全リスト
- 4. Maizy, Daisy. (2009) 象の歯の全て, p. 23–29
また、 Help:脚注#スタイルと用法にある通り、出典はその内容が裏付けとなっている文章の句点の直前に配置するのが通常です。一つの出典が同じ段落内の連続した文章の裏付けとなる場合、最後の文の終わりに、その引用を一つ置くのが適切です。連続する文章のそれぞれに個々に引用を示す必要はなく、これはやり過ぎです。ただしリストや表であれば話は別です。また複数の出典があり、それらが裏付けとなる部分の段落または文章が異なる場合にも適用されません。
正しい例を以下に記します。:
全集の第1巻で、マーダーは彼の作品について説明し「人生の親和性について」ここで登場人物たちは「最終的に、彼らは生存のために互いに依存することを理解している。」ウィアターとビセッテはこの関係に漫画業界におけるより広い隠喩を見た。実際に、潜在的な根本的な複雑さに対処するためにマーダーは、「それは読むより説明する方が難しい」と示唆している。彼はまた、「生態学のロマンス...自己完結型の食物連鎖を維持する完璧な世界の中心に住む生き物のグループに関するおとぎ話」と呼び、「本当に劣った概念!」と自称し、同様に、彼が言うには、「読者は、この書物のないようについていくのに相当な精神的なエネルギーを費やさねばならない」とし「地図とかなり長い用語集を含んでいる。」これらの潜在的に矛盾するコメントにもかかわらず、ウィアターとビセッテは「これよりシンプルまたはもっと図像的なコミック本はかつて存在したことがない。」と繰り返し語った<ref name="Rebels">[[Stanley Wiater|Wiater, Stanley]] & [[Stephen R. Bissette|Bissette, Stephen R.]] (ed.s) "Larry Marder Building Bridges" in '''''Comic Book Rebels''': Conversations with the Creators of the New Comics'' (Donald I. Fine, Inc. 1993) ISBN 1-55611-355-2 pp. 17–27</ref>。
これも正しいのですが、やり過ぎな例です。:
全集の第1巻で、マーダーは彼の作品について説明し「人生の親和性について」ここで登場人物たちは「最終的に、彼らは生存のために互いに依存することを理解している。」<ref name="Rebels">[[Stanley Wiater|Wiater, Stanley]] & [[Stephen R. Bissette|Bissette, Stephen R.]] (ed.s) "Larry Marder Building Bridges" in '''''Comic Book Rebels''': Conversations with the Creators of the New Comics'' (Donald I. Fine, Inc. 1993) ISBN 1-55611-355-2 pp. 17–27</ref>ウィアターとビセッテはこの関係に漫画業界におけるより広い隠喩を見た<ref name="Rebels" />。実際に、潜在的な根本的な複雑さに対処するためにマーダーは、「それは読むより説明する方が難しい」と示唆している<ref name="Rebels" />。彼はまた、「生態学のロマンス...自己完結型の食物連鎖を維持する完璧な世界の中心に住む生き物のグループに関するおとぎ話」と呼び、「本当に劣った概念!」と自称し<ref name="Rebels" />、同様に、彼が言うには、「読者は、この書物のないようについていくのに相当な精神的なエネルギーを費やさねばならない」とし「地図とかなり長い用語集を含んでいる。」<ref name="Rebels" />これらの潜在的に矛盾するコメントにもかかわらず、ウィアターとビセッテは「これよりシンプルまたはもっと図像的なコミック本はかつて存在したことがない。」と繰り返し語った<ref name="Rebels" />。
将来の混乱を防止するために、引用を <!-- -->
で囲い、コメントアウトしてその部分を非表示とする方法もあります。
別のよくあるやり過ぎの形態は、同じ内容が異なる出版元から発行されている場合に、それらを複数、引用することです。例えば、同じ通信社が配信した異なる新聞社の記事や、新聞や雑誌の記事をピックアップして転載したサイトが、違う内容・構成であるかのように引用することがこれに当たります。内容的に同じ物の引用が脚注の山となったり、別の内容の出典が埋もれたりするので、このタイプのやり過ぎには特別な注意が必要な場合があります。
もし、一つの情報に対して6つの注釈があり、最初の3つは信頼に足る情報であり(例えば学術論文のような)、残りの3つがいくらか弱いものであった場合には(例えば地方のニュースレターのような)、信頼性の低い方から情報源を除去していくべきです。
もし複数の出典がどれも信頼性において差のないものであった場合に脚注の数を減らすための良い方法は、出典の組み合わせが適切なものになるようにすることです。例えば、6つの出典が2つの本、2つの記事と2つの百科事典の記事で構成されていた場合、それぞれから1つずつ選んで3つに減らす、というように除去しましょう。
コンピュータやテクノロジーに関係した分野の記事など、速く変化する分野においては、情報源ができるかぎり最新のものであることが望ましいです。そのため、古い注釈は取り除かれるべきです。
多くの主題において、ある情報源は公式なものか権威を認められたものである一方、他のものはそれらの解釈、要約や意見に過ぎない場合があります。例えば、企業のウェブサイトは、本社の所在といった件に関しては、おそらく公的で異論の出ない情報源だと考えられます。だから、その件に関しては新聞記事を引用する必要はありません。またW3Cの規格書は、定義上、HTMLやCSSの規格に関する最も信頼できる情報であり、サードパーティのウェブ制作会社のチュートリアルは必要ありません。
文全体や段落が、特定の出典を引くだけで十分であるように文章を構築し、一文が複数の情報源を必要とするような文章構成は避けてください。
どうしても多くの出典を要する場合は、以下のように一つの脚注に複数の出典をまとめることもできます。出典テンプレートと脚注出典形式を併用したい場合は、{{Sfnm}}も用意されています。
ウィキペディアとは全人類の英知の結晶であり、史上もっとも偉大なウェブサイトである<ref> *「文献A」p.5 *「文献B」p.10 *「文献C」p.15 *「文献D」p.20 *「文献E」p.25 </ref>。
ウィキペディアとは全人類の英知の結晶であり、史上もっとも偉大なウェブサイトである[6]。