XB-33(Martin XB-33 Super Marauder)とは、アメリカ合衆国の航空機メーカーであったマーチン社が開発しようとした爆撃機である。社内コードはModel 190、愛称はスーパーマローダ(超略奪者)であった。同じマーチンが量産した中型爆撃機B-26マローダーの派生型になるはずであったが、開発は中止された。
当初のXB-33のデザイン案では、ライト社R-3350レシプロエンジン双発で2枚の垂直尾翼のある中型爆撃機で、胴体は与圧するというものであった。開発は1940年から始まり、搭載できる爆弾の重量はおよそ4,000lb(1,800kg)を目標にしていた。しかしながら、この双発案はしばらくして破棄された。
双発案では、軍の要求するパフォーマンスを達成することは出来ないことが明らかになった。そこで搭載エンジンを4発に増やすと共に機体デザインを大幅に変更することにした。また機体のサイズは制式採用されていたボーイング社のB-29に近く、B-24と同じぐらいであった。その爆弾搭載量は12,000lbとなり、1942年1月17日に軍から2機の試作機製造の契約を受けた為、XB-33Aとして製造されることになった。
再設計されたXB-33Aでは、R-2600エンジンを使用することになっていた。これはB-29にR-3350が優先して使用されるためであった。ネブラスカ州のオマハにあるマーチンの工場で製造されるはずであったが、1942年11月25日に計画はキャンセルされた。そのため、マーチン初の4発爆撃機は幻におわった。これ以降、マーチンのオマハ工場ではボーイングのB-29のライセンス生産を行う事になった。