XA-43
XP-87 / XF-87 ブラックホーク
XF-87 ブラックホーク(Curtiss-Wright XF-87 Blackhawk )は 、アメリカ合衆国のカーチス・ライトが試作した夜間・全天候型邀撃戦闘機[1][2]。飛行性能が競作機より劣っていたため、採用されなかった。カーチス・ライトが開発した最後の戦闘機である[1]。
愛称の「ブラックホーク (Blackhawk)」は、アメリカインディアンのソーク族首長の意である。1948年の命名規則の変更により、XP-87 ブラックホークより変更された。カーチス・ライトの社内名称はCW-29。
本機は当初、ジェット攻撃機XA-43として第二次世界大戦中に設計されていたものであった[1]。1945年2月にアメリカ陸軍航空軍がP-61の後継となる夜間・全天候型戦闘機を要求すると、それに合わせて設計に変更が加えられ、夜間戦闘機としてXP-87の開発が開始[1]された。なお、XA-43は1945年11月に開発中止となっている[1]。
直線翼の複座ジェット戦闘機であり、4発機であり、エンジンは2基を一まとめにし主翼の中ほどに装備している[2]。水平尾翼の位置は、垂直尾翼の中ほどにあり、座席の配置はパイロットとレーダー手のサイドバイサイドとなっている[1][2]。武装は、機首に20mm機銃4門と尾部に12.7mm機銃2門を装備する計画であった[1]。当初案には20mm機銃4門を機首の旋回機銃とする案もあった[1]。
XP-87は1947年8月に完成し、初飛行はミューロック乾湖で1948年3月5日に行われた[1]。1948年6月に名称はXF-87へ変更され、戦闘機型のF-87Aが57機、写真偵察機型のRF-87Aが30機発注されている[1]。F-87Aでは、エンジンをGE J34(推力:1.3t)からJ47(推力:3.2t)に変更する予定であった[1]。しかし、エンジンは出力不足であり[1][3]、運動性等の評価も芳しくなく[1]、P-61の更新機としてはノースロップF-89が採用されたため、本機の開発は同年10月10日に中止となり、2機の試作機はともにスクラップとして処分された。